4年ぶりのベトナム。北部から中部へと歩いた18日間 70 - 王宮⑪ 左恭、皇太后の人力車、タ・チュオン・ドゥ(2023年6月19日/6日め)
(2023/10/04 19:00記)
2023年6月19日 フエ王宮・「水のパビリオン」と言われる、タ・チュオン・ドゥで。
6月19日(月)
延寿宮のあるエリアに来ています。
大きな門を入り、
塀風門(ヒンプン)の反対側に行くと、
前庭があります。
前回は、前庭西側の静明楼に行きましたが、
今回は、東側にある左恭を歩きます。
これは、延寿宮の横に続く軒です。
延寿宮の軒から左恭へは、渡り廊下でつながっています。
左恭です。
【左恭(Nhà Ta Trả)】
皇太后に謁見を許された人々が待機する場として設けられました。元は木造でしたが、1927年ごろにコンクリートで改築されています。1968年にベトナム戦争によって破壊されましたが、その後再建されました。
左恭の内部です。
皇太后が使用していた人力車が
展示されていました。
この人力車は、かつて、10代皇帝であるタインタイ帝(成泰帝)が、母親である慈明恵皇后(1889-1907)に贈ったものだったそうです。フランスのオークションに出品されていた物を、2014年に、トゥアティエン=フエ省が5580000ユーロで落札しました。
左:10代タインタイ帝
右:タインタイ帝の母・慈明恵皇后
母親にプレゼントした人力車が、
100年後に8億円になるとは…。
贈ったご本人も、
想像していなかったことでしょう。😅
同じところに、輿も展示してありました。
当時、王族が移動するときは
輿に乗っていたので、
移動するスピードも
緩やかなものだったと思われます。
人力車ですいすい走るというのは、
慈明恵皇后にとって初めての体験。
さぞかし喜んだことでしょう。^^
左恭を出ると、すぐ目の前に湖があります。
私から見ると、これは「池」ではないかと思うのですが、文献では、一応、「湖」と言うことになっています。笑
周囲をぐるりと手すりで囲まれた、池、もとい、湖。笑 その中に、タ・チュオン・ドゥがあります。
【タ・チュオン・ドゥ(Tạ Trường Du)】
1849年に建てられたものです。延寿宮の皇太后に祝福を与えるという意味合いがありました。長さ 28m、幅20mの長方形の湖の上に建てられており、「水のパビリオン」と言われています。正方形の形をした伝統的なフエの家屋で、16 本の柱のある部屋や、緑色の釉薬がかけられたラピスラズリのタイルで覆われた屋根があります。床には花柄のタイルが敷かれ、壁は明るいガラスで覆われています(1850年以前は壁は木製でした)。四方に窓があるため、風通しがとても良い家屋となっています。内部は、複雑な彫刻や彫刻が施されたパネルで精巧に装飾されています。
湖の手すりに沿って、周囲をぐるりと歩いてみました。笑
この家は、湖の北岸近くに、南向きに位置しており、湖面の半分の面積を占めています。
手すりに沿って、ひとつめの角を曲がったところです。
ここからすぐ目の前に見える延寿宮。左は左恭です。
タ・チュオン・ドゥでは、主屋の横に、さらにもうひとつ、縁側風の場所が設けられていて、ここにだけ、水面に蓮の葉がありません。鯉を眺めたり、エサをやったりするための場所だったのかな、と想像しました。
ふたつめの角を曲がります。手すりにかぶせられた青竹風の瓦にもご注目ください。
ふたつめの角を曲がると、全く違った景観になります。
これはよっつめの角です。写真右端が入口で、延寿宮とは通路でつながっています。
さて、この「タ・チュオン・ドゥ」ですが、
現在はなんと、カフェになっています。^^
木製のテーブルと椅子が並んでいます。
内部の装飾もすてきです。^^
こんな、王宮の端の端まで来る人は
あまりいないようで、😅
お客さんはひとりもいません。
でも建物の入り口には、
係の男性がひとりで座っていて、
私たちを笑顔で迎えてくれました。
冷蔵庫に入っていたお水を1本購入。冷たく冷やされたお水を飲めたのが、なによりうれしかったです。夫とふたりで、一気飲み。🤣 うまく撮れなかったのですが、床には花柄のタイルが敷かれています。
3方が開放されていて、風通しのいい、タ・チュオン・ドゥ。蓮の葉に覆われた湖ごしに、延寿宮と左恭を眺めながら、しばし休憩しました。
王宮の中には、
いくつかの休憩所が設けられているのですが、
中でも、このタ・チュオン・ドゥは、
おススメの場所なのだそうです。
私たちは、何も知らないで
ここまで来てしまったんですけどね…。😅
いまここ。😄
(つづく)

























