初秋の北海道へ。小樽からトムラウシまで、駆け抜けた6日間 3 - 占冠から、あこがれの「ル・ゴロワ」へ(2024年9月16日/1日め)
2024年9月16日 「ル・ゴロワ フラノ」で。(北海道富良野市)
9月16日(月)
レンタカー屋さんで車を借り、
富良野まで一気に走りました。
…の予定だったのですが、なにしろ運転手が、
あちこち寄らないと気がすまない多動夫。
気がついたら、車は、
占冠(シムカップ)に来ていました。
空港からホテルに、
そのまま直行すると思っていたのですが、
「チェックイン時間はまだ先だから、
ちょっと寄り道して行こう。」
と…。
たしかにそのとおりなので、
まあいいか、と、車を降りました。
夫に連れてこられたのは、「占冠村道の駅 自然体感しむかっぷ」というところでした。
空港から東へ、1時間くらい走ったところにあります。
入口を入ると、薪炭がたくさん並んでいました。「占冠の木炭10キロ入り」は、2300円だそうです。
「ここで木炭を買って、
みんなバーベキューをするの?🙄」
とか、夫はのんきなことを言っておりました。
いやいや、家庭で木炭が必要なくらい、
寒いってことですよね。😅
ここに来るまで知りませんでしたが、
占冠は、北海道の中でも、
「極寒の地」と言われているところ。
道の駅の隣りに設置されている、巨大温度計です。この日の気温は26.2度でしたが、2002年の冬には、-35.8度を記録したそうです。
穏やかな初秋の風景からは想像もつきませんが、ここで冬を過ごすのはタイヘンなことのようです…。
道の駅の中に、ヒグマのはく製が置いてありました。後ろに飾ってあった、ヒグマの親子の写真がかわいらしくて、見入りました。
道の駅では、茹でトウモロコシだとか、
北海道牛乳のジェラートだとか、
おいしそうなものが販売されていて、
いつもならどんどん買ってしまうのですが、
ここはぐっとガマンしました。
「12時を過ぎたら、なにも食べない。」
と、固く決心していたからです。
なにしろ、この日の夜には、
とあるお店で、待ち焦がれていたディナーを
予約してあります。
それを最高のコンディションで、
最高においしくいただくためには、
空腹であることがいちばん、と思っていました。
道の駅で売っていたポテチ。最近は、知床編だとか富良野編だとか、ポテチのご当地ものが増えました。
占冠を後にして、さらに1時間ほど、車を走らせました。
あらためて地図を見ると、周囲には、これまでに訪れた、札幌市、石狩市、月形町、砂川市、栗山町、長沼町、夕張市、苫小牧市、白老町、平取町…。ファーム富田や支笏洞爺国立公園まで見えます。それぞれの場所の楽しい思い出がどんどん浮かんできて、胸がいっぱいになりました。
北海道は、観光スポットだらけ。
10回も行ったので、もう思い出の宝庫です。
まるで、旅の宝石箱みたいだなあ…。笑
さて。新富良野プリンスホテルに到着しました。今日はこちらに泊まります。
いえ、このホテルが目的地ではありません。
私たちが、
東京からはるばる目指したレストランが、
この新富良野プリンスホテルの、
森の中にあるのです。
その名も、「ル・ゴロワ フラノ」。
【ル・ゴロワ フラノ(Le Gaulois Furano)】
脚本家・倉本聰氏が長年思い描いた、理想のレストランです。料理を手がけるのは、「北海道 食のサポーター」であり、東京・表参道で北海道食材にこだわったレストランとして名をはせた「ル・ゴロワ」のシェフ、大塚 健一氏です。
【シェフ 大塚 健一氏】
高校卒業後、軽井沢プリンスホテルに入社しました。12年間フレンチレストランの厨房で腕を磨いた後、複数の店舗でのシェフ経験を経て独立。1997年、ル・ゴロワを表参道にオープンし、客の絶えない人気店となりました(その後神宮前に移転)。接客を取り仕切るのは、夫人の大塚敬子さん。大塚シェフと知り合ったときは、同じお店のパティシエでいらっしゃったそうです。
