MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 191 - お土産に泣く(2019年10月29日/59日め)

2019年10月29日 帰国する日の、仏様。


10月29日


とうとう、日本に帰国する日がやってきました。
このころの私は、かなり混乱していました。


自分の荷物を整理し、
旅行かばんに詰め込んでいると、
ローさん、タムさんと過ごした日々が思い出され、
自然と涙がでてきました。


「ああ、私は楽しかったんだな。
 そして、この生活が終わることを、
 寂しいと思ってるんだな…。」


胸の中は、
過ごしてきた日々を慈しむ気持ちで
いっぱいでした。


それに相反して、私の頭の中には、
「日本に帰る。
 とにかく、日本に帰る。」
という考えしかありませんでした。
ようやく、この生活が終わるのだ、
ということに、ほっとしていました。


みなさんには、とてもよくしていただき、
感謝でいっぱいなのですが、それでも、
やはり、他人の家で居候をしながら、
そこで働くということは、
自分にとって、少なからず、
ストレスだったのだと思います。


最後の朝ごはんです。ベトナム風オムレツ、きゅうりのサラダ、うずらの卵、アイスベトナムコーヒー。

お昼ごはんです。この日は同僚のハイさんがお休みだったので、最後にお別れが言えず、残念でした。でも、そのかわりに、ローさんの仕事がお休みで家にいたので、3人でいっしょに、ランチをいただきました。

チャーハン、豚肉と漬物の炒め物、きゅうりのサラダ、コンソメスープ。

おやつは、ドラゴンフルーツで作った、ミルクセーキ。


ランチのあと、旧市街へ出かけていたローさんが、
夕方近くになって、帰宅しました。
「いっしょに行きませんか?」
と言われていたのですが、
2日前に旧市街の街歩きをしたばかりだったので、
今回はお断りしました。
この家で過ごす最後の日だったので、
なるべく家にいたい、
という気持ちもありました。


帰宅したローさんから、こんなお土産をいただきました。バナナの葉で編んだバッグです。いえ、バッグがお土産なのではなく、問題は、その中身でした。

イヤな予感がしたのですが、やはり予想通り、バッグの中には、バッチャン焼きのマグカップが4個も!!泣

トンボのデザインのカップには、内側にも、トンボの絵が描いてあります。

カワイイですね。^^


カップはかわいらしかったし、
ローさんの気持ちはとてもありがたかったのですが、
私は、目の前が真っ暗になるような気持ちでした。


2日前に、バッチャン焼きのお茶碗を
ふたつ買ってあって、
それをリュックに入れて、日本に持ち帰るつもりでした。
それに加えて、予定外のマグカップがよっつ…。(苦笑)


これ、どうやって持って帰ればいいんだろう。
という、困惑しかありません。


私は、基本的に、外国で陶器は買いません。
旅行かばんにしまうと割れる恐れがあるので、
移動の間、常に持ち歩かねばなりません。
たいへんだし、重いし、
運が悪ければ、途中で割れてしまうこともあります。
飛行機に乗る時も、
カバンに入れて預けることはできないので、
陶器のはいった袋を機内持ち込みにして、
ずっと持ち歩かねばなりません。


陶器はやっかいなことが多いので、
絶対に買わない、というのが、
私のスタンスです。


それでも、今回は特別に、お茶碗を2個買いました。
「これくらいなら、
 リュックに入れて持って帰れるだろう」
と思ったからです。


ところが、ふってわいたように、
マグカップが4個現れて、
今や、バッチャン焼きを
6個も持ち帰ることになってしまいました。
もはや、リュックにはおさまるわけもないので、
自宅に到着するまで、
バッチャン焼きを手に抱えて移動すること、
決定です。泣


2日前、ハンザ市場に行き、
フォンさんのお店で、お茶碗を買いました。
そのときに、
この会社の地図がたくさん置いてあったのを、
帰宅してすぐに、ローさんに話しました。


店先に地図を置いてもらっていることを、
ローさんも知らなかったそうです。
この日、さっそく、そのお店に行き、
フォンさんに挨拶をしたようです。
そのついでに、ふと思い立って、
MIYOへのお土産に、マグカップを4個も買った、
というわけでした。


「いりません。
 持って帰りたくないです。」
などと、口が裂けても言えませんから(苦笑)、
一応お礼を言いながらも、
心の中では泣いていました。


ところが、追い打ちをかけるように、
悲劇はさらに起こります。
ローさんとタムさんから、
巨大な袋にいっぱい詰め込んだ、
お土産をいただいたのです。泣


ベトナムコーヒーひと袋(2キロ入り)、ドライフルーツ2パック、パシュミナのストール4枚、ハス茶2箱、(なぜか普通の)紅茶2箱、ブラックティー1箱、ミルクティー1箱、インスタントコーヒー2箱、ナッツ1瓶、ゴマのお菓子3箱、そして、カラフルなバッグ。ふう…。


