MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 116 - 「仕事」と「善意」と「お礼」と「貸し」と「借り」(2019年10月15日/45日め)

2019年10月15日 住んでいた家の近所にあった、クリーニング屋さん。「ここ、本当にクリーニング屋なのか?」と、前を通るたびに、いつも気になっていました。歩道は全部、物干し場と化しています。ジーンズとかいろいろ干してありますが、これ、家族の洗濯物じゃないんですよ。家の奥には、お客からの預かり品がたくさん。「1キロあたり10000ドン(約50円)」と書いた貼り紙も見えます。地面に転がしてあるタライで洗っているもよう(笑)。よく見ると、右手には受付テーブルがあり、左手には水道も。家の前の歩道すべてが、「受付カウンター+洗濯場+物干し場」として、有効活用されていました。何度も言いますが、歩道は「公道」です。


10月15日


兄夫婦が帰国し、
「つかのまの」静けさがやってきました。笑


朝ごはんです。バインクォンと炒めタマネギ、ベトナムハム、きゅうり、ハス茶。


できたてのバインクォンはとてもおいしくて、
ゴキゲンでほおばっていると、
タムさんから、
「今日の午後、いっしょにエステに行きましょう。」
と言われました。


タムさんには、毎月通っているエステがあり、
先月、そこにいっしょに連れて行っていただきました。
あれから一か月が過ぎたのですね。^^


前回、エステに行った時のお話です。


あのときは、エステで使った朝鮮人参が合わなかったようで、
夜になってじんましんが出てしまったのでした。
(そのことは、タムさんには言っていません。)
またじんましんが出るかもしれないし、
なんだか気が進みません。


前回、エステのあとで、
「私の費用は払います」と言ったのですが、
タムさんは受け取ってくれませんでした。
今回も、きっと受け取ってくれないでしょう。
そのことが、心苦しい思いもありました。


「私、この間、旧市街でエステに行ってきたから、
 今月はもういいです。
 私のことは気にしないで、
 タムさん、ひとりで行ってきてください。」
とお断りしました。


お昼ごはんです。

ジャガイモと豚肉の甘辛煮、青菜のガーリック炒め、小魚のベトナム風佃煮、赤米、スープ(ジャガイモ、骨付き豚肉、かぼちゃ、人参、ねぎ)


実は、この日のお昼ごはんは、
同僚のハイさんが作りました。


いつもなら、11時を過ぎたころから、
タムさんがキッチンに立ちます。
そして12時ごろには、MIYO、ハイさんの3人で、
タムさんが作った昼食をいただきます。


なのに、なぜこの日は、
ハイさんがごはんを作ったのか…?
わけのわからない展開に、当惑しました。


これまでも、タムさんのいとこが遊びに来たときや、
MIYOの兄夫婦がお招ばれしたときに、
ハイさんがごはんを作ることはありました。
でもそれは、それなりの事情があったわけです。


けれど、このときは、
特になにかがあったわけではありません。
いつもと変わらない日常の中で、
突如として、ハイさんが「炊事係」になりました。


タ「今日のごはんは、ハイさんが作りました。^^」
ミ「すごいね。…ハイさん、お料理上手ね。」


それ以上、ことばが見つからず、
黙って食べ続ける、MIYO。
気まずい…(汗)。


この頃から、タムさんの代わりに、
ハイさんが食事を作る日が、
少しずつ、増えて行きました。


SEのハイさんが、どうして私たちの食事を作るのか。
そのことを、タムさんに尋ねる機会は、
結局、ありませんでした。


ベトナムでは、当たり前のことなのかもしれません。
どこまでが仕事で、
どこからがそうでないのか。
それがとてもあいまいなのです。


「仕事」と「善意」と「お礼」と「貸し」と「借り」。
そんなものがごちゃまぜになって、
わけがわからないまま、働くということ。
ベトナムでは、誰もが普通にやっていることだったと思います。


でも、そういう状況で働き続けることに、
私はしだいに、息苦しさを感じるようになりました。
タムさんもローさんも、悪気はなく、
精一杯気を使ってくれていることは、
よくわかっていたのですが。


そして、午後。
タムさんは、エステに行く支度を始めました。
私は行かないと言ってあったので、
いつものように仕事をしていたのですが…。



「MIYOさん。やっぱり行こうよ。
 ね? ね? ね?
 行こう!」


何度も断ったのですが、
何度も何度も誘われ、
結局、押し切られてしまいました。(苦笑)


なぜか、会社でお昼ごはんを作る、ハイさん。
かたや、お仕事そっちのけで、
エステに連れて行ってもらう、MIYO。
心中は複雑です。


午後3時。タムさんのバイクの後ろに乗って、出発です。マスクに帽子、長そでにフードというのが、ベトナムでバイクに乗るときの普通のスタイル。どんなに暑い日でも必ずこうなります。

エステに到着。

用意ができるまで、お茶をいただきながら待ちます。

平日だったせいか、私たち以外に、お客さんはひとりだけでした。

バックをしているタムさん。笑

エステを終えて、5時前に帰宅。5時きっかりに、家の前にスクールバスが停まり、アインちゃんとノックちゃんが帰ってきます。毎日、日本語で、「ただいまー」と言いながら、家に入ってきます。かわいい。^^


アインちゃんは、ふだん、
ベルトつきのサンダルで登校しているのですが、
この日は学校で、
「明日は、学校でバレーボールをやるから、
 運動靴で来なさい。」
と言われたそうです。
急遽、タムさんといっしょに市場に行き、
ピンクの靴を買ってきました。


ノックちゃんにも、
ピンクのサンダルを買って帰った、タムさん。
ドラえもんのステッカーがついています。
ノックちゃんは、ドラえもんが大好きなんです。^^


さっそく、家の中で履いてみる、ふたり。^^

晩ごはんです。魚のフライ、豆腐のステーキ、卵焼き、豚肉の甘辛炒め、ブロッコリーのスープ、ごはん。


気になるじんましんですが、
この日は結局、何事も起こりませんでした。
そして今回も、エステの代金は、
受け取ってもらえませんでした。


(つづく)

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