ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 29 - アンコールワット② 西参道の撮影隊(2024年1月17日/6日め)
2024年1月17日 アンコールワットで。(カンボジア・シェムリアップ)
1月17日(日)- 6日め
西塔門に向かって、
長い長い西参道を歩いていたときに、
楽しい出会いがありました。
西参道で。後ろに見えているのは、西塔門です。
「写真を撮りませんか?
1枚1ドルです。」
と、ひとりの男性に声をかけられました。
観光客でごった返している、西参道。このときに話しかけてきたのは、いちばん手前に立っている男性です。
彼はカンボジア人。
カメラマンの相棒とふたりで、
写真を撮る仕事をしていました。
スマホやデジカメがあるから、
写真を撮るのには困りません。
けれど、ふたりいっしょの写真は、
誰かにお願いしないと撮れません。
いつもここで撮っている人たちなら、
フォトスポットを知っているだろうし、
1枚1ドルならいいかな、と思いました。
「ではお願いします。」
と答え、写真撮影がスタート。
まず初めに撮っていただいたのが、
上の写真です。
同じ場所で、今度はポートレート(縦型)。笑
そのあとは、もう撮るわ撮るわ…。爆
ほんの数枚のつもりだったのですが、
いろんなフォトスポットに連れていかれ、
大撮影会となりました。🤣
ナーガの写真を撮ると…、
こんな演技指導も入りました。🤣🤣
「見つめあってね。」と言われて…、
もうね、新婚旅行じゃないんですけどね。😅😅
でもこんな場所、自分では思いつかないので、お願いしてよかったです。^^
アンコールワットがお濠に映って、とてもいい構図になっていると思います。
私たちは、こういうトリック写真はあまり撮らないのですが、言われるがままにポーズを作ったらこうなってました。笑
夫もやれ、と言われて…。
アンコールワットまで来て、いったいなにやってんだか。😄
いろんなスポットに連れていかれて、
撮影会は延々と続いたのですが、
あまり時間をかけていると、
アンコールワットを歩く時間がなくなるので、
「そろそろこのへんで終わりにしましょう。」
と言いました。
すると、彼が言うことには…、
「写真、全部で43枚あるのですが。」
ええ、ええ。そうでしょうね。
あれだけ撮りまくったら、そうなりますよね。
MIYO、動じることなく、言いました。
「購入する写真を選びたいと思います。」
1枚1ドルですから、全部で43ドルです。
でもはじめから、全部買うとは言ってないし。😄
昔は、日本の観光地で、勝手に撮られた写真で
お皿なんかを作られたりして、
「あれ、お客さんが買わなくて、
ムダになったらもったいないな。」
とか、余計な心配をしていました。
でも、今はデジタルの時代。
不要な写真は消すだけです。
MIYO家が買わなければ、
その写真は削除され、ゴミにもなりません。
なので、余計な気兼ねをせず、
欲しいと思った写真だけを
購入するつもりでした。
でも、MIYOが言った
「写真を選びたい。」
という返事は、
彼らには予想外だったようです。
(普通はみなさん、全部買ってるのかな…?)
ここからは、意外な展開となりました。
「全部買ってもらえませんか?泣
まとめて25ドルでどうでしょう?」
と…。
なるほど。
せっかく撮ったのだから、
全部買ってほしいのか…。
それに、MIYOの顔を見て、
「この人は、写真を選んだあげく、
『10枚で10ドルね。』
とか言い出しかねない。」
…と思っていたのかもしれません。😅😅
このあとも、
いろいろとやりとりはあったのですが、
最終的に、「43枚で20ドル」となりました。
20ドルが高いか安いかは、人それぞれだと思いますが、私たちは、いい記念になったと思っています。^^
さて、交渉がまとまったところで、
「画像のデータをどうやって受け取るのかな。」
と思っていたら、
ここで、新たな人員が登場しました。
どこからともなくやってきたのは…、
50歳くらいの、フツーの女性です。その方に夫のスマホを渡すと、すごい手際でちゃっちゃと操作を始めました。画面表示は日本語なのに、全然迷うことなく、気がついたら、夫のスマホの中に、すべての画像が取り込まれていました。お見事!でした。
最後はみんなで記念撮影。左から、MIYO、デジタル担当、営業+企画担当、夫、そしてカメラマンです。
いちばん驚いたのは、
夫のスマホをすごい勢いで操作し、
データを保存してしまった女性でした。
見た目はフツーの*ばさんだったのに。笑
おそらく彼女は、その特技ゆえに、
撮影の商売をしている人々から重宝され、
ここアンコールワットで、
「なくてはならない存在」
になっているのだと思います。😄
20ドルをお支払いして、
彼らとお別れしました。
「いまどきは、カメラひとつあれば、
あんな商売が誰でもできるんだね。」
