MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

コロナでも上州2。からっ風に吹かれて歩いた群馬 2泊3日の湯めぐり旅 26 - 積善館⑧ プレミアムラウンジ「井筒」とライトアップ①(2023年1月17日/2日め)

2023年1月17日 積善館・山荘のプレミアムラウンジ「井筒」で。(群馬県吾妻郡中之条町)


1月17日(火)


佳松亭でチェックインしてから、ここまで、
 山荘→本館→佳松亭
…と、ウロウロしてきました。
そして、再び山荘までもどってきました。


けれど部屋には戻りません。
次に行ったのは、
私たちの部屋の隣りの隣りにある、
山荘プレミアムラウンジ「井筒」です。


山荘プレミアムラウンジ「井筒」の扉です。


入口で、暗証番号を入力して入ります。
(番号は、チェックインの時にいただきました。)


ドアを開けると、まず目に入るのは、大きな丸い窓。

そして左側は、自由にくつろげるラウンジになっています。

レトロとモダンがいっしょになったような…。でも落ち着きのある、書斎のような雰囲気です。

コーヒーの他に、紅茶(アールグレイ)、ルイボスティー、そして薬膳茶とロータスのジンジャークッキーが置いてありました。


薬膳茶は、玫瑰(まいかい)陳皮紅茶でした。
陳皮はみかんの皮で、よく知られていますが、
玫瑰とは、ハマナスのことなのだそうです。


玫瑰花は、バラ科。
ハマナスの蕾は、古来より、
女性の若さを保つために重用されてきました。
カラダを温める作用があり、血の巡りを整え、
生理不順や生理前のイライラに
効果があると言われています。


ハマナスの蕾と、それをブレンドした玫瑰陳皮紅茶です。赤い花びらが入っていて、きれいですね。(画像をお借りしました)

北海道・積丹半島で。神威岬では、ハマナスの花が咲き乱れていました。(2022年6月24日 北海道積丹郡積丹町)

コロナでもウポポイ3。札幌2週間ホテル暮らし 62 - ウポポイ⑨(チキサニ広場とイカラウシ工房)/ 積丹半島のバフンウニ丼 / コンビニで5%オフになるカード3(2021年11月7日/5日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。


玫瑰陳皮紅茶、とてもおいしかったです。
効能は、
「疏肝解鬱・理気調中の作用、
 気の巡りをよくし、うつ状態に働きかける」
…だそうです。
ネットで調べてみたら、
ティーバッグ5個入りで648円でした。
我が家には高級品です。😅😅


オープンシェルフの向こう側に行ってみました。ここの組子障子もすばらしいですね。^^

まずはコーヒーを一杯。こういうことがやりたかったんですよ~。(夫には理解できない世界なのですが。)

大きなウッドテーブルもあります。

MIYO、うれしそうです。😄😄


こういうところで、なにもしないで、
ただぼんやりと庭を眺めて過ごす…。
ほんとうはそういう旅をしたいのですが、
じっとしていると夫が発狂するので、
我が家ではムリそうです。😅


このときも夫は、
コーヒーを飲み終わると、
「ちょっと温泉に入ってくる。」
と言って、
ラウンジから出て行ってしまいました。🤣🤣


さて。
プレミアムラウンジでひと息ついたら、
すっかり日が暮れてしまいました。
このあとにもうひとつ、見たいものがあります。
(↑まだあるのか?笑)


それは、積善館本館のライトアップです。
積善館の「もうひとつのお楽しみ」として、
毎晩、開催されています。


さきほど歩いた積善館本館が…、

こんなふうになるんです。まるで、巨大な、そして繊細な行灯のようです。

赤い慶雲橋をわたって、敷地の外から眺めました。

いかがでしょうか…。

「千と千尋の神隠し」の、あの光景を…、

彷彿とさせてくれませんか…?^^

幻想的な光を放つ積善館。なにか、違う世界に来てしまったかのようでした。^^


積善館のライトアップ。
夫は、「イルミネーション」というものが
嫌いなのですが、
さすがにこのときは楽しんでいました。^^


(つづく)

コロナでも上州2。からっ風に吹かれて歩いた群馬 2泊3日の湯めぐり旅 25 - 積善館⑦ 佳松亭 杜の湯(2023年1月17日/2日め)

2023年1月17日 積善館・本館で。(群馬県吾妻郡中之条町)


1月17日(火)


