高級ホテルに泊まる、タイ3泊6日のおトク旅 40 - 妻、爆発する。(5日目)
2018年7月13日 ホテルのタダごはんで、にっこり。^^
7月15日
「古いおうち」の前まで来て、
休館日であることを知った、私たち。
時刻は4時でした。
夜10時のフライトに間に合うように空港へ行くためには、
6時までにホテルに戻って、預けてあった荷物を受け取り、
出発しなければなりません。
もともとは、3時から6時の3時間で、
ショッピングセンターに行って、帰ってくるつもりだったのです。
でも、うっかりと予定変更して、
こんなところに来たために、
1時間もムダにしてしまいました。
かなり不機嫌そうな私を見て、
夫、おずおずと言います。
「どうしようか・・・。
今から、ショッピングセンターに行こうか・・・?」
私、切れました。
「・・・今からじゃあ2時間しかないんだから、
行って帰るだけで、終わっちゃうでしょ。
もう、いまさら行ってもしょうがないじゃない。
あなたね。
世界中の博物館は、年中無休で開いてるとでも、
思ってるわけ?
自分で行きたいって言って、ここまで連れて来たんでしょ。
もしかして休みなんじゃないか、とか、
休館日を調べてから来るのって、
あたりまえのことだよね!!!」
私が怒るのには、わけがありました。
実は夫、これが初めてではありません。
台湾でも、
「オレは、どうしても見たい博物館がふたつあるんだ。」
と言って、はりきって私を連れ出したのですが、
博物館の前まで来て、
「あっ やすみだっ。」
と、やらかしたのです。
これがそのときの日記です。
このときには、私も怒ることはありませんでした。こんなミスも、たまにはしかたない、くらいにしか思っていなかったのです。それがまさか、バンコクでも同じことをやらかすとは・・・。(苦笑)
同じことを2回も繰り返すなんて、
まったく、なんてムダが多いヤツなんだ・・・。
休館日くらい、行く前にチェックしなさいよっ!
などと、むかついているうちに、
これまでの鬱屈した気持ちが、
一気に噴き出てしまいました。
旅行気分がすっかり失せてしまい、
「もう、どこにも行かない!
ホテルに帰る!」
ということになりました。
ホテルに着いてからは・・・。
この旅での、私が抱え込んでいた不満が、
もう止まらなくなってしまいました。
・早朝の便でタイに着いてから、博物館を見学する前に、用もないのに、1時間半、博物館の周りを延々と歩き続けたこと。
・機内で一時間しか寝られず、疲れているのに、休むことなく、博物館で2時間もの見学ツアーにつきあわせたこと。
・せっかくチェックインした高級ホテルでゆっくりしたかったのに、じっとしていられず、ホテルの近所を2時間も歩き回り、ほとんど倉庫のような「薬草博物館」に連れて行かれたこと。
・時間を読み間違え、二日目のアフタヌーンティーをほとんど食べられなかったこと。
・「ホタルが見たい」と言いはって、申し込んだツアーで、ホタルがほとんど見られなかったこと。
・「ほんの散歩」のつもりのチャトゥチャック市場で、5時間も歩き続けたこと。
・「ただの公園」散策に、1時間もつきあわされたこと。
そして・・・。
・休館日も調べず、閉まっている博物館に連れて行って、ショッピングセンターに行けなくなったこと。
ひとつひとつは、小さなことなのです。
でも、とにかくあちこちうろつきたい夫につきあって、
毎日どたばたと走りまわっているうちに、
「高級ホテルに泊まって、のんびりと過ごしたい。
『ああ、たいくつで死にそう。』とか言ってみたい。」
という、当初の私の希望は、
とうとう一日も、かなえられることはありませんでした。
今回の旅での、私の希望は、
「高級ホテルでタダごはんを食べて、のんびり過ごすこと」
でした。
でも、それを「多動夫」の頭で解釈すると、
「タダごはんのときだけ、ホテルにいればいいのだろう。
それ以外の時間は、とにかく外を歩き回る。」
ということになってしまうのです。
夫はとにかく、一日中、びっしりと予定を入れて、
めいっぱい、あちこち動きまわりたい。
それに対して、私は、もう「博物館」とか「公園」とか、
そんなのはどうだっていいんです。
のんびりと座って、その街の風景を、
ただ、ぼお~っと眺め続けている・・・。
そんな旅行があっても、いいんじゃないかな、と思うのです。
(おいしいものを食べるっていうのは、はずませんけどね。^^)
私は、そもそも、
「なにもすることがない旅」
を、したかったのです。
「今回の旅の目的は、高級ホテルを満喫すること。
観光は、ほんの少しでいい。」
と思っていました。
こんなふうに、毎日、時間きざみでぎっしりと予定を入れ、
一日中休みなく歩き続けるような毎日を、
過ごしたかったわけではありません。
なんか、思ってたのと違うんだよね・・・。
おかしいなあ・・・。
まあ、しょうがないか。
・・・と、自分を納得させてはきたのですが、
最後の、「閉まっている博物館」の前まで来たときに、
それまでおさえていたものが、
いっきにでてしまったようなのです。
今まで、何十年も、
いっしょに旅行してきた夫婦だったはずなのですが、
いつのまにか、お互いのやりたいことが、
完全にずれてしまっていたことに、
このときようやく気がついたのでした。
これまでの私は、夫が「**に行きたい」と言えば、
たいして異議を唱えることなく、ついていきました。
お互いの旅のスタイルは、ほぼ同じだったと思います。
でも、今や、もうそうではないのだと、ようやくわかりました。
夫も変わったし、
私も変わってしまったのでしょう。
これからは、夫の言うことを鵜呑みにせず、
吟味しなくちゃいけないな、と思いました。
「博物館に行きたい? それ、どれくらい重要なの?」
「歩く? 何時間歩くつもり?」
「公園? 絶対に! 行かないからね。」
と・・・。(苦笑)
結局。
ホテルに戻ってきた4時から、
空港へと出発する、6時までの2時間。
バンコク・マリオット・ホテル・スクンビットのロビーで、
私は、延々と、夫に向かって、不満をぶつけつづけたのでした。
2時間ものあいだ、いったいなにを話し続けたのか、
覚えていません。(苦笑)
でも、それくらいに、不満がたまっていて、
最後にそれが爆発したということだけは、
たしかだったように思います。
(つづく)
(おまけ)
カリプソ・タイ・レストランのディナーショーです。