コロナでもウポポイ3。札幌2週間ホテル暮らし 108 - ニッカウヰスキー余市蒸溜所③ 乾燥塔、粉砕・糖化棟、発酵棟、混和棟と蒸溜棟(2021年11月13日/11日め)
(2023/04/13 18:30記)
2021年11月13日 ニッカウヰスキー余市蒸溜所で。後ろにあるのは蒸留棟です。(北海道余市郡余市町)
11月13日(土)
ニッカウヰスキー余市蒸溜所に来ています。
待合室の前にあったパネルです。これを見て、ウイスキーができるまでの工程をさらっとお勉強しました。
①大麦発芽:大麦を発芽させ、大麦麦芽(モルト)をつくります。
②乾燥:乾燥塔でピートを燃やし、麦芽を乾燥させます。ここで、独特のスモーキーフレーバーがつきます。
③糖化:粉砕した麦芽に温水を加え、麦芽に含まれる酵素を働かせて、でんぷんを甘い麦汁に変えます。
④発酵:麦汁に酵母を加え、糖をアルコールに変えます。
⑤蒸留:ポットスチルでアルコールを取り出します。2回の蒸留で、ウイスキーは無色透明になります。
⑥熟成:オーク材の樽に詰めて寝かせます。長期の熟成によって、琥珀色の豊かな香味が醸し出されます。
私たちが建物の写真を撮りまくっているあいだに、待合室にはたくさんの人が集まっていました。
ここでようやく、本日のマドンナ、もとい、ガイドさんの登場です。真っ赤なユニフォームで、モデルさんみたいです。😄
まずは乾燥塔(キルン塔)へ。これは第一乾燥塔です。(国の重要文化財)
【第一乾燥塔】
昭和15年ごろに造られました。正門内の広場西に建つ、木骨石造です。正面中央が乾燥塔で、内部の煉瓦甕でビートを焚き、上部の塔屋で麦芽を乾燥します。乾燥塔の南北に屋根を葺き下ろし、北側は旧製粉工場です。南側は西背後に延び、内壁に鉄板張を施した、木骨石造平屋建の倉庫になっています。工場のシンボル的な存在です。(国の重要文化財)
正面中央が乾燥塔で、内部の煉瓦甕でビートを焚き、上部の塔屋で麦芽を乾燥します。
そしてこちらが第二乾燥塔。中央部が乾燥塔です。ガイドさんがテキパキと歩くので、ツアーはサクサクと進んでいきます。写真を撮りながらついていくのはけっこうタイヘンでした。😅(国の重要文化財)
【第二乾燥塔】
第一乾燥塔と共に、正門内広場景観の核となっています。形式は第一乾燥塔と同じで、正面に3か所のアーチ型戸口を置きます。中央部が乾燥塔で、寄棟屋根の中央を立ち上げ、排気口としています。乾燥塔の南北は倉庫で、北側は西背後に延び、第一乾燥塔と対称形になっています。小屋組は木造トラスです(国の重要文化財)。
右側が粉砕・糖化棟、左側が発酵棟です。できあがった大麦麦芽を粉砕して、約60℃の温水で撹拌(かくはん)・糖化します。
その後、混和棟で、糖化から冷却したものとニッカ独自のウイスキー酵母をタンクの中で発酵させて、できた液体(もろみ)を地下のパイプで蒸溜棟へ送ります。
次は蒸溜棟です。(画像をお借りしました)
これは反対側から撮ったものです。蒸留塔では石炭を焚いてるのですが、煙突からは煙がでていません。環境問題に配慮した装置が施されているそうです。
【蒸溜棟】
昭和10年ごろに造られました。門内広場の南に位置し、石炭焚きの蒸溜器5基を設置しています。外壁は、江戸切の軟石で、アーチ型の戸口と柵付きの回転窓があります。鉄板葺屋根の棟上には、明かり塔を設けてあります。蒸溜器を大型化するために、軒高を高くし、小屋根を鉄骨造りにしてあります。工場の中核施設です(国の重要文化財)。
ガイドさんの後に続いて、中に入りました。
5基のポットスチル(蒸溜罐)が並んでいます、手前にある1号から4号までが初溜釜(ウオッシュスチル)で、いちばん奥にある5号は、操業当時に竹鶴政孝氏が設計導入した物です。なんと、今でも現役で使われているそうです。ドラマ「マッサン」では、大阪のヤカン職人が製作したと言うことになっていました。
【ポットスチル】
漏斗を伏せたような形をしており、先が細長く曲がっている蒸留装置です。蒸留所にポットスチルが導入され、ウイスキー造りが開始されたのが1936年。最初の「ニッカウヰスキー」が売りに出されたのは、4年後の1940年のことでした。
竹鶴政孝氏の実家が造り酒屋であったことから、それに習い、ウイスキー作りの重要な道具であるポットスチルにしめ縄を施したのだそうです。日本ならでは、ですね。なんかカワイイ。^^
ここで、製造工程について説明を受けました。
ポットスチルの下部にある炉です。ここから、石炭を投入します。
蒸溜は、今や世界でも余市蒸溜所だけとなった「石炭直火蒸溜」で行われています。ポットスチルを石炭で直火焚きする、昔ながらの伝統製法です。これは、竹鶴氏がスコットランドのロングモーンやヘーゼルバーン蒸留所で学んだ方式を余市にも採用したもので、その伝統は現在も守り抜かれています。石炭直火は、火力を一定に保つのが難しく、熟練の技が求められます。が、この方式であるからこそ、余市独特の力強く香ばしいモルトウイスキーが生まれるのだそうです。
ガイドさんの説明を聞いていたら、ちょうど、石炭をくべる方がやってきて、私たちの目の前で石炭を炉に投入していただけました。この作業を見学中に見られることはあまりないそうで、ラッキーでした。^^
周囲はかなり熱くて、たいへんな作業だと思います。が、さすがお若いだけあって、そんなそぶりも見せず、誠実に黙々と作業しておられました。作業の前に、まずは炉に向かって一礼しておられたのが、印象に残っています。いやあ、日本らしいですねえ。^^
ここまでで、正門を入ったところにある門内広場を囲む、乾燥塔から、粉砕・糖化棟、発酵棟、混和棟、そして蒸溜棟を見てきました。
興味津々で歩いた、ニッカウヰスキー余市蒸溜所。見学コースは、まだまだ続きます。
(つづく)






