現存する、日本最古の湯宿建築の、
積善館本館。


階段や客室のドアにも、かつての設えが残されています。


ここから、山荘を通り抜けて、
鏡の廊下の先にある、佳松亭に行きました。
私たちが、到着時にチェックインした、
フロントのある建物です。


この、フロントのあるフロアは、
実は1階ではなく、
佳松亭の5階にあたります。
山の斜面に建てられたので、こういう、
おもしろい造りになっているんですね。^^


フロントの横にある長い通路。その先に、「ゆ」という暖簾がかかっています。

コロナでも上州2。からっ風に吹かれて歩いた群馬 2泊3日の湯めぐり旅 19 - 積善館① 国登録有形文化財の極上温泉宿(2023年1月17日/2日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。


この暖簾の先にある、
「杜の湯」まで行ってみました。
積善館で唯一の露天風呂です。


庭の中にある、こんな通路を歩いていきました。

「杜の湯」に到着です。まずは、休憩スペースでお茶をいただきました。

ここには、ウォーターサーバーと水だし健康茶(ハト麦、玄米、クマザサなど、十数種類のブレンド茶)のジャーが置かれていました。

昨年訪れた「星野リゾート 界 ポロト」でも、湯上がり処に同じようなジャーが置いてあったのを、なつかしく思い出しました。このときに置いてあったのは、カシス酢と「イタドリ茶とほうじ茶のブレンドティー」でした。

コロナでもポロト湖。星野リゾート 界 ポロト スイートを無料で楽しむ 7 - とんがり湯小屋「△湯(さんかくのゆ)」(2022年6月20日/4日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。


休憩スペースの隣りが、「杜の湯」です。


男湯には人の気配があったのですが、
女湯には誰もいませんでした。
MIYOは、通常、
お風呂の写真は撮らないのですが、
このときは夫に言われて、
人気のない女湯の写真を撮ってきました。


外の景色が眺められる大浴槽。

その後になって、夫が撮った男湯の写真です。(あまり変わりませんが。笑)

湯口からは46.3度の温泉が絶えず流れ出しています。浴槽での温度は41.3度だそうです。

外には露天風呂があります。

手前側。

そして奥側。


「杜の湯」を見たし、
ここで終わるかと思いきや、多動夫、今度は、
「庭を歩いてみる。」
ですと…。


「疲れを知らない子どものように~」っていう歌がありましたね…。

庭の小径をどんどん歩いて、あっという間に、どこかへ行ってしまいました。🤣🤣

しょうがないので、夫が戻ってくるまで、ここに立ちつくして庭を眺めていました。😅😅


こんな感じでどたばたしながらも、
ようやく佳松亭の探索が終わりました。
夫も気がすんだようなので、
次はMIYOの行きたいところへ。
(…ってことは、夫だけじゃなくて、
 お互いに行きたいところがあったのか?
 って、あきれられそうですが。😅)


MIYOが行きたかったところ。
それは、積善館「山荘」3階にある、
「山荘プレミアムラウンジ」です。
2021年末にオープンしたばかりの、
まだ新しいラウンジで、
佳松亭と山荘に宿泊した人は、
誰でも利用できます。


山荘プレミアムラウンジの扉です。


MIYOの希望は、
ここで、ゆっくりとお茶したかったっていう、
ただそれだけのことだったのですが。笑


このラウンジは、
私たちの部屋の2軒隣りにありました。
(つまり、「隣りの隣り」です。)
そんな近くにあったのに、
多動夫につきあって館内をうろうろして、
ラウンジにすら入れなかったのです。😂😂


ということで、次回はようやく、
「山荘プレミアムラウンジ」に入ります。♪


(つづく)

コロナでも上州2。からっ風に吹かれて歩いた群馬 2泊3日の湯めぐり旅 24 - 積善館⑥ 山に並ぶ宿と、鏡の廊下(2023年1月17日/2日め)

2023年1月17日 積善館・本館で。(群馬県吾妻郡中之条町)


1月17日(火)


積善館の本館を出て、赤い慶雲橋を渡り、
敷地の外にでました。



探索はここで終わるのかと思いきや、
多動夫が、周囲を歩いてみたいと言うので、
仕方なく、MIYOもつきあって歩きました。


古いお店がありました。名前は「よろづ屋商店」。かつて、四万温泉がもっとにぎわっていた頃に営業していたと思われます。今は空き家のようです。

商品は、食料品、はちみつ、温泉下駄、そば粉など、看板の文字に年季が入っています。「温泉でバターを買ってどうするんだろうね?」と話し合いました。笑

積善館の隣りの敷地に建っている温泉旅館「四万たむら」。創業1563年の老舗旅館です。茅葺屋根がすてきです。^^


【四万たむら】
たむらの祖・田村甚五郎清政が四万温泉に来たのは、1563年(室町時代永禄6年)でした。甚五郎清政は、吾妻の岩櫃城六代目城主斉藤越前守基国に使えていました。が、1563年、武田勢に攻められ、北上する城主の行先を守るため、四万にとどまり、追っ手を防ぎました。
甚五郎は、そのままこの地に土着したのですが、四万川の中なら湧出する温泉を発見したことにより、湯宿を始めました。これが、四万温泉の始まりと言われています。


