積丹から幌加内へ。新緑の美幸線をトロッコで駆けた、11日間の北海道 31 - 旭川「おかだ紅雪庭」でお昼ごはん②(2023年5月18日/9日め)
2023年5月18日 「おかだ紅雪庭」で。(北海道夕張市)
5月18日(日)- 9日め
1933年(昭和8年)に建設された旭川の豪邸、
「おかだ紅雪庭」(旧岡田邸)
に来ています。
洋風の玄関ホールはフローリングですが、
お食事をいただく部屋につながる廊下は、
畳敷きになっています。
その廊下を進むと、左側に、こんな部屋が見えました。カウンター状の大きな円型テーブルが置かれています。この部屋は、旧岡田邸の応接室だったそうです。窓の外には、先ほど歩いてきた庭園が見えます。
クリスタルのシャンデリアもすばらしいですね。^^ 天井に描かれる陰影が、柔らかな空間を作りだしています。
私たちが通されたのは、廊下を隔てて反対側(右側)にある部屋でした。ここは、旧岡田邸の仏間だった部屋です。(予約時に、カウンターとテーブルのどちらにするかを訊かれます。)
4人用のテーブルが2卓置かれていて、窓際のテーブルに案内されました。
縁側の向こうに、庭園が見えます。
庭園の奥に見える黒塀の向こうが、お店の駐車場になっています。
塀の反対側から撮った「おかだ紅雪庭」です。右手前に見える縁側部分の内側が、私たちがお食事をいただいたところになります。
その縁側部分の先には、アーチ形のスペースがあります。曲線を描いた壁面には窓が続き、サンルームのようになっていますが、ここはかつて、岡田邸の居間だったそうです。
この部分を内側から見ると、こうなります。縁側の奥に、アーチ柄の居間があるのですが、のれんで仕切られており、現在は配膳の場となっているようです。縁側の廊下は、90年前からずっと使われていることがひと目でわかります。いたるところに、時代を感じます。
次は、部屋の中をご覧ください。通常は欄間がある位置に、飾り障子が置かれています。
障子には、木の枝で、10本の竹を描いてあります。
仏間は二間つづきになっていて、隣りの部屋にも、4人掛けのテーブルが2卓。
お気づきでしょうか。
実は、椅子に張ってある革の色を、
各テーブルごとに変えてあるのです。
テーブルも椅子も特注品で、
京都の職人さんに作ってもらったものだとか。
隣りの部屋には床の間があり、その隣りに、白い扉があります。この中に、かつては大きな仏壇が入っていたそうです。
白い扉の中央についていた金具です。
和室の上部には、欄間がめぐらされていて、
これも、見どころのひとつになっています。
この欄間は、「カブ」を描いています。この隣りには、「大根」の欄間もありました。「カブと大根さえ食べていれば、健康に生きていける」という旨を描いており、岡田家の質素倹約の象徴となっているそうです。
奥の和室の欄間細工は鳳凰です。これは、子孫繁栄を願っています。
ここまで、部屋の中をウロウロして、
写真を撮りまくってしまいました。😄
こんな格式のあるお邸で、
勝手に写真を撮っていいものかと、
はじめは少しためらっていたのですが…。
実は、テーブルの上に、こんなカードが置いてありました。
「写真OKです。
是非、たくさんシェアしてね。」
…だそうです。😄
このカードがあったおかげで、
気軽に部屋の中を見て歩き、
好きなだけ、写真を撮ることもできました。
文化財を見ていると、時々、
「写真撮影禁止」
としている施設もあります。
施設を保存するうえで、
やむを得ない場合もあると思います。
ですがここでは、
「こうして撮った写真を、
ネットでたくさんの方に見ていただき、
存在を知っていただくことが、
『おかだ紅雪庭』を、
これからも存続させていく道である」
…と考える、皆さんの気概を感じました。
「文化財を見学しに来た」というよりも、どなたかの古いお屋敷にお招きいただいたかのような雰囲気で、気持ちがなごみます。落ち着いた、居心地のいい部屋でした。
次回は、「おかだ紅雪庭」で、
私たちがいただいたお食事をご紹介します。
(つづく)