コロナでも上州。週末にのんびり歩く群馬 1泊2日のおトク旅 4 - 筒描きと招福七連鐘堂、日本一の大釜(2020年11月13日/1日め)
2020年11月13日 「かやぶきの郷 薬師温泉 旅籠」で、筒描きに見入りました。(群馬県吾妻郡東吾妻町)
11月13日
「筒描きと時代箪笥回廊」に来ています。
膨大な数の、多種の箪笥に、
圧倒されました。
回廊はコの字型になっており、
随所に、大きな「筒描き」が
展示されています。
サイズも大きく、
他ではなかなか見られない筒描きが、
これほどたくさん飾られている場所は、
他にはないのではないかと
思いました。
通路の左側で、箪笥と交互に飾られている大きな額が、筒描きです。
一番最後の通路には、特にたくさんの筒描きがあり、かなり見ごたえがあります。
嫁入り道具として作られた筒描きは、壁に吊るして飾られましたが、やがてお布団になりました。木綿地や麻地を用いた夜着、風呂敷、暖簾、法被になることもあったそうです。
【筒描き】
筒描きとは. 筒に米糊を入れ、先端の筒金から少しずつ押し出して、米糊で文様を描くようにしていく、染めの技法のひとつです。このようにして、布地に糊置きすることによって、防染しているわけです。筒描きは、古くから、婚礼や出産、祭礼といった、ハレの機会に作られました。
筒描きのいちばんの魅力は、
画面が大きいことです。
大きな布地に、
手書きで自在に表現できる技法なので、
大らかでのびのびとした文様の、
躍動感とスケールを楽しむことができるのです。
参考:「鯉の滝のぼり」の筒描きです。布団として使われていました。実寸で1mほどの大きさもあろうかという真鯉、緋鯉、錦鯉が、力を振り絞って滝を登る図で、躍動感にあふれています。(画像をお借りしました。)
「筒描きと時代箪笥回廊」では、
見学者は、私たちしかいなかったので、
たっぷり時間をかけて、楽しみながら、
ゆっくりと見学することができました。
とても見ごたえのあるところでした。
暗い回廊を出ると、紅葉が日差しを受けて輝いていました。
招福七連鐘堂です。鐘を鳴らすと願い事が叶う(らしいです。笑)。七鐘は、江戸時代から明治にかけて鋳造され、全国の神社仏閣で招運の鐘とされてきたそうです。
「一家安全」「良縁長寿」など、それぞれの鐘にねがいごとが書かれています。
鐘堂の通路の先まで歩くと、「日本一の鉄大釜」があります。
これです。そして右側にならんでいるのが、七つの鐘です。
日本一の鉄大釜
造り酒屋で実際に使用されていた大釜です。中に入って記念撮影が楽しめます。
そして、鉄大釜の隣りにあるのが、
「木村家」でした。
南部曲がり家 木村家
安政二年に建て られた豪農のかやぶき家屋。 曲がり屋の代表的な構造を見ることができるそうです。
【南部曲がり家】
現在の岩手県内において見ることができる、代表的な家屋です。江戸時代後期から明治、大正期に建てられました。南部曲がり家の特徴は、主屋と馬屋を棟続きになっていることです。みちのく岩手では、馬が農耕馬として使われたため、家族同様の扱いをし、いつでも目が届くようにという配慮から始まりました。
屋根は茅葺き屋根です。雨漏り防止のため、傾斜が急であり、厚さは50cm前後あります。断熱効果に優れ、夏は涼しい造りになっています。形は入母屋になっています。かまどの煮炊きの暖かい煙が馬屋を通って煙り出しから出ていくので、冬の寒さから馬を守っていました。壁は全て土壁になっていますが、小舞下地壁(こまいしたじかべ)と言われ、竹、木、葦(よし)などの材料を、麻や藁などの縄で編んで下地をつくり、荒壁土を塗り、裏側から裏返し塗りをして仕上がりとする工法で造られています。
分厚い茅葺き屋根の玄関です。
家の中に入ってみると、
ここがね…。
すごい世界だったのです…。
入り口を入ると、こんなふうに、
家の奥まで、土間が続きます。
そして、左側にも、土間が広がっています。
この土間は「ニワ」と呼ばれており、
農具や収穫物の収納に使われていました。
ここには「やだがま」と呼ばれるかまどがあり、
これで馬の飼料を煮ていました。
「ニワ」と呼ばれる土間。ここでは、おしゃれにアレンジされていて、「やだがま」のそばで休憩することができるように、演出されています。
南部曲がり家には、30年くらい前に、
「盛岡手づくり村」で、
訪れたことがあります。
でも、ここで見た南部曲がり家は、
それとはまた、趣の異なるものでした。
古い物を古い物として見せるだけでなく、
それをどう活用していくか。
それを考えさせられたのが。
この「南部曲がり家 木村家」だったのです。
次回は、私たちを驚かせた、
「南部曲がり家 木村家」の中を、
ご紹介いたします。
(つづく)