ここまで歩いて行き止まりになったので、
引き返しました。
ここで積善館の方を見ると…、


積善館の3つの建物が一望できました。山の斜面に整然と並んでいます。


一番手前にあるのが本館
中腹で、樹々に隠れているのが山荘
そして一番高いところにあるのが、
佳松亭です。


積善館の館内にあった写真です。3つの建物がきれいに並んでいます。秋にはこう見えるんですね。^^

こちらは現在(冬)の積善館。趣の異なる3つの建物は、トンネルや廊下でつながっています。


山の斜面に並ぶ積善館を眺めながら、
のんびりと歩きました。
多動夫はそのまま、
川下の方まで歩いて行ったのですが、
つきあいきれないので、笑
ひとりで行ってもらいました。


夫が撮ってきた写真です。「河原の湯休憩所」があったみたいです。笑

お土産物屋さんが並ぶバスターミナルまで歩いて行って、ようやく気がすんだようです。🤣🤣

MIYOは、積善館の写真を撮りながら、夫が戻ってくるのを待ちました。夕暮れ時になり、元禄の湯がある建物「前新(まえしん)」に、ふんわりと灯がともっています。

いい感じです。^^ 宿の前を流れる新湯川に架かっているこの橋は「慶雲橋」と言いますが、「千と千尋の神隠し」のモデルになったのでは、と言われています。

映画に出てきた、「油屋」へと繋がる赤い橋です。そう言われれば、なんとなく、似ていますね。^^

中央に写っているのは、積善館の前新です。右手にある向新と、廊下橋でつながっています。


【積善館の前新】
1930年(昭和5年)に建造されました。1階が鉄筋コンクリート造の浴室「元禄の湯」で、2階3階は木造の客室になっています。浴室部分に連続するアーチ窓がハイカラな印象を与え、宿泊客に親しまれています。


「元禄の湯」の上に
宿泊する人もいるんですね。😮
本館では、内部も、
当時の佇まいをかなり残しています。
なので、「バストイレなし」となるのも
しかたがないですね…。^^


さて、本館の探索も終わったので、
これでお部屋に戻ってひとやすみ。
…のつもりだったのですが、
多動夫、今度は、
「佳松亭に行きたい。」
と言いだしました。😂😂


さっき佳松亭でチェックインしたでしょ。
もう見たでしょ。

…と言いたいところですが、
そうはいかないんですよね。😭😭


ということで、お部屋に戻ることなく、
山荘を素通りして、
今度は佳松亭に行きました。😭


山荘から佳松亭に行く通路上に、「鏡の廊下」があります。幅10㎝くらいの細長い鏡が、壁にいくつも埋め込まれています。(右端に写っているのは、その一枚です。)

光が鏡に反射し、柔らかな光に包まれたような空間を演出するのだそうです。そして、その壁には、独特のテイストの絵が、いくつも飾られていました。

自閉症の画家、太田宏介さんの作品だそうです。(画像をお借りしました)

夫はこういうテイストが大好き。しきりに感心して、写真を撮っていました。


たしかに、あったかくて、
いい雰囲気の絵だな、と思います。
そして、夫が好きそうな絵だな、とも。笑
この絵がいい、というのは、
私もわかるのですが、
時々、夫のシュミには驚かされます。


北海道のウポポイに行ったときに、
特別展で、世界各地の不思議な人形に、
夫が大喜びしていたのを思い出しました。


ナイジェリア・ヨルパ族のビーズ人形。こういうのが大好きな夫は、もううれしがって、前から後ろから、周囲をぐるぐる回って、写真を撮りまくっていました。🤣🤣

これは、パプアニューギニアのタカラガイのお面。「夫はこういうのが大好き」とわかった時点で、結婚はやめておくべきだった、と思うこのごろ。😔😔

コロナでもウポポイ3。札幌2週間ホテル暮らし 57 - ウポポイ⑤(国立アイヌ民族博物館 - 特別展「ビーズ」③ / 世界はビーズであふれていた。)(2021年11月7日/5日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。


この人の頭の中にはビーズ人形が住んでいるのか?…と思うこともあります。🤣🤣


ああ、また脱線してしまいました。😅
次回は、佳松亭の中を歩きます。


(つづく)

