MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

積丹から幌加内へ。新緑の美幸線をトロッコで駆けた、9泊10日の北海道 14 - 一年前ですが、北前船すごろくと田中酒造(2022年6月18日/2日め)

2022年6月19日 「旧花田家番屋」で。小樽から留萌まで、北前船とニシンを追いかけたあげくに、行きついた場所でした。(北海道留萌郡小平町)


6月18日(月)


旧茨木家中出張番屋のつづきです。
内部の見学は、これで終わりましたが、
最後にもうひとつ、
書き残しておきたいものがあります。


それは、Iさん心づくしのパネルたちです。
北前船が大好きなIさんは、
公務員として働く傍らで、
長い年月をかけて全国を歩き、
北前船にゆかりのある土地を訪ねました。
現在、そのすべてが日本遺産となっています。


Iさんが各地で撮り続けた写真は、
今はパネルとなって、
番屋の漁夫だまりに並べられています。
その数に驚いて、
「これ、全部Iさんがお作りになったんですか?」
と尋ねると、ちょっと恥ずかしそうな顔で、
頷いておられました。^^


以下、Iさん手作りのパネルたちです。
今後の自分の旅行のバイブルとして、
ここに記録させていただきたいと思います。


左上:山形県酒田市・日和山公園。北前船の船頭たちが、出航前に天候を見た公園です。1672年に西回り航路を整備した、河村瑞賢の像があります。
左下:新潟県新潟市・旧小澤家住宅。小澤家は、回船業や倉庫業などを営んでいた、新潟を代表する豪商です。北前船で運ばれたニシンなどの海産物は、さらに川舟で内陸の会津などまで運ばれ、新たな食文化を生み出しました。
右上:新潟県長岡市・白山媛神社。1774年(安永3年)から1889年(明治22年)にかけて、北前船が奉納した52枚の船絵馬があります。(国の重要民俗文化財)
右下:富山県富山市・旧森家住宅。森家は北前船の回船問屋で、代々肥料問屋を営みました。米作にニシン魚肥が使われるようになり、収穫高が向上しました。明治後期には、北海道の米の移入量の約半分が富山県からでした。

①の日和見公園には、私たちも行きました。雨の中を歩いたあげく、北前船にはカバーがかかっていましたが、河村瑞賢像と日本最古の木像六角灯台を見てきました。(2022年11月30日 山形県酒田市)
日和山灯台についてのお話はこちらです。
積丹から幌加内へ。新緑の美幸線をトロッコで駆けた、9泊10日の北海道 9 - 小樽市鰊御殿⑨ 日和山灯台とカモメ(2023年5月10日/1日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

②の小澤家住宅。ここもすばらしい邸宅でした。(2022年10月18日 新潟市)

②の「食文化」で思い出すのが、会津若松の渋川問屋です。会津郷土料理のフルコースをいただきました。(2023年4月5日 福島県会津若松市七日町)


【渋川問屋】
120年以上もの歴史をもった、元海産物問屋だった建築物です。現在は食事処となっており、かつての佇まいを残し、レトロで落ち着く雰囲気の中、会津で代々引き継がれてきた郷土料理をいただけます。

【会津料理とニシン】
北前船に積まれた身欠きニシンや棒タラが、北海道から新潟を経て、会津に運び込まれました。海に面していない会津では、干物が貴重なたんぱく源であり、欠かせない郷土の味になりました。


私たちがいただいたのは、「会津会席膳」。食前酒、こづゆ、棒タラ煮、ニシンの山椒漬、ニシンの天ぷら、ニシンの昆布巻、会津牛カットステーキ、焼き魚、小鉢、そば粒がゆ、季節の混ぜごはん、そして水菓子 。すばらしい器で、会津料理を堪能しました。^^

