ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 24 - Robam のアプサラダンス①(2024年1月16日/5日め)
2024年1月16日 レストラン・Robam で、アプサラダンスを鑑賞しました。(カンボジア・シェムリアップ)
1月16日(日)- 5日め
パブストリートの中にあるレストラン、
Robam で、食事しながら、
アプサラダンスを鑑賞しました。
【アプサラダンス】
カンボジアの伝統芸能で、優雅で滑らかに舞うのが特徴です。カンボジア独特のメロディに合わせて、きらびやかな衣装を纏った踊り子が舞う姿は、まさに天女そのもの。シェムリアップ市内には、ディナーショーとして「アプサラダンス」をはじめとした伝統舞踊が鑑賞できるレストランがいくつかあります。
「アプサラ」は、ヒンドゥー教の神話に登場する水の精「アプサラス」が由来となっており、ヒンドゥー教の創世神話である乳海攪拌(かくはん)の際に誕生したと言われています。水の精・アプサラスは、古代から天女としても崇められており、乳海攪拌の様子は、アンコール・ワット第1回廊の東側の壁面にも大きく描かれています。
そんなアプサラの姿を舞踊として表現したのが「アプサラダンス」で、9世紀ごろに始まったとされています。伝統を受け継いだ踊り子たちの優しい微笑みと優雅な手の動きは、現代でも、観衆を魅了しています。
【アプサラダンスとアユタヤ朝の侵攻】
13世紀以降、カンボジアは、隣国であるタイのアユタヤ朝とベトナムのフエ朝からの攻撃を受け、国力がどんどん衰退していきます。1432年、アユタヤ朝によってシェムリアップのアンコール・トムが陥落すると、数々の音楽家や踊り子たちが捕虜として囚われ、タイに送られていきました。しかしながら、クメール文化はタイの中でも受容され、新しい要素を取り入れながら、タイ伝統舞踊として発達していきます。
その後、フランスの植民地となった後も、アプサラダンスをはじめとしたカンボジアの伝統芸能は衰退することなく、欧米社会にも認知されるようになりました。
【アプサラダンスとクメール・ルージュ】
長い歴史を紡いできたカンボジアの伝統芸能は、クメール・ルージュによる大量虐殺によって、一度は完全に途絶えてしまいます。1975年から約4年間続いたクメール・ルージュによる支配下では、知識人や外国人、芸術家など多くの人々が処刑や投獄の対象となり、この時期に、アプサラダンスを継承できる人は途絶えてしまいました。
しかし、一部の芸術家や踊り子、振付師などの人々は海外に亡命し、厳しい状況の中で生き残っていました。そうした僅かな生存者たちの尽力により、クメール文化は復興を果たします。
クメール・ルージュ撤退後も、長期にわたる内戦で国内は疲弊していましたが、カンボジアの人々は、伝統を絶やすまいと努力を続けてきました。現在のアプサラダンスには、自らの文化とアイデンティティに向けた多くの人々の、情熱と真摯な願いが込められています。
カンボジアの伝統舞踊のショーでは、
総称的に「アプサラダンス」と呼びますが、
実はショーの中には、
いくつかの演目が組み合わされています。
また、ダンスの種類は、
地域・州ごとに異なるものもあります。
それぞれの演目に特徴があり、女性だけでなく、
男性の踊り手が参加するものもあります。
この日のショーは、まずは本来の、
「アプサラダンス Apsara Dance」
から始まりました。
アプサラダンス(Apsara Dance)
カンボジア伝統舞踊の代名詞とも言える演目です。天女たちが満開の庭園で遊ぶ様子が表現されています。中央で踊る女性が「姫」で、舞台の主役です。周りの踊り子たちは「侍女」の役を演じています。
ちなみに、こちらは、タイの伝統舞踊です。なんだか似てるなあ、と以前から思っていたのですが、クメール文化がアユタヤに伝わってタイ舞踊になったということを、今回の旅で初めて知りました。
このときの日記です。
高級ホテルに泊まる、タイ3泊6日のおトク旅⑨ - タイ舞踊のディナーショー(2018年7月12日/2日め)
舞台の袖では、こんなふうに、4人の奏者が伝統音楽を演奏しています。
中央に写っている太鼓は、ソンポーという、カンボジアの伝統楽器です。
【ソンポー】
水牛または牛の皮を皮紐で張った、両面太鼓です。米と灰を混ぜたペーストを鼓膜の中心部に塗りつけることによって、チューニングをします。
14年前、影絵レストランで。元気にソンポーを叩く長男です。^^(2010年7月27日 のんたん14歳/中3)
ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 22 - ナイトマーケットと影絵レストラン(2024年1月16日/5日め)
海外旅行中に現地の楽器を見つけると、できるだけ長男を連れて行き、体験できるように、と心がけていました。^^
ココナッツダンス(Coconut Dance)
カンボジアの民族舞踊のひとつです。半分に割ったココナッツの殻を、リズミカルに叩きながら踊ります。アップテンポの軽快な音楽に合わせて、男女の踊り手が軽やかに舞います。
少し遅れて、3人の男性が加わりました。
中央の男性だけが少し年配なので、先生なのでしょうか。踊りにキレがあり、ひときわ上手でした。
こうして写真で見ても、やはり、中央の男性がいちばん上手です。
次回は、最後の演目になります。
(つづく)