コロナでも上州2。からっ風に吹かれて歩いた群馬 2泊3日の湯めぐり旅 23 - 積善館⑤ 本館・元禄の湯、玄関と外観(2023年1月17日/2日め)

2023年1月17日 積善館・本館で。(群馬県吾妻郡中之条町)


1月17日(火)


本館の庭を歩き、湯車を見て、
歴史資料館のあるところまで戻りました。


歴史資料館のとなりには、
さらにもうひとつの見どころがあります。
それは、「元禄の湯」です。


【元禄の湯】
積善館には、貸切風呂も含めて5つの温泉浴場があります。
 ・元禄の湯
 ・杜の湯
 ・岩風呂
 ・山荘の湯(貸し切り風呂)
 ・積(貸切風呂)
(居室に付いている温泉風呂などは含んでいません。)
中でも、昭和5年に建てられた「元禄の湯」は、国の登録有形文化財になっており、レトロモダンな造形が魅力的なことで知られています。男湯と女湯のそれぞれに5つの浴槽があり、すべて源泉掛け流しです。

本館の正面玄関脇にあり、宿泊していない人でも日帰り入浴ができます。


「元禄の湯」です。この写真は夜になってから撮ったので、昼間よりもさらにいい雰囲気を醸し出しています。^^

「元禄の湯」の手前にある、飲泉所です。温かいまま飲むと下痢に、冷やして飲むと便秘に効果があるとされています。紙コップも用意されていて、自由に飲むことができます。

通路の左側にあるのは、先ほど見学した歴史資料館。

そして通路の右側が元禄の湯。左が女湯で、右が男湯です。アーチ型の窓がすてきですね。^^

夫が、男湯の方をのぞいてみました。運よく誰もいなかったので、写真が撮れました。

暖簾をくぐって扉を開けると、いきなりこんな感じ。手前には、小さな脱衣スペースがあるだけです。洗い場がないので、石鹸やシャンプーを使って体を洗うことはできません。ちなみに、右奥に見えるトンネルのようなものは、サウナだそうです。^^

元禄の湯は、宿泊していない人も利用できます。日帰り入浴料は1500円。タオルなどの入浴セットは、「番頭部屋」の横にある販売機で購入することができます。


元禄の湯を通り過ぎて、
本館の外に出ました。
次はいよいよ、建物の外観を眺めます。


まずは玄関。このガラス戸の奥に、番頭部屋(フロント)があります。この玄関は、昭和に入ってから造られたものだそうです。

そのまま、ずずーーっと後ろに下がると、こうなります。これが積善館の本館です(群馬県重要文化財)。日本最古の湯宿建築。はじめは2階建てでしたが、その後3階建てに増築されました。

玄関の左手には、さらに別棟が増築されています。

玄関のある部分の後ろで、樹木越しに見えている建物があります。これが、私たちが宿泊した山荘です(国登録有形文化財)。

本館のある側から積善館エリアに入るには、この赤い橋(慶雲橋)を渡らなければなりません。橋の向こうに見えているのは、さきほど見学した元禄の湯がある建物「前新(まえしん)」です。

1階の浴場部分には、アーチ型の窓が並んでいますね。^^

そこからさらに、廊下橋が延びています。これは、川(新湯川)を越えて別棟「向新(むこうしん)」に行くための通路です。

新湯川の反対側にある別棟、「向新(むこうしん)」です。向新は、1970年(昭和45年)ごろまで、客室として使用されていたそうです。その後は、従業員の寮として使用されたようです。

吊るされている、鉄製提灯のかわいらしいこと。^^

この歴史ある建物は、現在、茶屋として利用されています。「薬膳や 向新(むこうしん)」です。

「薬膳と温泉が癒す力でカラダの内から外からも満たされ温まる」ことをコンセプトにした茶屋だそうです。積善館の建物をガラス越しに眺めながら、お茶や薬膳粥を楽しむことができます。(残念ながら、この日は休業日でした。)

300年という年月を重ねながら、どんどん大きくなっていった、積善館本館。

そのすべてを一枚の写真に収めようとしたのですが、これがせいいっぱいでした。^^


300年の歴史を紡ぐ、積善館。
そのお話は、まだまだ終わりません。


(つづく)

コロナでも上州2。からっ風に吹かれて歩いた群馬 2泊3日の湯めぐり旅 22 - 積善館④ 本館・歴史資料館②と湯車(2023年1月17日/2日め)

2023年1月17日 積善館の湯車です。令和になってから、100年前と同じ場所に再建されました。(群馬県吾妻郡中之条町)


1月17日(火)