すでに、旅行かばんのパッキングは終わっていて、
隙間はほとんどありません。
そのかばんに、これらの品々を、
いったいどうやって入れればいいのでしょう。
泣きたくなりました。


お土産は、温泉まんじゅう1箱、
くらいにしてもらえたら、
どれほどありがたかったことか…。


ちなみにこちらは、MIYOがお土産として自分で購入したものです。もう、これだけで十分だったのですが…。


せっかく、おふたりから善意でいただいたのに、
重いとか、カバンに入らないとか、
あれこれ文句を言うのは、
失礼なことです。
素直に喜べない自分は、
なんて器が小さいんだろう、と思います。


だから、ええ、もちろんお礼を言って、
がんばって、日本まで持って帰りましたよ。
持ち帰るはずだった、新品のトートバッグとか衣類とかを、
かばんから取り出し、置いていくことに。
そうやってスペースを作り、
どうにか、すべてを旅行かばんに詰め込みました。


コーヒーの袋だけでも、2キロですからね。
いただいたお土産を全部入れたら、
旅行かばん、すごい重さになりました。
4階の私の部屋から1階まで運ぶだけでも、
ローさんがひと苦労してました。


そのかばんを、成田空港から電車に乗って、
自宅まで運んだのは、もちろん私です。
重くて、重くて、本当に重くて、
その上、手にはバッチャン焼きまで抱えてるし。
自宅に帰り着いたときには、疲労困憊の極み、でした。


MIYOは、外国の方にお土産を差し上げるときは、
できるだけ小さくて、軽くて、
帰国するときにじゃまにならないものを選びます。
だから、たいてい、買うのは「お箸」です。


けれど、ベトナムの人たちには、
「できるだけ大きくて、重く、量が多いもの」
の方が、喜ばれるのかもしれません。
(まるで、名古屋の結婚式の引き出物みたいですが。笑)
持ち帰る時にたいへんなのでは、という発想は、
彼らにはたぶん、ない。笑


こういうところでも、
日本とベトナムの違いは大きいなあ、と、
しみじみ思いました。


夕方5時。家の前にスクールバスが停まり、アインちゃんとノックちゃんが帰ってきました。日本語で「ただいま~」と言いながら入ってくるふたりに、いちばん先に「おかえり~」と声をかけるのが、私の日課でした。^^


(つづく)


(おまけ)


ベトナムに着いて間もないころ、
「建設中のイオンを見に行きましょう。」
と言われ、タムさん、ローさんといっしょに、
タクシーに乗ってでかけたことがありました。


建設中のイオンショッピングモール(2019年9月11日)


建設中ですから、ただの工事現場みたいなもので、
とりたてて見るべきものはありませんでした。
このイオンモールは、
12月にオープンする予定だったので、
私が滞在しているあいだには、
結局、見ることができませんでした。


その、「イオンモール・ハドン店」が、
12月にはいって間もなく、
堂々オープンしたことを、
hanoi_lifeさんのブログで知り、
とてもなつかしい思いでした。


【AEON】堂々開店!イオンモール・ハドン店に行ってきました!! : ハノイでまったり生きてます(ΦωΦ)


イオンモール・ハドン店。hanoi_lifeさんの許可をいただいて、画像をお借りしています。


よく見ると、ダイヤ模様が施された壁面が、
工事中の頃にMIYOが撮った写真と同じです。
あのときの工事現場が、こんなふうになったんだ、
と思うと、感激もひとしおでした。


工事中のイオンモールの前で、ローさんは、
「ここのスペースを借りて、
 うちのオフィスを開設したいんです。」
と、熱く夢を語ってくれました。


夢をもってがんばっているのは、
すばらしいことです。
でも、現在の会社は、
自宅の一角をオフィスにしているので、
オフィス家賃がかかりません。
固定費を最小限に抑えて、
インターネットでツアーの申し込みを受け付け、
収益をあげているわけです。
インターネットビジネスがメインですから、
立派なオフィスは必要ないんじゃないかな、
というのが、私の率直な気持ちでした。


むしろ、こんなところにオフィスを借りたら、
その賃料が経営を圧迫するんじゃないか、
とも思いました。


イオンモールにオフィスを持つというのは、
夢のような話でした。
ふたりが希望に満ちて働いていることが、
よくわかっていたので、
「こんなところにオフィスを持っても、
 投資効果はあまり期待できないと思います。」
という私の考えは、もちろん、言えませんでした。


いっしょに、工事中のイオンを眺めた日のことを、
今もなつかしく思い出します。
夢を語るタムさん、ローさんの瞳は、
希望にあふれて、輝いていました。

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