ガンになるまでの日々 22 - 手術決定(2014年7月)
2008年11月2日 おとうさんといっしょに、高尾山にでかけた長男。リフトに乗ったそうです。帰りは新宿公園に寄って、うれしそう。^^ 同じ日に、長女は私といっしょに、上野へ。ふたりでごはんを食べ、ふわふわもこもこのパーカーを買いました。写真のパーカーは、私とおそろいで、色違いで買ったものです。^^(のんたんとあみちゃん 13歳/中1)
2014年7月
翌月、休暇をとって、
H医師のいる、T病院に行ってみました。
T病院は、下町の駅前にあり、
8診療科、50床の私立病院です。
7階建ての建物は、新築されたばかりだそうで、
院内の調度品はぴかぴか。
1階のホールには、制服のコンシェルジュがいて、
常に目配りしてくれます。
なんだか、高級そうだな、と思いました。
(でも、入院してみたら、費用は普通でした。^^)
受付で渡された問診票に、
「腹壁瘢痕ヘルニアです。
H先生に診ていただきたいです。」
と書き、
H先生が診察する外科で、
呼び出されるのを待ちました。
結論から言うと…。
私の口から言うのもおこがましいのですが、
H先生とは、なんだかすごおく、
気が合ってしまったのです。笑
H先生は、一言で言うと、お茶目な方で、
「あ、MIYOさんは僕と同じ年だ。
同級生だね。^^」
と…。
それからは、話がはずむ、はずむ…。笑
H先生は、ヘルニアの手術を、
何百例も実施しておられるので、
私のお腹のでっぱりなど、ひと目見て、
「ああ、なるほど。わかりました。」
と…。
それまでは、どこの病院に行っても、
診察室では緊張してしまい、
必要事項だけ話しておしまい、でした。
まあ、それが普通ですよね。
でも、H医師とは、なぜか話がはずんでしまい、
何回か顔を合わせるうちに、
お気に入りの映画の話まで、
お互いに話すようになってしまいました。笑
「最近、おもしろい映画、観た?」
「このあいだ、
中国の『海洋天堂』っていう映画を
観たんですけど、
**で、とにかく泣けますよ。」
「あ、ボク、そういうの、ダメ。
泣けるのは弱いの。
ボクの好きな映画は、『**』。」
とか、
「一応、外科医だからね。
手先は起用なの。
おばあちゃんが裁縫が得意だったので、
その血をひいてるみたい。
手のひらなんて、柔らかいんだよ。
さわってみて。^^」
とか…。
診察室でこんな話、普通しませんよね。笑
H医師の後ろでは、看護師さんがいつも、
にこにこと笑っていました。
すっかりうちとけて、診察室で、30分くらい、
話し込んでしまったこともありました。
「お忙しいだろうに、いいのかなあ…。」
と、内心、気になりながら…。
まあ、その日の一番最後の患者だったので、
次の方のご迷惑にはなりませんでしたが。^^
初めての診察で、いきなり、
「インターネットで、
先生の記事を拝見しました。
メッシュの手術をお願いしたいのです。」
と言ってしまった私。笑
その日のうちに、
手術していただくことが決まりました。
手術予定日は、9月3日。
一週間程度の入院になるそうです。
G研で、
「これはなんでしょうね。
調べてみますね。」
「ほおっておいてかまいません。」
と言われ、
6年間も悩んできたのがうそのように、
早い展開です。
あたりまえのことですが、
「病院によって、
『得意な分野』『不得意な分野』
があるのだなあ」
と、痛感しました。
メッシュを使った手術は、当時、
どこででも実施できる治療ではありませんでした。
(今でもそうかもしれませんが。)
そのため、H医師のところへは、
全国からだけでなく、海外からも、
手術を希望する患者が訪れていました。
前回も書きましたが、
H医師は、日本で初めて、
メッシュを使った手術を行った方です。
そしてこのときまでに、同様の手術を、
すでに何百例も経験されていました。
このようなすばらしい医師に出会えたのは、
本当に幸運でした。
「さわってみて。^^」
と言いながら、
自分の手を差し出したH医師。
今でも思い出すと、くすっと笑ってしまいます。
まるで幼児のような、
びっくりするほど、柔らかい手のひらでした。
(つづく)
左:朝の登校風景。毎朝、スクールバス停まで、夫、長女の3人で歩きました。(2008年11月5日)
右:放課後は、学生ボランティアのサチさんとおでかけ。写真は、自宅の最寄り駅まで送ってもらったところです。(2008年11月5日)
大体毎日、こんな感じでした。^^
左:朝、スクールバス停まで歩く長男。(2008年11月6日)
右:週末は、夫といっしょに、電車でおでかけ。(2008年11月7日)