積善館・本館で、
歴史資料館を見学しています。


まずは、中の間から上段の間へと、
まっすぐに歩いてみました。
そして再び入り口まで引き返し、
今度は左手に進みます。


宿泊者が残して行った絵馬が吊るされていました。

積善館の由来:1691年(元禄4年)、現在の場所に、関善兵衛が現帳場と宿(現在の積善館本館の建物)を造りました。その3年後に旅籠宿として開業したのが、始まりです。明治時代に入り、第15代関善兵衛が「積善館」という名にしました。中国の経典「易経」の中の言葉にちなんでいるそうです。

絵馬の奥にある部屋です。ここはかつての帳場でした。

作り付けの物入れの中には、大きな金庫が組み込まれていました。

帳場の手前には、積善館のゆかりの品々が展示されていました。

べっ甲の櫛と簪。「小間物化粧品 星田商店 電話一番」というラベルが楽しい。笑

沈金梨子地前菜入れ(左)と、関家の家紋が入った重箱(右)。

「蒔絵 摘草弁当」とありますが、これは携帯用のお弁当箱で、いくつものパーツが組み込まれています。つまり「提重(さげじゅう)」ですね。


初めて提重を見たのは、2年前。長野・田中本家博物館で、床の間に飾ってありました。江戸時代の貴重なものであるにも関わらず、ご当主が、中に収められていたものをひとつひとつ取り出され、実際に手に取って拝見させてくださったことに、とても驚きました。(2021年3月27日 長野県須坂市)
コロナでも雛旅。古(いにしえ)の雛を訪ねる、4泊5日の長野・岐阜・愛知 10 - 江戸時代の「提重(さげじゅう)」(2021年3月27日/2日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

北海道・仙台藩白老元陣屋資料館に展示してあった提重。仙台から、はるばる北海道まで運ばれました。(2022年6月21日 北海道白老郡白老町)
コロナでもポロト湖。星野リゾート 界 ポロト スイートを無料で楽しむ 16 - 仙台藩白老元陣屋資料館②(2022年6月21日/5日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

徳川美術館に展示してあった、福君の雛道具 菊折枝蒔絵雛道具(提重)」は、豪華絢爛。まばゆいばかりでした。(2021年3月30日 愛知県名古屋市)
コロナでも雛旅。古(いにしえ)の雛を訪ねる、4泊5日の長野・岐阜・愛知 52 - 尾張徳川家三世代の雛段飾りと提重(2021年3月30日/5日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。


その後も、
旅先で何度か、提重を見ているのですが、
ブログには掲載できておりません。汗


以前は、博物館などで提重を見ても、
ただ通り過ぎていただろうと思います。
「提重」という言葉すら知りませんでした。


けれど2年前、
田中本家博物館で美しい提重を見て以来、
「提重」というものに
愛着を感じるようになりました。
今では、
どこかで展示されているのを見ると、
必ず立ち止まって、
じっくりと眺めてしまいます。


「提重」を知ったことにより、
私の物の見方が少しだけ変わりました。
そして、おもしろいと思える世界が、
より広がったように感じます。
それは、旅が私におしえてくれたことでした。


提重を見るたびに、いつも、
「知る」ということは、すごいことだな、
と思います。^^


中の間に展示されていた品々です。書類や書状も残されていました。

歴史資料館の外にある庭を歩いてみました。手前は足湯のようですが、かつてはこのあたりに源泉の溜池があったようです。その奥に、水車が見えます。

近づいてみました。湯気があがっています。これは水車ではなく、「湯車」というものでした。


【湯車】
庭で蒸気を放ちながら動く水車を、積善館では古くから「湯車」と呼びました。かつては、脇を流れる新湯川から湧き出る源泉を、溜池に引き込み、湯車で攪拌していました。これによって湯の温度を調整し、さらに高い場所に送って「打たせ湯」にしたりしました。高温の源泉をいかにして利用するか、その時代ごとに様々な工夫があり、湯車はそのひとつでした。
明治14年ごろの版画には、川の流れを利用する「水車」と、その水車の力によって動かされる「湯車」が描かれています。この版画に倣い、積善館では、令和の庭改修時に、版画とほぼ同じ場所に湯車を再現しました。


積善館を描いた版画です(明治14年頃)。源泉の溜池や、水車によって動く湯車が描かれています。

明治30年代の積善館本館(版画)。現在とほぼ変わらない佇まいで、やはり湯車が描かれています。昭和に入ってから、背景の山の斜面に、山荘と佳松亭が建てられました。


100年前の積善館でも、
こんな湯車が回っていたんですね…。
湯気をあげながら健気に働き続ける、
そんな湯車のようすが、
目の前の湯車と重なりました。


(つづく)