MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは21歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。

入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ⑤

2006年10月14日 運動会で、応援合戦。(全盲難聴・のんたん 11歳)



病院で、「同意書を書いてください。」と言われて、それを断ると、
どういうことが起こるでしょうか。
それは、病院によって違うと思います。
正直、そこからなにが起こるかは、そうなってみないとわかりません…。
今日は、同意書を断って、我が家が体験したことを書きます。
あくまで、「事例」です。


長男が、初めてのけいれんで、入院することになったとき、
個室に入るように、と医師から指示されました。
その結果、我が家も、高額な差額ベッド代を支払わされてしまったことを、
①で書きました。


そのことに納得がいかず、調べているうちに、
「実は、支払わなくてよかったのだ。」と知り、驚きました。
そこで、
「こんなことはおかしいと思います。」
と書いて、病院の意見箱に入れました。


が、もちろん、その後も改善されることはありませんでした。
投書は、無視されました。
なんたって、病院は、確信犯ですからね。
「本当はいけないこと」とわかっていてやっているのですから、
改善されるわけがないのです。


「このままでは、次に入院したときに、
 また同じことを繰り返してしまう。」
と、思いました。
使いたくもない個室を使えと言われ、何十万円も取られるなんて、
絶対にいやです。
そうならないために、どうすればいいか。
私は、対策を考えました。


それから数ヵ月後のある夜のことです。
再び、長男がけいれん発作を起こし、救急車を呼びました。
当時の長男は、発作が起きると酸素濃度がさがってしまうため、
酸素吸入器がついている救急車を呼ぶ必要がありました。

私は、長女と家に残り、
夫が、長男に付き添って、救急車に乗り込むことになりました。
そのとき、かねてから考えていたことを、夫に言いました。

「あのね。前と同じ状況だから、
 たぶん、また今度も、入院することになると思うの。
 そしたら、また、個室に入るようにって言われるよね。
 でも私、もう二度と、個室代を払いたくないの。
 だって、本当は払わなくていいはずのお金なんだから。
 払うほうがおかしいんだから。
 だからね。
 病院で、『同意書』を書かないでほしいの。
 それを書いたら、おしまいだから。
 無理に、とは言わない。
 どうしてもだめだ、って思ったら、そのときは書いていいから。
 でも、できるだけ、がんばってみて。」


かねてから、私から、差額ベッド代にまつわる話を聞いていた夫は、
すぐに状況を理解しました。

「よしわかった。
 同意書を書かなければいいんだな。」

そんな話をしているうちに、救急車が到着。
病院に搬送される長男に付き添って、夫も救急車に乗り込みました。


子供がけいれんを起こし、救急車が来るのを待っているあいだに、
差額ベッド代の心配をしなければならない。
情けない話です。


なんだかんだ言っても、患者の方が、弱い立場です。
結局は、同意書を書いてしまうんだろうな、と思っていました。
それでも、はじめから言いなりにはなりたくない、という気持ちだったのです。
少しくらいは、抵抗してみよう、と。


それから数時間後。
深夜になって、夫から電話がかかってきました。
「入院することになったけど、のんたんは大丈夫。」と。
そして、ことの顛末を話してくれました。


病院で、長男を診ていただいたあと、医師から、
「入院して、個室にはいるように」
と言われたそうです。
ここまでは、前回と同じです。
さらにお約束どおり、看護師が同意書を持ってきました。

ところが夫は、頑として、「署名はできません。」と言い張りました。
いろいろと押し問答があったようです。
でも、夫は、「ぜっっったいに、書きません!」と。(苦笑)


最終的に、婦長がヒステリーを起こし、
「もうっ!! こんなことを言う患者は見たことがない!!」
と、叫んだそうです。(爆笑)

結局、見かねた医師が、
「それでは、個室に入らなくてけっこうです。
 相部屋にしましょう。」
と言って、決着したのだとか。


なんだ、相部屋があったんです。
なのに、「目が離せない状況なので、個室に。」と言われていたのです。
医師の指示があり、治療に必要であるならば、
個室料金は払わなくていいはずです。
にもかかわらず、それを払わされそうになっていたのです。

あげくに、どうしても個室料を払う意思がない、とわかると、
結局、相部屋になりました。
ってことは、もともと、
「治療にどうしても必要というわけではなかった」
ってことですよね・・・。

どうやら、「障害児だから、とりあえず個室に入れておこう。」という、
ありがた迷惑な配慮もあったようです。
いや、タダであれば、その配慮、喜んでいただきます。(苦笑)
でも、「一日18000円も支払わせる、配慮」なんですよ。


どうしても必要なわけではないのに、
「個室にはいってください。」と、軽い気持ちで言われ、
その結果、すごい金額の個室料を支払う羽目になる、
というからくりだったのです。


「オレ、同意書、書かなかったからね。」
と、夫はちょっととくいそうです。
「すごいね~。婦長にそこまで言われて、
 それでも同意書を書かないなんて。
 えらい。よくがんばったね。」
と言うと、夫、こう言い放ちました。

だって、婦長よりヨメさんの方が、よっぽど怖いからなっ。
 同意書を書いてしまった、なんて言ったら、
 あとでどんな目にあうことか。」
ですと。(爆笑)


ちなみに、これ、東京都立墨東病院小児科での話です。
個人病院での話では、ありません。
貧しい人でも誰でも医療を受けられるはずの、都立病院ですら、こうなのです。
この病院、医師も看護師さんも、いい方ばかりで、
我が家はたいへんお世話になりました。
怒って叫んだ婦長さんも、
「自分たちがまちがっている」とは、知らなかったのだと思います。
それでも、こうまでして個室料を取ろうとするのは、
医事課の仕業なんでしょうか?
私にも、それはわかりません…。


あれから、20年たちました。
墨東病院小児科では、今でも同じことをやって、
若い両親から、高額な差額ベッド代を徴収しているのでしょうか。
そんなことを、ときどき考えます。


ヒステリーを起こし、夫を「非常識者」あつかいした婦長さん。
忙しいのに、こんなことで困らせて、と腹がたったことでしょう。
でも、考えてみてください。
あなたの家族が入院し、同じような状況になったとき、
あなたは、希望していない個室の差額ベッド代、数十万円を、
払いたいですか?
患者や家族の気持ちになってみれば、
あんなふうに夫をなじる言葉は、
けっして言えなかったと思うのです…。


次回は、「個室料を支払わされる羽目になる、もうひとつの落とし穴」と、
その対策についてお話します。


(つづく)

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