MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
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無料で行けた札幌。美味しいものを食べ歩いた3日間 11 - 和光荘④(2023年11月30日/3日め)

2023年11月30日 和光荘で。(北海道小樽市)


11月30日(水)- 3日め


大正時代に建てられた、
小樽の豪邸・和光荘に来ています。
長くなってきたので、
ここまでを、ざっとふりかえってみます。


橋を渡って敷地内に入ると、まず見えてくる、主屋。

主屋の左側を直進すると、つきあたりに見える、別棟。

渡廊下の下をくぐって反対側に来ました。

その別棟から、主屋の裏側が見えます。今回はここからになります。

主屋裏側の1階と2階の部分です。和風の出入り口のようなものがありますが、固く閉ざされていて、もちろん中には入れません。

そして、3階と4階の部分。

主屋の隣りには、さらに洋館が建てられていました。とんがり帽子の屋根があり、その左側に張り出している部分があります。

近づいてみると、張り出し部分はどうやら八角形になっているようです。開口部を広くとっているので、ここはサンルームだったのかもしれません。

窓の保護板をとりはずしたら、さぞかし美しいことと思います。中はどうなっているのかな、と思いましたが、保護板がじゃまになって、見ることができませんでした。

ところが、あとで写真をチェックすると、多動夫が窓から中を覗き込んで、写真を撮っていたようです。🤣 たしかにこれはサンルームですね。床のモザイクタイルがすばらしい。そして中心に造られた池には天使の像があり、往時は上部から噴水が流れていたと思われます。これがアールデコなんですね、なるほど…。


建物の外側から見ただけですが、
和光荘は、3棟(主屋と、和洋ふたつの別棟)
で構成されているのがわかりました。
すっきりとした、清楚なデザインの中に、
往時の華やかさがしのばれる、
たいへん瀟洒な豪邸でした。


再び主屋に戻りました。バルコニーに立って、最後に記念撮影。

美しかった和光荘。ほんとうに、来てよかった。


…と思いながら、橋の方に向かって
歩き始めたときのことです。
その橋をわたって、こちらの方に
やって来る人影が見えました。
私たちのような、見物人でしょうか。
それとも、この家の関係者…?
(まさか、オーナーご自身ではないよね…。😅)


まずい。勝手に入ったから、怒られるかも…。
と、緊張しました。


「こんにちは。」
と、とっさに挨拶する、多動夫。😄
MIYOも、平静を装って、
笑顔で話しかけました。
「このお家の方ですか~?😅」


相手の方が頷かれたので、さらに続けました。
「外側からだけですけど、
 建物を見学させていただきました。
 すばらしいお邸ですねえ!!!
 感動しました。^^」
MIYOの雰囲気につられたのか、その方も、
「ああ、ありがとうございます。」
と、笑顔を見せてくれました。^^


ああ、よかった。
これで、少なくともごあいさつができた。
怒られずにすみそうだわ…。😅


と少し安心したのもつかのま、
そこからはもう、多動夫が言う言う…。
「中を見学できなくて、残念でした。」
(暗に、「中を見せてもらえませんでしょうか」と
 言ってるんだろうなあ、と思いましたが…。笑)
「いや、中は今、補修工事をやってるんで。」


流暢な日本語でしたが、
かすかに外国人なまりがありました。
おそらく、蒙泰グループの方なのでしょう。


夫「工事が終わったら、
  また見学できるようになりますか?」
 「いや、それはちょっと…。」


…でしょうね。
おそらく、蒙泰グループの迎賓館とかで、
使われるんじゃないかな、と想像しました。
なんでもいいです。
きちんと修理して、
大切に維持していただけるのであれば…。
(…って、私が言える立場ではありませんが。)


そこで話は終わるのかと思いきや、
夫、すごいことを言い出しました。


「あの、和光荘といっしょに、
 写真を撮っていただけないでしょうか。」


もうね、冷や汗かきましたよ…。
勝手に入って歩きまわっただけでも、
責められてもしょうがないことだったのに、
その上、やってきた関係者の方に、
「写真撮ってください」とは、
こいつ、なんて厚かましいんだ…。😅😅


「ああ、いいですよ。」
と、快く撮ってくださったことに、
心から感謝しました。


夫がとんでもないことを言い出してびっくりしたけど、今では貴重な写真になりました。

2枚も撮ってくださいました。^^(どうもありがとうございました。)

その方に何度もお礼を申し上げて、再び橋を渡り、車を停めたところに戻りました。

あはは。足が雪だらけ。


ほんとうは立ち入り禁止だったはずの、
和光荘。
まさか、中で建物を見ることができるとは、
思っていませんでした。


本来ここには、「立ち入り禁止」の札があり、
ロープを渡して道を遮断していました。
そのため、訪れた人は、ここから先に
進むことができなかったのです。
それゆえに、ここ数年、
「誰も訪れた記録がない場所」
となっていたようです。


けれどこのときは、
補修工事を行うために、たまたま、
「立ち入り禁止」の札やロープを、
とりはずしてあったようです。
私たちが、ここから先に進むことができたのは、
奇跡のような幸運でした。


さて、帰ります。私たちの車の跡しか残っていない雪道で、夫は車をUターンさせました。


戦前の北海道に建てられた豪邸の中で、
間違いなく、代表格のひとつと言えるのが、
この和光荘です。


このあと、補修工事が終わり、
蒙泰グループの施設として稼働を始めたら、
もう本当に、「関係者以外立ち入り禁止」
となってしまうことでしょう。


部外者であるにも関わらず、
(非公式ではありますが😅)
敷地内で和光荘を見ることができたのは、
私たちが最後になるのかもしれません。
いや、そうならないでほしいな、
と思いますが。


美しく再生された和光荘を、
多くの人が見学できるようになる日が、
いつの日か、再びやってきますように。
そう願いながら、帰路につきました。


(つづく)

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