ニシンの昆布巻です。

左上:⑤石川県志賀町の福浦港。河村瑞賢が提案した北前船西回り航路の正式寄港地でした。二つの入り江を持つ、絶好の風待ち港には、現在も、日本最古の木造四角灯台(1876年建造)が残っています。
左下:⑥石川県小松市の安宅住吉神社。北前船の船乗りたちが天候を見た山にあります。周辺の農村では、ニシンの魚肥が肥料として使われました。
右上:⑦富山県高岡市の旧秋元家住宅。北海道から運ばれたニシン魚肥や昆布の揚地であり、北海道へは米と共にニシン釜などの鉄製品が運ばれました。
右下:⑧石川県輪島市の住吉神社石造鳥居。鳥居に使われている御影石は小豆島産で、大阪で加工したものを北前船で運びました。輪島塗は、北前船の寄港地であった輪島から全国に販路を拡大し、北海道でもニシンの親方達に普及しました。

⑦で思い出すのが、高岡市の金屋町通り。1609年の高岡城築城時に、7名の鋳物師を現在の金屋町に移住させたことから、以後、高岡銅器産業の中心となりました。鋳物師町として知られた歴史があるだけに、ニシン番屋の巨大なニシン釜を供給するだけの実力があったのでしょう。(2020年7月24日 富山県高岡市)
コロナでも金沢。3人で歩いた、3泊4日のおトク旅 3 - 高岡市・金屋町を歩く(2020年7月24日/1日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

左上:⑨石川県加賀市の旧酒谷長兵衛住宅。かつて日本一の富豪村と言われた橋立は、多くの北前船主を輩出しました。旧小樽倉庫は、橋立出身の北前船船主である西出孫左衛門と西谷庄八が建てた倉庫です。酒谷長兵衛も北前船主で、住宅は、加賀市北前船の里資料館」として公開されています。
左下:⑩石川県加賀市の大聖寺瀬越。日本海5大船主の一人、」大家七平は、小樽に大家倉庫(日本遺産)を建てました。同郷の広海二三郎と、小樽の住吉神社第一鳥居(日本遺産)を寄進しています。
右上:⑪石川県加賀市の山中座。北前船の船乗りたちが当時をした温泉のひとつ。船乗りたちが歌った山中節(日本遺産)は、松前追分が期限であると伝えられています。
右下:⑫福井県坂井市の三国港・九頭竜川。江戸時代、北陸第一の港として栄えました。北前船を安定させるため、船底に積んだ笏谷石は、三国港から積み出されました。

⑨の「加賀市北前船の里資料館」は、忘れられない場所です。この地で初めて、「北前船」と出会い、以来3年間、北前船の虜になっています。笑 写真は、橋立の町並みです。笏谷石を使用した石段は、今では苔むして、柔らかな質感を感じさせる集落となっています。(2020年7月26日 石川県加賀市)
コロナでも金沢。3人で歩いた、3泊4日のおトク旅 17 - 加賀橋立 北前船主集落(2020年7月26 日/3日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。
コロナでも金沢。3人で歩いた、3泊4日のおトク旅 18 - 北前船の里資料館(2020年7月26 日/3日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

加賀橋立・北前船主屋敷 蔵六園です。(2020年7月26日 石川県加賀市)
コロナでも金沢。3人で歩いた、3泊4日のおトク旅 19 - 北前船主屋敷 蔵六園(2020年7月26 日/3日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

橋立出身の北前船船主である西出孫左衛門と西谷庄八が建てた、旧小樽倉庫です。(2021年6月28日 北海道小樽市)
コロナでもウポポイ2。札幌を拠点に3人で歩いた、3泊4日の北海道 35 - 色内大通りから旧小樽倉庫(北前船の世界)へ(2021年6月28日/4日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

左上:⑬福井県南越前町の右近家住宅。「北前船主の館・右近家」として公開されています。主の右近権左衛門は、日本海5大船主の一人で、小樽に右近倉庫(日本遺産)を建てています。
左下:⑭福井県小浜市の旧料亭酔月。茶屋町にある明治時代の料亭で、かつて北前船主や商人たちが利用しました。小浜は、大阪などへ運ばれるニシンなどの海産物の揚地でした。
右上:⑮広島県尾道市の尾道水道。北前船の寄港地として繁栄した、瀬戸内海最大級の港町で、ニシンの〆粕などの揚地でした。尾道の石工による石造物が、小樽の住吉神社や水天宮にあります。
右下:⑯広島県福山市の鞆港常夜灯。福山藩内に綿花栽培が普及したことにより、港が発展しました。港からは、北前船で大量の〆粕が荷揚げされました。常夜灯は、1859年(安政6年)に建造されました。