とふたりで感心しながら。
いい写真を、たくさん撮っていただきました。
さて、前回は、西塔門の手前まで書きました。その西塔門ですが、撮影隊の皆さんと歩いているうちに、あっけなく西塔門を通り過ぎてしまったので、このときには撮らず、帰り際にゆっくりと撮りました。これが西塔門です。
とりあえずここでは、14年前に取った写真を掲載します。西参道と、その先にある西塔門です。西塔門の中央部は、高さ20m。そして左右に、それぞれ100m続いている、横に長い門です。(2010年7月26日)
西塔門には、全部で5つの門があります。下の写真に写っているのは、中央部に並んだ3つ。そして左右の両端の部部に、1つずつ造られています。(2010年7月26日)
これは中央の門で、王様専用の門でした。高さは3mで、幅は1.6mです。(2010年7月26日)
これは、王様専用門の向かって左半分の部分です。西塔門が左方向に100m続いていて、門がふたつあります。中央部に近い方の門は従者用。そしていちばん左端にあるのは、象専用の門でした。高さ5mで幅2.4mと、王様専用門よりも大きくなっています。西塔門の向かって右半分も、これと同じ造りです。(2010年7月26日)
王様専用門には、石造りの屋根付き通路がついています。(2010年7月26日)
この専用門を入って、反対側へ出るまでのあいだに、王様は人間から神へ「生まれ変わる」とされていました。そのため、この門全体が、「子宮」を表しているとも言われています。(2010年7月26日)
この西塔門の中に入って歩いていると…、
大きなヴィシュヌ神の像が置かれている場所があります。(2010年7月26日)
【西塔門のヴィシュヌ神】
西塔門の南側には、高さ4mのヴィシュヌ神像が置かれています。9世紀に、ヒンドゥー教の寺院としてアンコールワットを建立したのはスールヤヴァルマン二世でしたが、彼は、ヴィシュヌ神を篤く信仰していました。アンコールワットそのものが、ヴィシュヌ神に捧げるための寺院だったとも言われています。
そのため、このヴィシュヌ神像は、元はアンコールワットの中央祠堂塔にありました。が、その後、アユタヤ朝との戦いに敗北したカンボジアに、タイから仏教が持ち込まれたことから、カンボジアではヒンドゥー教よりも仏教が信仰の対象となって行きます。そして16世紀、ソター王の時代に、仏像が中央祠堂塔にもちこまれたことにより、ヴィシュヌ神はこの西塔門に移設され、安置されました。
カンボジア人は、そのほとんどが敬虔な仏教徒ですが、ヒンドゥーの神であるヴィシュヌ神の像を壊したりせず、「自分たちの先祖の神様であった存在」として、現在も敬い、大切にしています。西塔門にあるこのヴィシュヌ神には、現在も多くの花や線香が供えられており、仏教だけでなくヒンドゥーの神にも敬意を払うカンボジアの人々の、心優しい宗教観を垣間見ることができます。
西塔門内には、仏像も置かれていました。
そして壁面には、美しいレリーフが残っています。(2010年7月26日)
これはデバター(壁面に彫られた女神)です。アプサラとも言います。(2010年7月26日)
アンコールワット内にもたくさんのデバター(アプサラ)がいますが、西塔門には、「歯をみせて笑うデバター」という、珍しいデバター(写真左)もいます。(2010年7月26日)
ただの門というだけではなく、西塔門は見どころがたくさんあるスポットでした。(2010年7月26日)
こうして西塔門を通り過ぎ、伽藍までの西参道を歩き続けました。
参道の両側には、いくつものナーガが残っています。
14年前の、同じ場所。(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)
このあたりには、大きな建造物も残っています。ここは、かつては経蔵だったのだそうです。
14年前。経蔵の前で。(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)
この経蔵の先に、
実は絶好の撮影スポットがあり、
世界中の人が、ここで写真を撮りたがります。
今回、私たちはそこに行かなかったので、
14年前に、その場所で撮った写真を掲載します。
池に映るアンコールワット。「逆さアンコールワット」と呼ばれています。
逆さアンコールワットといっしょに、記念写真。^^(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)
【逆さアンコールワット】
アンコールワットの有名なスポットです。アンコールワットの手前にある池は、もともと、伽藍に入る前に身を清めるための沐浴場でした。その水面にアンコールワットが逆さに映るように、建設当時から計算して造られているのだそうです。
西塔門を出て、さらに歩き続けました。
伽藍は、もう目の前です。
いまここ。😄
(つづく)