MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
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入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ①

2012年11月6日 授業中です。(全盲難聴・のんたん 17歳)



入院時の個室料金を、患者からだまし取る


これは、我が家の子どもたちが小さいころに体験したことです。
あれから20年もたっているのだから、
もう、こんなことは誰でも知っていることだろう、と思っていたし、
いまだにこんなことをやっている病院は、あまりないだろう、
とも思っていました。


ところが、そうではないことを、
先日、ある方のブログで知りました。


その方は、帯状疱疹で入院することになったのですが、
「相部屋に空きがない」とのことで、個室に入ることになってしまいました。
個室の利用料は、一日あたり2万円だそうです。
一週間なら、14万円。
すごい金額です。


自分で希望していないにも関わらず、
一般のベッドがないなど、病院側の都合で個室を利用することになった場合、
その「差額ベッド代」を、実は私たちは支払わなくても良いことになっています。
ところが、現実には、多くの患者さんが、
支払わざるを得ない状況におかれてしまいます。


みなさん。
万が一のときのために、覚えておいてくださいね。
希望していないのにはいってしまった個室の利用料は、
支払わなくていいんですよ・・・。

今回は、そんな、差額ベッド料のお話をします。
どうやったら、病院からだまされることなく、
差額ベッド料を支払わないですませることができるか・・・。
そんなワザについても、ご説明していこうと思います。


実は、私自身も、ずっと前に、くやしい思いをしました。
長男が小さい頃のことです。
ある日、けいれんの発作を起こし、救急車で運ばれました。
そのとき、医師から、「個室にはいるように」と指示され、
あげくに、一日あたり18000円も支払うことになってしまったのです。
一週間の入院なら、126000円です。


おかしい、と思いました。
個室を希望しているわけでもないのに、個室にはいるように指示され、
こんな高額な差額ベッド料を支払うことになるのです。
ならば、その費用が支払えないような家庭は、どうなるのでしょうか。
個室料が払えない患者は、
その病院から追い出されるのでしょうか。


そんなこと、ありえない、と思いました。


たいへんな病気で、個室を使わざるを得ない状況で、
何ヶ月も入院することになった場合、
数百万円もの個室料を支払うことになってしまいます。
でも、そんな話、聞いたことがありません。


これは、なにかあるはずです。
そこで、調べてみました。


20年近く前のことです。
当時は、ネットがあまり一般的ではなく、
なかなか、情報を集めることができませんでした。
でも、ひとつだけ、読売新聞の記事が見つかりました。
ある、ダウン症の男の子のお父さんの話です。
その男の子には、心臓疾患があり、なんども入院しました。
そのたびに、(障害児であることを理由に)病院から、
「個室にはいるように」と指示されました。


入院期間が長かったこともあり、差額ベッド代が、
総額で数百万円におよんでしまいました。
そして、ようやく、そのおとうさんは、
「これはおかしい」と声をあげたのです。
訴訟を起こし、最終的に、その病院から、
すべての差額ベッド代を返金してもらったそうです。


そう。
差額ベッド代は、支払わなくてもよいのです。
具体的には、以下のような場合には、
差額ベッド代を支払う必要がないとされています。


• 患者さん側から同意書による同意の確認を行っていない場合
• 患者さん本人の「治療上の必要」により差額ベッド室に入院した場合
• 病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合であって、実質的に患者さんの選択によらない場合
(引用:差額ベッド(特別療養環境室)について – 埼玉県)


簡単に言うと、
自分で希望していないのに病院側の都合で利用することになった場合、
または治療上の必要があって個室になった場合、
あるいは自分が感染症などにかかっていて個室以外では管理が難しいなどの理由で差額ベッド代が発生する部屋に入院した場合は、
「差額ベッド代を支払う必要はない」とされているのです。

これ、重要です。
頭の片隅で、覚えておいてくださいね。

そう考えると、長男が入院したときも、
「個室にはいってください」と医師から言われたのですから、
「治療上の必要性があり、病院が指示した」ケースだったのです。
そうであれば、一日18000円もの差額ベッド代を
支払う必要はなかったのでした。
そう考えると、くやしいですね・・・。


そうは言っても、実際には、多くの患者さんが、
希望していないのに個室にはいり、高額な差額ベッド代を支払わされています。
どうしてでしょうか。


病院は、「支払う必要がない」とわかっているのに、
患者さんにそれを説明せず、利用料を請求しているのです。
つまり、「確信犯」です。


次回は、私たちが個室利用料を支払わざるを得ないはめになってしまうように、
病院が行っている手口について、お話します。


(つづく)

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