埃まみれのビルマ。バックパッカーの10日間 21 - 糸操り人形劇「ヨウッテー・ポエー」(1987年5月5日/5日め)
1987年5月5日 ダマヤンジー寺院で。(ビルマ・パガン)
1987年5月5日(月)- 5日め
パガン寺院めぐりを終えたあと、
モンモンさんから、
「イラワジ川で舟に乗りたいか~?」
と訊かれ、
「乗りた~い!!」
と答えた私たち。
次に、
「人形劇を見たいか~?」
と訊かれ、即座に、
「見た~い!!」
と…。🤣
この「人形劇」とは、ビルマの伝統芸能である、
糸操り人形劇「ヨウッテー・ポエー」
のことです。
「ヨウッテー」は糸操り、
「ポエー」は祭りや行事を意味するそうです。
【ヨウッテー・ポエー】
ミャンマーの伝統芸能である、糸操り人形芝居です。15世紀に生まれ、18世紀のコンパウン王朝の時代に発展しました。コンバウン朝は、「芸能大臣」を設けて、各種芸能の発展に努めました。その結果、人形芝居も、洗練された芸能へと変身しました。演目は、敬虔な仏教国にふさわしく、釈迦の前世講である「ジャータカ」から多くを取っています。
複雑な何本もの糸を操って演じられる糸あやつり人形劇に登場するのは、28種類の人形たちで、王、王子、王女、鬼、虎、馬、象など、ユニークな人形が舞台に上がります。また、衣装や装飾も非常に細かく丁寧に作られており、観衆の目を引くポイントとなっています。劇では、指一本で人形の繊細な動きを表現しており、難易度が高く、操者の熟練の技が光ります。
当時、モノがなかったビルマでは、
この操り人形が主要なお土産物となっていて、
売っているのをよく見かけました。
(私たちは買いませんでしたが。🙄)
マンダレーのゼージョーマーケットにも、人形屋さんがありました。
そのときの日記です。
埃まみれのビルマ。バックパッカーの10日間 3 - ゼージョーマーケットからシュエナンドー僧院へ(1987年5月3日/3日め)
こちらで、「ヨウッテー・ポエー」を見ることができます。
【 アジアの人形芝居コレクション 】VOL.3 ミャンマー 伝統糸あやつり ヨウッテー・ポエーAsian Puppetry Collection
モンモンさんが連れて行ってくれたのは、
イラワジ川からほど近い、一軒の民家でした。
看板もなにもないのですが、
中に入ると、さほど広くない部屋に、
15個くらいのイスが並べられていました。
お客さんは、もちろん、私たちだけ。笑
とりあえずイスに座ると、
前方に設えられた小さな舞台で、
人形劇が始まりました。
若い女性が、お仏壇で祈りを捧げているのでしょうか。
番傘をさした、桃太郎のような若者。
手にうちわを持って踊る女性。
花飾りを振りながら踊る女性も。
笑わせ役のような男性。
ゾージー(錬金術師)の踊りだそうです。
これは王妃でしょうか。
鬼です。タイの鬼とよく似ています。
最後は、華やかな衣装の王子と王女が登場。
ふたりで手に手を取って…、華麗に踊ります。
川のほとりの芝居小屋みたいなところだし、
観客は私たちふたりだけなので、
てきとうにお茶をにごして、
さらっと終わるのかな~と思っていたら、
さにあらず。
演目が次々と変わり、
人形劇は延々と続いたのでした…。
最後は、舞台の上のカーテンが開いて、人形遣いさんのお顔も拝見できるという、演出もありました。笑 なんと、おひとりで全部こなしておられました。すごい!
YouTube とかだと、こんな風に民族衣装を着ておられるのですが、裸でやっておられるというのも、いかにもあの頃らしくて、なんか笑えます。😄
…ということで、
パガンでの2日間が終わりました。
最後の最後まで、楽しかったなあ…。😄
(つづく)
(おまけのおはなし1)
夫がラングーンで買ったカードです。絵葉書くらいの大きさ。
ビルマのスターのブロマイドだそうです。
よろず屋さんの店先で売ってるのを見つけ、
「あっ オレ、これ買う!」
と言って、ほんとに買ってしまいました。
はしっこ、汚れてるんですけどね…。🙄
大事に日本まで持って帰って、
アルバムにまで、貼っていました。
ブロマイドでも、ロンジー着けてるんですね。^^
なぜ、コレを買った?
もしかして、女性が好みだったのか?🤣
(おまけのおはなし2)
毎日、ビルマの話ばかり書いていたので、
夫がなつかしがって、
当時のパスポートをだしてきました。
この旅行のために取得した、ビルマのビザです。
ビザを取得したのは、1987年4月22日。
3か月以内に、ビルマに入国すること。
ビルマに滞在できるのは7日間以内。
陸路による入国は不可。
…などと、キビシイことが書いてあります。
ビルマに入国したのは、1987年5月2日でした。
そして出国したのは、5月9日。
たった7日間で、
「とにかく歩けるだけ歩く。」
と、旅を企画した、多動夫。
涙ぐましいまでの過酷なめちゃくちゃ旅でしたが、
とにかく楽しかった。
やはり、人生で一番楽しかった旅でした。^^