MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは21歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。

のんたんの冬休み-37 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - アモイの思い出(3日目)

2012年7月30日 中国・コロンス島で。(のんたんとあみちゃん 16歳)


それは、今から6年も前のことになります。
2012年7月、私たち家族は、中国・厦門(アモイ)に出かけました。


なぜアモイかと言うと、
別に、なにかの思い入れがあったわけではありません。
たまたま新聞で、こんなツアーの広告を見てしまったのです。


往復ANAを利用する、アモイ3泊4日。19800円。


あまりの安さに、うそだろう、と思いましたが、本当です。
その上、このツアーには、
ホテル3泊(3回の朝食付き)と、一日目の夕食、さらには、
2日めのコロンス島一日観光まで含まれていたのです。
(どこの旅行会社だったかは、忘れてしまいました。ww)


話がうますぎる、と思ったのですが、
なにしろ、安さには勝てません。(笑)
「ヘタな国内旅行よりずっと安い。」というわけで、
家族4人で申し込んでしまいました。


私たちは、子どもたちが中学2年生の時から、
家族で海外旅行をするようになりました。
子どもたちを連れて、
ベトナム、カンボジア、インド、エジプト…と、
毎年、あちこちに行きました。


が、団体旅行を申し込んだはずなのに、
たいてい、お客は私たちだけ、という、
超マイナーなパック旅行でした。笑
(ちなみに、申し込んだ会社は、Five Star Travelという、
あまり知られていない、旅行会社です。)
思えば、長男を連れて、大人数の団体旅行に参加したのは、
このときが初めてだったかもしれません。


さて、この、アモイ激安ツアーですが、
実際に行ってみると、「安かろう、悪かろう。」
なんてことは、全くありませんでした。
30人くらいの、大人数のツアーでしたが、
大きなトラブルもなく、楽しい4日間でした。


ただ、2日めの「コロンス島観光」は、たいへんでした。
コロンス島は、徒歩で島内を一周できるほどの小さな島なのですが、
租界時代に建てられた各国の旧大使館や洋館が、今も数多く残されており、
異国情緒あふれる町並みを楽しめます。
けれど、私たちが行ったのは、7月。
とにかく暑いのです。


小さな島の坂道を、上ったり下ったり。
路地裏のようなところをすり抜けたり。
迷い込んだら出られそうにないようなところもあるので、
ガイドさんからはぐれないよう、
遅れをとらないよう、
汗だくになりながら、懸命に歩きました。


私たちよりもっとたいへんだったのは、まだ若い子連れのご夫婦でした。
なんと、そのご夫婦は、乳幼児を3人も連れて参加していたのです。


おそらく、私たちと同じように、ツアーの安さにつられたのでしょう。
そして、「乳児のうちなら、ツアー代金も無料だから、今しかない。」
と考えたのでしょう。


気持ちはわかります。
でも、乳幼児を連れて、コロンス島の悪路を一日歩き続けるというのは、
あまりにも無謀でした。


とうとう、ツアーの途中で、ギブアップ。
ご主人の方が、
「もう私たちは、ここでやめます。
 船着場で待っていますので。」
と言いだし、一家5人で離脱してしまわれました。
無理もありません。


私たちにしてみても、
全盲の長男を手引きしながらの強行軍は、ラクではなかったけれど、
少なくとも長男は、文句も言わず、健脚で歩いてくれます。
それに比べて、乳幼児を3人も連れて歩くというのは、ほとんど、
「3人の子どもを抱いて歩き続けるようなもの」だったと思います。


「私たちよりも、あのご夫婦の方が、
 ずっとずっとたいへんだなあ。」
と思わざるを得ませんでした。


ツアーの三日目は、終日自由行動でした。
この日、私たちは、ツアーの皆さんとは別行動をとりました。
家族4人だけで、福建省の世界遺産、「客家円楼」の村を訪ね、
充実した一日を過ごしました。


「客家円楼」の村。外敵から身を守るため、客家の人々は、巨大な要塞のような集合住宅を建造し、そこでみんながいっしょに暮らしました。円楼は、あまりに大きいため、人工衛星からも観測できるそうです。


「客家円楼」の内部。
巨大な集合住宅になっています。2000人以上がいっしょに住んだ円楼もあったそうです。


その日の夜のことです。
ツアー最後の夜ということもあり、
この日は、ツアー客全員で、海鮮料理を食べに行きました。


「いやー あっという間だったねえ。
 でも、楽しかったねえ。
 ほんとうに、おトクなツアーだったわ~。」
などと、夫と話しながら食事をしていると、
ツアーに参加していた方が、ちらほらと、
私たちのところにやってこられるのです。


「たいへんなのに、家族のみなさんでがんばっていますねえ。」
「こんな障害があっても、りっぱですね。」
「びっくりしました。」
・・・などと、みなさんがそれぞれにほめてくださるので、
私の方がびっくりしてしまいました。(苦笑)


あげく、
「ご家族の様子に感動しました。」
と涙ぐまれて、名刺を置いていかれる方まで・・・。


いや~~~。(汗)


身の置き所がない、というのは、こういうのを、言うのでしょうか。(苦笑)
あまりにほめられすぎて、なんと言っていいのやら。
長男といっしょに、ただ、4人で楽しく旅行しているだけなんですけどね・・・。^^


そのときです。
レストランの片隅に座っている、あのご家族が、視界にはいりました。
乳幼児3人に、ミルクをあげたり、ごはんを食べさせたり、
ご夫婦で一生懸命でした。
でも、このご家族に、
「たいへんですね。えらいですね。」
と声をかける人は、いませんでした。


ウチよりも、あのご家族の方が、
ずっとずっと、たいへんそうなんだけどな・・・。


素朴に、そう思いました。


ベトナムに来て、
「障害者であるために、ほかのツアー客からいじめられる人がいる」
という、ティンさんの話には、驚きました。
そして、6年前に、
アモイのツアーでごいっしょしたみなさんのことを、思い出しました。


あのとき、ツアーのみなさんから長男に向けられたまなざしは、
ただ、優しかったな、と…。


もう、6年も前の話です。


あのときの3人のお子さんも、
今ではみんな、小学生くらいになっていることでしょう。^^


小さな子どもたちを3人も連れて、
それでも、強行軍ツアーに参加した、
あのおかあさんのバイタリティーには、
今でも、頭がさがる思いです・・・。


(つづく)

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