コロナでも上州。週末にのんびり歩く群馬 1泊2日のおトク旅 5 - 南部曲がり家 木村家①(2020年11月13日/1日め)
2020年11月13日 「かやぶきの郷 薬師温泉 旅籠」で。「南部曲がり家 木村家」の内部です。屋内は薄暗いのですが、たくさんの行灯でライトアップされていて、柔らかな雰囲気を醸し出していました。(群馬県吾妻郡東吾妻町)
11月13日
群馬県の山の中にある、
「かやぶきの郷 薬師温泉 旅籠」
に来ています。
薬師温泉長屋門から入り、
蕎麦匠房まくらぎで食事し、
その後は、枕木街道を降りながら、
町人長屋
筒描きと時代箪笥回廊
招福七運鐘堂
日本一の大釜
を見て歩きました。
そしてたどりついたのが、
「南部曲がり家 木村家」です。
茅葺き屋根の厚さは、50㎝もあるそうです。
たくさんの行灯が取り付けられていて、柔らかい雰囲気です。
1階部分は広い座敷で、2階部分にも広いスペースがありそうです。
2階へと続く階段がありました。
2階から階下を見下ろしたところです。照明の美しいこと。^^
レトロなのにモダン。デザインがすばらしいです。
そして、1階にも2階にも、びっしりと並べられているものに、ご注目ください。
古い人形です。弁慶や鍾馗様が見えますね。
お面と凧。
こんな大きなものも…。両手で抱えるほどの大きさです。
今にも踊りだしそうな人形たち。
たくさんの玩具もありました。その手前には、「此方に展示している『日本の郷土玩具』は、埼玉県川口市の石田敏郎氏が約30年の歳月を経て集められた、貴重な『日本伝統郷土玩具』です。少しでも多くの方々がご覧になり、楽しんで戴けたらと、ご寄贈してくださった品々です。」と書いてありました。
そうなのです…。
この、曲がり家の中を、
所狭しと埋め尽くしている、
たくさんの人形や郷土玩具は、
すべて、収集しておられた方々からの、
寄贈品なのです。
それは、すごい量でした。
歩いても、歩いても、人形。
膨大な数の人形が、
ていねいに分類され、
そして美しく並べられていたのです。
(人形の横のパネルから)
「屋根から降りた人形たち」
古い土人形には「祈りの心」が宿っている、
と考えられてきました。
もともと、土人形というものは、
屋根の上の邪気を祓う鬼瓦や鍾馗様
福を招く恵比寿、大黒
などでした。
瓦でできた信仰対象の人形が変化して、
室内に取り込まれたのです。
つまり、人形のそもそもの出自は神様でした。
南部曲がり家の、
ほとんどの場所を埋め尽くしている、
古い人形と玩具。
それらはすべて寄贈品であるという事実が、
私たちを圧倒しました。
何十年もかけて、
これらを収集してこられた方々が、
日本各地にいらっしゃる…。
皆さんが愛してこられたものを、
ここへ寄贈することにした、
そのお気持ちを考えると、
ただ、感謝、でした。
よくぞここまで、集めてくださった。
よくぞこの場で、保存してくださった…。
日本の宝だ、と思いました。
(つづく)