⑬の右近権左衛門が建てた、右近倉庫です。ローソンのサインが残念なのですが…。😅(2023年5月12日)

左上:⑰広島県呉市の千砂子波止。江戸時代後期に、芸州藩が築いた防波堤です。御手洗港は、風待ち・汐待ちの港であったことから、北前船の往来で発展しました。
左下:⑱広島県竹原市の竹原の町並み。塩や酒の生産地として、北前船の回船でにぎわいました。町並みは、国の伝統的建造物群保存地区に選定されています。ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の生誕地でもあります。

中上:⑲岡山県倉敷市のむかし下津井回船問屋。干拓地に綿花や菜種を栽培するため、ニシンの〆粕が肥料として使われました。むかし下津井回船問屋は高松屋の建物で、敷地内には現在もニシン蔵があります。
中下:⑳兵庫県赤穂市の坂越の町並み。赤穂の塩を運ぶ塩回船や北前船などが行き交い、赤穂藩の交易港として栄えました。回船業や酒造などで財を成した奥藤家の酒蔵など、往時の町並みが保存されています。
右上:㉑徳島県藍住町の藍の館。藍の豪商であった旧奥村家の屋敷です。阿波藍の栽培に、北前船で運ばれたニシンの〆粕が使われ、北海道との交流が始まりました。明治10年代からは、徳島県民の北海道移住が始まりました。
右下:㉒香川県琴平町の金刀比羅本宮拝殿。海の守護人を祀っていたため、大阪を出航した北前船の船頭や船乗りたちが、参拝のために立ち寄りました。


以上、北前船の構成文化財が残る、
全22か所です。
これをすべて歩かれたIさん。
すごいです…。😄
そして、うらやましいです。^^


こうして見ると、
私たちも少しは訪れているのですが、
まだまだ、行ってないところだらけです。
これだけ並べてみると、
まるで、「北前船すごろく」のような。🤣
でも、「あがり」は、
いったいどこなのでしょうか。🤣🤣


北前船が大好きで、
仕事の休みを利用しては、
自分の足で全国を回り、
写真を撮り続けた、Iさん。
思わず、お尋ねしてしまいました。


「奥様といっしょに旅行なさらないんですか?
 奥様を連れて行ってあげたら、
 喜ばれるんじゃないですか?」
と…。


「いやぁ…。😅
 本人が『私も行ってみたい』と言うので、
 一度、いっしょに行ったんですけどね。」
「…そしたら?」
「そしたら、
 『つまらない。もう二度と来ない。』
 と言われてしまいまして…。😅」


あ…。
そうだったんですね…。😂😂


北前船とニシン漁が大好きな女が
妻だったことに、感謝しなさいね。
…と、夫に言いたくなりました。


旧茨木家中出張番屋をあとにして、次に向かったのは、小樽市中心部にある、田中酒造です。

看板にも、歴史を感じます。

閉店時間ギリギリでしたが、なんとか間に合いました。

レジ前のスペースでは、昔の居間を再現してありました。


コロナ禍でしたが、
試飲もさせていただきました。
多動夫もお酒が買えて、うれしそう。^^


これで、
2022年6月18日の日記を終わりますが、
このあと、6月19日から21日の分は、
実は過去に書いております。
ひとつの旅が小間切れ状態になっていて、
ずっと気にかかっておりましたので、
以下にまとめておきます。
(6月17日と18日の前半が書けていないのですが、
 それはまたいつかの機会に…。笑)


気になるタイトルがありましたら、
お読みいただけたらうれしいです。^^
それでは、次回からは、
2023年5月の旅にもどります。


(つづく)


【2022年6月18日-21日】
コロナでもマシュキニ。増毛から留萌へ、ニシンの千石場所を歩く
1 - あいろーど厚田と秋田藩増毛元陣屋跡①(2022年6月19日/3日め)
2 - 秋田藩増毛元陣屋跡②(2022年6月19日/3日め)
3 - 秋田藩増毛元陣屋跡③ / 唐箕でつながる旅(2022年6月19日/3日め)

