ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 41 - アンコールワット⑭ 十字回廊(2024年1月17日/6日め)
2024年1月17日 アンコールワット・十字回廊で。(カンボジア・シェムリアップ)
1月17日(日)- 6日め
第一回廊をすべて歩き、再び、
出発地点だった北西角のホールに戻りました。
いまここ。😄 下図の8番が、北西角ホールです。
北西角のホールには、
多くの貴重なレリーフが残っています。
そのひとつひとつを見ながら、
十字回廊に向かって歩きました。
これは、一番初めに掲載した、第一回廊西面(上図の9番)。
ここの壁には、ラーマーヤナの世界(サル軍と悪魔軍の戦い)が描かれていました。
ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 31 - アンコールワット④ 第一回廊(ラーマーヤナ)(2024年1月17日/6日め)
これから歩くのは、
この第一回廊西面の内側部分です。
第一回廊西面に
ラーマーヤナの壁画があったためなのか、
これから歩くエリアには、
ラーマーヤナの場面
クリシュナにまつわるヒンドゥー教の説話
などが描かれています。
通路にはいくつもの敷居が設けられており、その両側をアプサラが守っています。
柱や壁に施されたレリーフ。右のレリーフでは、サルがびっしりと描かれていました。
ラーマーヤナで登場する、サル軍の兵士たちです。^^
この壁画は、「クリシュナの運命を予知するアクルラ」と推測されています。
上部中央にいる2人の人物がクリシュナとアクルラです。その下で横たわっている人は、アクルラが見たクリシュナの未来であると思われます。この人物のポーズについては、「泳いでいる」「沐浴をしている」などの諸説があります。。
さて、第一回廊西面を
南に向かってまっすぐ歩くと、
正面中央にある大塔門に着きます。
その大塔門の内側にあるのが、
十字回廊です。
この十字回廊のエリアで注目すべき点は、
もともとの塗装が若干残っていて、
壁や柱が少し赤みがかっていることです。
かつてのアンコールワットは、
朱色に塗られていたのかも知れません。
*外側は金箔で覆われていて、金色だったという説もあります。
赤い色が今も残る、十字回廊です。
天井の装飾も、美しく残っています。このあたりは、完成当時のアンコールワットの色がいちばんよく残っている場所、とされています。
十字回廊にも、たくさんのアプサラと連子窓がありました。
このあたりには、プリヤ・ポアン(千体仏の回廊)と呼ばれるエリアもあり、多くの仏像が並べられています。
アンコールワットは、もともと、
ヒンドゥー教の寺院でしたが、
16世紀になり、アユタヤ王朝の勢力が増し、
アンコール王朝もその支配下に置かれました。
アユタヤは仏教の国だったので、
支配した地域の宗教を仏教に変えていきました。
その結果、アンコールワットも、
ヒンドゥー教寺院から仏教寺院へと変わりました。
それ以来、カンボジアでは、
多くの人が仏教を信仰しており、
アンコールワットも、
仏教寺院として存在しています。
プリヤ・ポアン(千体仏の回廊)については、以下の日記で掲載しています。
ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 33 - アンコールワット⑥ 第一回廊(歴史回廊)(2024年1月17日/6日め)
さて。
この十字回廊ですが、
なぜ十字型になっているのでしょうか。
その答えは、
「エリアを4つに仕切って、
4つの沐浴の池(沐浴場)を作ったから」
です。
かつてここには、「田」の字型に造られた、
4つの沐浴場がありました。
沐浴場は、身を清めるための場所です。
つまり、
「神聖な場所(第二・第三回廊)に行く前に、
罪や穢れを流し、身を清めるための場所」
として、十字回廊が造られたのです。
この沐浴場の水はどうやって貯めたのか?
と、14年前から不思議だったのですが、
調べてみると、
第三回廊に溜めた雨水を使用していたそうです。
現在の第三回廊では、
雨水を溜めこまないようにしているため、
この沐浴場にも水はありません。
赤い色が残る十字回廊。この写真の右側に見えているのが、沐浴場です。
沐浴場です。奥にもうひとつあるのが見えます。
この中が水で満たされるほど、雨が降ったんですね…。
けっこうな広さです。
そして沐浴場の先に現れたのは、第二回廊。
次回は、第二回廊を歩きます。
ようやく次のステージに進みますが、
ここまでで、連載14回…。
ふう…。😅
いまここ。😄
(つづく)




















