ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 42 - アンコールワット⑮ 第二回廊(2024年1月17日/6日め)
2024年1月17日 アンコールワットで。第一回廊から第二回廊へ。(カンボジア・シェムリアップ)
1月17日(日)- 6日め
第一回廊、十字回廊と歩き、
ようやく、第二回廊に入りました。
第一回廊と第二回廊の間にある、十字回廊・沐浴場です。
アンコールワットに到着してからここまでで、
約2時間半が経過しているのですが、
まだまだ、先は長いです。😅
さて、アンコールワットのおおまかな構造は、
毎回マップで掲載しているので、
「もうわかったよ。」と思われるかもですが、
下図でご覧のとおり、
3つの回廊が入れ子式に造られていて、
3重構造になっています。
第一回廊についてさんざん書いてきましたが、ようやくひとつ内側にはいった、ということになります。
これは、第三回廊から見下ろして撮った、第一回廊(上側)と第二回廊(下側)です。二つが並行していて、高さの差もそれほど大きなものではありません。
上の写真でご覧の通り、
第一回廊(上側)には窓がなく、
平板な壁が続いています。
この壁の裏側(回廊の内側)には、
ラーマーヤナ、マハーバーラタなど、
ヒンドゥー教の世界観を垣間見るような、
様々なレリーフが描かれていました。
一方、第二回廊には、
連子窓がびっしりと造られています。
壁がほとんどないので、
回廊内にも壁画がありません。
14年前の写真で、第一回廊を出たところです。ここは伽藍の中庭になっており、この門から第一回廊を出ると、目の前に第二回廊が現れます。(2010年7月26日 長女14歳/中3)
同じ中庭で撮った、現在の写真です。右が第一回廊で、左が第二回廊。奥に見えているのは経蔵で、この奥の左側に、つい先ほど見てきた十字回廊があります。
この中庭に入ると、
アンコールワットの上部に見えていた塔の、
いちばん中央にあるもの(中央祠堂)が、
見えなくなります。
中央祠堂は、
「王様しか入れない、究極の聖域」
でした。
そのため、
「近くにいる人たちからは見えなくなる」
ことを計算して、
設計されているのだそうです。
中庭の経蔵は、北と南にひとつずつあります。これは北側。
これは14年前の長女。おそらく南側の経蔵の前に立っていると思います。(2010年7月26日 長女14歳/中3)
そしてこれが、第二回廊へと続く階段です。
階段の右側(西側)から見た、第二回廊。(2010年7月26日)
そして、階段の左側(東側)から見た、第二回廊。(2010年7月26日)
左端にドームが見えますが…、
そのドームの壁にも、アプサラ(デバター)が並んでいます。
連子子(れんじこ)がきっちりと並んだ連子窓。一本の欠けもなく、すばらしい。^^
この中庭に面した階段を上がったところが
第二回廊になります。
第二回廊には、十字回廊から階段を上がって、
入ることもできます。
これが第二回廊の内部。びっくりするくらい、質素です。
多くの人が入ることができた、第一回廊。
王様しか入れなかった、聖域の第三回廊。
…のふたつを優先した結果、
第二回廊の装飾は後回しにされ、
やがて王様が亡くなってしまったので、
最終的には、そのまま放置されてしまった、
…ということのようです。
第二回廊の内部には、
派手な装飾などがありません。
ところどころに、
信者が寄進した仏像が置いてあるだけです。
けれど、回廊の外側に見えている
連子窓やアプサラはとても美しく、
それが、第二回廊の見どころとなっています。
アプサラと連子窓。
連子窓の間に描かれている、アプサラたち。彼女たちの腰布にご注目ください。(2010年7月26日)
なんと、ひとつひとつの腰布に、異なる柄が掘られています。
拡大すると、花柄の腰布であることが、はっきりとわかります。^^
このレリーフでも、4人のアプサラの腰布の柄がすべて異なっています。拡大して見ていただけると、わかりやすいかと思います。(2010年7月26日 長女14歳/中3)
このあたりはかつて、
王様が通るエリアであったと思われます。
そのため、王様の目に入ることを考慮して、
王様の前で踊ったアプサラ達をモデルにして、
特に細かく、美しい彫刻が施されたそうです。
その反面、王様が見る可能性が低い部分では、
未完成のアプサラが放置されていたりします。
第二回廊の装飾は、
「王様の目に入る部分かどうか」で、
その明暗が分かれているようです。
以下、2010年に撮った写真です。
あれ? 鏡を持って、髪をなおしているのでしょうか。😄
出入り口の破風部分にも、細かい装飾がびっしりと施されていました。
アプサラは、アンコールワットの中に、
約2000体あるそうです。
そのすべてのアプサラには、
「実在の女官のモデルがいたので、
ひとつとして同じものはない。」
と言われています。
たしかに、ひとつひとつのアプサラを見てみると、
しぐさや表情、髪形、アクセサリー、
そして衣装までが、それぞれに異なっていて、
いくら見ても、見飽きることがありません。^^
第二回廊をぐるりと一周しました。連子窓とアプサラを堪能し、第二回廊の反対側に出ると、そこには、そびえたつ第三回廊が待っていました。(2010年7月26日)
次回は、第三回廊の階段をよじ登ります。
いまここ。😄
(つづく)