5 - 國稀酒造② / ココスで航空券を予約しました!(2022年6月19日/3日め)
6 - 國稀酒造③、すが宗の鮨弁当、旧商家丸一本間家①(2022年6月19日/3日め)

7 - 旧商家丸一本間家②(呉服店舗、奥帳場)(2022年6月19日/3日め)

8 - 旧商家丸一本間家③(茶の間、仏間、奥の間)/ 本間キミさん(2022年6月19日/3日め)

9 - 旧商家丸一本間家④(客間、次の間、上勝手、台所、下勝手)(2022年6月19日/3日め)
10 - 旧商家丸一本間家⑤(呉服蔵と本間一夫さん) / 「怪物ダコと美男の千吉」(2022年6月19日/3日め)
11 - 旧商家丸一本間家⑥(多目的便所と醸造蔵)(2022年6月19日/3日め)
12 - 旧商家丸一本間家⑦(付属家)から千石蔵へ(2022年6月19日/3日め)
13 - 千石蔵①(2022年6月19日/3日め)
14 - 千石蔵②、津軽藩増毛勤番越年陣屋跡、志満川食堂、港町市場(増毛町えびまつり)(2022年6月19日/3日め)
15 - 港町市場でえびまつり(2022年6月19日/3日め)
16 - 旧花田家番屋①(ニシン回廊)(2022年6月19日/3日め)
17 - 旧花田家番屋②(漁夫だまり、寝台、囲炉裏、あいのこ船)(2022年6月19日/3日め)
18 - 旧花田家番屋③(台所、棚部屋、親方の部屋、帳場)(2022年6月19日/3日め)
19 - 旧花田家番屋④(帳場、金庫の間、仏間、奥の流し)(2022年6月19日/3日め) - /a>
20 - 旧花田家番屋⑤(はなれと便所)(2022年6月19日/3日め)
21 - 「道の駅 おびら鰊番屋」で晩ごはん(2022年6月19日/3日め)
22 - 増毛駅、富田屋旅館、風待食堂(2022年6月19日/3日め)
23 - 焼きそば弁当とニシンのねぎ味噌だれ(2022年6月19日/3日め)
コロナでもポロト湖。星野リゾート 界 ポロト スイートを無料で楽しむ
1 - 「回転寿司 根室花まる 大同生命札幌ビルmiredo店」でお昼ごはん(2022年6月20日/4日め)
2 - 白樺の林を抜けてフロントへ / お揃いの冷蔵庫(2022年6月20日/4日め)
3 - ちむどんどんのチェックイン / 星野リゾートと界(2022年6月20日/4日め)
4 - ちむどんどんの71㎡(2022年6月20日/4日め)
5 - 神窓のある部屋 / おいしかったイヨマンテ(2022年6月20日/4日め)
6 - ご当地楽「イケマと花香の魔除けづくり」(2022年6月20日/4日め)
7 - とんがり湯小屋「△湯(さんかくのゆ)」(2022年6月20日/4日め)
8 - ポロトの森を歩く。(2022年6月20日/4日め)/a>
9 - 「界 ポロト」で晩ごはん①(2022年6月20日/4日め)
10 - 「界 ポロト」で晩ごはん②(2022年6月20日/4日め)
11 - 至福の温泉ざんまい(2022年6月20日-21日/4日め-5日め)
12 - 「界 ポロト」で朝ごはん(2022年6月21日/5日め)
13 - チェックアウト(2022年6月21日/5日め)
14 - 「Café RIMSE(カフェリムセ)」でお昼ごはん(2022年6月21日/5日め)
15 - 「ななかまどイレンカ」から仙台藩白老元陣屋資料館①へ(2022年6月21日/5日め)
16 - 仙台藩白老元陣屋資料館②(2022年6月21日/5日め)
17 - 仙台藩白老元陣屋資料館③から白老仙台藩陣屋跡①へ(2022年6月21日/5日め)
18 - 白老仙台藩陣屋跡②(外曲輪とアカマツ)(2022年6月21日/5日め)
19 - 白老仙台藩陣屋跡③(仙台藩士の墓)/ 「弟子屈」で晩ごはん(2022年6月21日/5日め)
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