2018年、富良野に移住し、「ル・ゴロワ フラノ」をオープン。以後、北海道を中心とした食材の、生産者との繋がりに徹底的にこだわり、素材の良さを生かしたル・ゴロワ流の「北海道フレンチ」を確立しました。その徹底したこだわりは、顧客だけでなく、行政からも評価を受けました。北海道から「食のサポーター」に任命され、農林水産省からは「料理マスターズ」を受賞しました。
新鮮な北海道食材にこだわった、「北海道フレンチ」のシェフとして知られているのですが、世界20か国で刊行されている歴史ある美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」では、イタリア料理のカテゴリで掲載されました。その理由は、お料理をいただいてみればわかります。^^
初めてこのレストランのことを知ったのは、
2023年2月に放送されたテレビ番組、
「富良野 シェフとマダムの物語 秋冬編」
でした。
【あらすじ】
「富良野 シェフとマダムの物語」
6年前、東京のフレンチの名店が惜しまれながら店をたたんだ。北海道の豊かな食材にほれ込んだシェフとマダムが富良野に移住し、地元の生産者と協力して、ここでしか食べられない魅力的な料理を提供したいと考えたのだ。採れたてのアスパラからトウモロコシ、カキやホタテの海産物からメロン、ハスカップまで、地元ならではの食材で作る唯一無二の料理。シェフとマダムの挑戦。雄大な自然と色鮮やかな料理を、美しい映像で描く。
「富良野 シェフとマダムの物語 秋冬編」
東京・神宮前のフレンチレストラン「ル・ゴロワ」。2018年、北海道・富良野に移住。野菜や果物、海産物、乳製品などの生産者を訪ね、共に新たなメニューを作り上げた。秋のスペシャリテは、地元の名人が獲った「鹿肉」。付け合わせは巨大なエシャレット、ジャガイモ、カリフラワー、原木シイタケなど。そしてイワシ、牡蠣など魚介類をメイン料理。どんな声がシェフに聞こえ、どんな新しいスペシャリテが生み出されるのか…。
たまたま録画していた「秋冬編」を見て、
「このお店で、ぜひ食べてみたい。」
と思いました。
そこで、北海道を訪れた時に電話してみました。
それがね…。
取れないんですよ、予約が…。😓
3か月先まで、予約でいっぱいなんです。
東京の人気店を畳んで、
北海道の森の中にレストランを開くなんて…。
と、はじめは驚きました。
そんなところまで食事に行く人が、
どれくらいいるものでしょうか。
経営していけるのだろうか、と思いましたが、
まったくの杞憂でした。
このお店の料理にほれ込んだ人たちが
連日訪れ、
「予約がとれないレストラン」
となっていたのです。
「旅行したときに行こう」
なんて考えたことが、そもそもあまかった、
と知り、いったんはあきらめました。
でもやっぱり、このお店のお料理、
食べてみたいんですよね…。
東京の人気店で、名だたるシェフだった方が、
北海道の新鮮な食材を活かして提供する、
最高の料理。
考えれば考えるほど、あきらめられません。
なのでその後、発想を転換しました。
つまり、
「旅行したときに行く」のではなく、
「まずはお店の予約を取り、
その予約日に合わせて、北海道へ行こう。」
と…。🤣🤣
もう、むちゃくちゃですよね。
ANAマイルを使って、
いつでもタダで北海道に行けるからこそ、
思いついた暴挙でした。
夫も私もヒマなシニアですから、
いつだって時間があります。
「そうとなったら、まずはゴロワの予約を取る。
何か月先であろうと、取れる日に取る。」
と決心して、
お店に電話したのは、今年の5月でした。
6月は、もちろんムリ。
そのうえ、お店のHPを見ると、
「7月と8月は、予約受付を終了」
と書いてあります。
だったら9月はどうだろう?
