全盲難聴・のんたん - にはくりょこうの おみやげだよ③
2012年夏の中国・廈門旅行。車で数時間かけて、客家円楼を訪ねました。
(のんたんとあみちゃん 16歳の終わり)
わが子が全盲だというのに、
恥ずかしながら、母親である私は、点字が書けません。読めません。(汗)
いや。習ったことは、あるんです。
長男が小学生のときに。
点字と指文字を習う長男といっしょに、
担任の先生から教わりましたよ、私も。^^
そのころは、点字も指文字も、なんとか全部覚えられたのです。
長男との簡単な会話を、点字や指文字でかわすこともありました。
長男の発音がおぼつかないとき、
たとえば、「た」と「か」の区別ができないとき、
口で教えるよりも、指文字のほうが早いのです。
「『からこ』じゃなくて、『たらこ』。
『た』だよ。」
などと、指文字で教えると、
長男は、それを理解して、正確に発音することができました。
そんなふうに、断片的な指文字なら、今でも少しだけ、できます。
けれど、なにしろ、長男は「難聴」です。
補聴器をつければ、少しは聞こえます。
ゆっくり、はっきりと話せば、簡単な会話は可能です。
そうすると、日常の会話は、
長男の耳元で、ことばで伝えたほうが手っ取り早いのです。
なので、どうしても、日常の会話は、指文字ではなく、
話し言葉ですませるようになりました。
家で点字の勉強をしない長男。
教育熱心でない、母親。(汗)
そんなことを続けているうちに、
いけない、と思いながら、
点字も指文字も、すっかり忘れてしまいました。
とはいえ、今では離れて暮らす長男。
長男の耳元で話すことはできません。
電話での会話が難しい長男に、なにかを伝えたければ、
手紙しかありません。
点字なんか、すっかり忘れてしまっていたけれど、
でも、「おみやげ」の意味を理解した長男に、
すぐにお礼が言いたくなりました。
さびついた頭と、ホコリをかぶった点字タイプライターで、
やるしかないのです。
よしっ
と、自分に気合を入れて。
いやー
たいへんでした…。(笑)
打っては間違え、打っては間違え、やりなおしの連続です。
白かったはずの点字用紙は、あちこち汚れて、黒くなってしまったし。(笑)
そうしてできたのが、これ。(苦笑)
のんたん おみやげ
とどいたよ
チーズケーキ
おいしかった ありがとう
ありがとう
だいすきだよ
おかあさんより
生まれて初めて書いた、母から息子への手紙です。
長男、読んでくれるかなあ…。
カードを、封筒に入れて、ポストに投函しました。
長男のもとへ、とどけ~っ^^
(つづく)
その他の記録は、
のんたん日記18
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ガンになって
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MIYO'S WEBSITE(全盲難聴の、のんたんの育児記録)
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