4年ぶりのベトナム。北部から中部へと歩いた18日間 85 - トゥイタイン村② 農業博物館(農業用具と漁業用具)(2023年6月20日/7日め)
(2023/10/19 19:00記)
2023年6月20日 トゥイタイン村の農業博物館で。
6月20日(月)
フエの東にある、
トゥイタイン村に来ています。
タイントアン橋。屋根飾りもすてきです。^^
次は、橋の隣りにある、
農業博物館に行きました。
こぢんまりとしたベトナム風の建物。いい感じです。^^
【農業博物館(Nhà nông cụ)】
タイントアン橋の隣りにあります。2015年に、国際労働機関(ILO)とユネスコの支援を受けて造られました。館内では、伝統的な農業用具や漁業用具を展示しており、農村の生活を紹介しています。脱穀に使っていた石臼などを、実際に触ることもできます。また、伝統食であるバインテト(ちまき)作り体験や、ノン(かご)作り体験などのプログラム(有料)を通して、村の人々と触れ合うことができます。入場料は20000ドン(約100円)。
館内には、たくさんの農業用具がきちんと並べられていました。
足で踏んで水を送る設備。
こんなふうに使っていたんですね。
あっ これは…。
「唐箕(とうみ)」です。ベトナムにも、唐箕がありました。😲
【唐箕(とうみ)】
米を刈り取ったあとに使われた農具です。脱穀した籾には、稲の葉や藁くずが混ざっているため、これを取り除く必要があります。その際、風の力を利用する方法が風選(ふうせん)がよく使われました。これは、風が吹くときに、籾と藁くずが混ざったものを高いところから少しずつ落とす方法です。重い籾は下に落ちるのですが、軽い藁くずやゴミは風で飛ばされることによって、取り除かれました。風が無いときは、筵(むしろ)や団扇(うちわ)、農業用扇風機などで風を起こしました。
明治時代になると、人工的に風を起こし、籾や藁くずなど、それぞれの重さに選別する唐箕(とうみ)が中国から伝えられました。風選の原理を応用した便利な装置で、大正時代には、一般の農家に広く普及しました。
日本の各地で、民俗資料館に行くと、たいてい、唐箕が展示されています。これは、秋田藩増毛元陣屋跡の資料館に展示されていた唐箕です。もう笑っちゃうくらい、ベトナムのとそっくりです。😄
秋田県と新潟県で唐箕を見た時の日記です。
コロナでもマシュキニ。増毛から留萌へ、ニシンの千石場所を歩く 3 - 秋田藩増毛元陣屋跡③ / 唐箕でつながる旅(2022年6月19日/3日め)
唐箕は日本独自の農機具、
…と思いこんでいたのですが、
中国から伝わってきたものだったのですね。
そう言われてみると、なるほどたしかに、
「唐」の字で始まっています。^^
トゥイタイン村の農業博物館にあった、唐箕(Xe quạt lúa)の説明パネルです。
唐箕についての説明の下に、
こんな記述がありました。
この唐箕は、2003年、フエ市のグエン・ヴァン・トゥ氏より寄贈されました。母親のグエン・ワン・ティ・ハウ夫人(トゥイタイン村・72歳)は、「昔は、少数の裕福な人だけが唐箕を所有していました。貧しい農民は、お米かお金を支払って、彼らから唐箕を借りなければなりませんでした。」と回想します。
(こんな説明がわかるのも、グーグル先生のおかげです。)
なるほど。…と思いながら、脱穀機や石臼を見ていたら、そのグエン・ワン・ティ・ハウ夫人が目の前に現れたので、驚きました。🤣
現在、グエンさんは、この博物館のスタッフをされているようです。手動の脱穀機を、「ぜひ体験してみて。」と勧めてくださいました。
ハンドルを操って、脱穀機をぐるんぐるんと回します。グエンさんに教わりながら…、
「できたよ~。」とうれしそうな多動夫。😄
「こっちのもやってみて。」とグエンさん。
脱穀に使っていた石臼です。
次は、ごろごろごろ~と、石臼で粉挽き体験。
ふたりともいい笑顔です。
「これは漁に使っていた魚籠。持ってみてね。」 グエンさんに言われるままに、次々と体験。笑
…ということで、次は漁業用具の展示コーナーへ。
この小さな船は、竹を編んで作ってあります。
すごくしっかりしたつくりです。
いろんな形の魚籠がありました。
次回は、村での生活についての
展示コーナーに行きます。
(つづく)






