と考え、トライしたところ、
見事、9月16日を予約することができました!
電話に出たマダムから、
「ランチ(5300円)とディナー(15500円)の
どちらになさいますか?」
と訊かれ、一瞬迷いました。
ディナーをふたり分だと、30000円を越えます。
けしてお安くはありません。
でも、
「飛行機に乗ってまで、食べに行くんだもの。
あとで後悔しないよう、
ここは一発、はりこもう。」
と思い直し、丹田に力をこめて、
「ディナーをお願いします!!」
と言い放ったのでした…。🤣🤣🤣
それからの4か月。
楽しみなことと言ったらなかったです。笑
「あのゴロワに行けるんだ。」
と思うだけで、ワクワクしてきます。
4か月間もワクワクさせ続けてくれたのだから、
15500円でも、それ以上の値打がありました。^^
ル・ゴロワのサイトはこちらです。ちなみに、9月現在、11月までの予約受付は終了したそうです。
ル・ゴロワ フラノ | 新富良野プリンスホテル
さて、次はホテルです。
有名な観光地・富良野ですから、
泊まるところはいくらでもあるはず。
夫に、「どこがいい?」と訊くと、
「そのレストランなら、
おいしいワインも一緒に楽しみたいよね。
食事の後で運転して帰るとなったら、
お酒が飲めなくなるので、
同じ敷地内のプリンスホテルがいいかな。」
と…。
それもそうです。^^
「じゃあ、ゴロワでディナーの後は、
お隣りのプリンスホテルまで、
森の中を歩いて帰りますかね。^^」
ってことで、同じ敷地内にある、
新富良野プリンスホテルを予約しました。
ちょうど agoda で、
「JCBカードで支払うと6%引き」
という、キャンペーンをやっていたので、
それを利用して、
一泊20177円(ふたり分・食事なし)
になりました。
アゴダ価格で21230円でしたが、JCB割で1053円引きになり、20177円に。
「ル・ゴロワ」で食事するために、
飛行機に乗って、プリンスホテルに泊まる…。
という、すごいことになってきましたが、
ここは思い切って、
もう、冥途の土産ですよ。🤣🤣
新富良野プリンスホテルのロビーです。バブルの頃に建てられたと思われます。日本中で、巨大なリゾートホテルが建てられていた時代ですが、このホテルも、例外ではないようです。
チェックインの時間まで、
まだ30分くらいあります。
とりあえず、「ル・ゴロワ」の場所を
確認しておきたかったので、
ホテルの敷地内にある広大な庭園や森を
探索してみることにしました。
このホテル、とにかく広いです。笑 まずは、ホテルのすぐ前にある、「ドラマ館」に行ってみました。
「ドラマ館」です。昭和17年頃の「富良野駅」開業当時を再現しているそうで、どこか懐かしい外観です。
映画「駅 STATION」の大きなポスターがありました。1981年に制作された、北海道を舞台とした作品ですが、この映画の脚本も、倉本聰氏によるものでした。
ドラマ館では、脚本家・倉本聰氏が
富良野を舞台としたテレビドラマ3作品、
北の国から
優しい時間
風のガーデン
のオリジナル商品を販売しています。
「北の国から」ファンなら感動もの、
なのでしょうが、
私たちはそのドラマを見ていないので、
ただなんとなく、館内を見てきました。笑
次は、森の中を歩きます。案内パネルに「ル・ゴロワ フラノ」と書いてあったので、思わず記念撮影。🤣
右側に「ニングルテラス」を見ながら…、
樹々の間を歩きます。
めざすは、「ル・ゴロワ」。
この先をずっと歩いたところには、「風のガーデン」があります。ほんとうに広い。笑
「あったよ。ここだよ。」
ついに到着。
「ぜひ行ってみたい。」
と、夢見ていた「ル・ゴロワ」が、
今、目の前にありました。
うわぁ…。
ついに、ついに、
ここまで来ちゃったんだ…。
胸が、高鳴りました。
(つづく)