MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは21歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。

のんたんの冬休み-32 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - ディン・ティエン・ホアン廟(3日目)

2017年12月26日 古都ホアルー。ディン・ティエン・ホアン廟で。(のんたんとあみちゃん 22歳)



ディン・ティエン・ホアン廟


初代皇帝のディン・ティエン・ホアンを祀った廟は、
ホアルーの中でも一番の見所です。


廟の入り口をくぐると、位牌が祀られており、
奥には、ディン・ティアン・ホアン帝の像や重臣の像も見ることができます。
建築物の細かい彫刻や装飾の美しさや繊細さから、
当時の皇帝の権力の大きさがうかがえます。


廟の門を入る、長男と私。足並みがぴったりとそろっています。^^

ティンさんといっしょに。


ホアルー観光はここまでです。
ようやく、今日一日のスケジュールが終わりました。
川下りから始まり、充実の一日でした。
あとは、車に乗って、ハノイへ戻るだけです。^^


(つづく)

のんたんの冬休み-31 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - ベトナム王朝発祥の地「ホアルー」(3日目)

2017年12月26日 古都ホアルー。東門の前で。(のんたんとあみちゃん 22歳)



チャンアン名物、ヤギ料理のランチを終え、
次の目的地、古都・ホアルーへと向かいました。


「チャンアンの景観複合体」に含まれる「古都ホアルー」
は、2014年に、世界遺産に登録されました。
ここは、せり立つ数々の岩山を自然の城塞とし、
豊かな自然と水に囲まれています。
自然と歴史、人々の生活が溶け込んだ、味わいのある場所です。



第21話でご説明したように、「古都ホアルー」は、
ベトナム初の独立王朝の都が置かれた歴史ある地です。
現在では、初代皇帝及び2代皇帝の廟がみられます。


ベトナム初の王朝が誕生した地「ホアルー」


ここでは、1010年にハノイへ遷都されるまでの、
約44年間という短い間でしたが、
法整備や軍事強化など、ベトナム国家の礎を築きあげられました。


中国の影響が色濃く残る風景


古都ホアルーは、唐(中国)の都、長安にならって設計されました。
また、長く中国の支配を受けていたこともあり、
その景観は、どことなく中国を彷彿とさせる雰囲気が漂っています。



初代皇帝ディン・ティエンホアン廟の入口となる門の苔むすさまは、
風情がありますね。^^



現在見られる「古都ホアルー」の遺構は、
17世紀に再建された初代皇帝ディン・ティエンホアン(Dinh Tien Hoan)と、
2代皇帝レー・ダイハイン(Le Dai Hanh)の霊廟です。
香が立ち込める霊廟内には、皇帝の座像が安置されています。
また、本堂の前には、通称「龍の庭」に刻まれたレリーフが、
今も残っています。



(つづく)

のんたんの冬休み-30 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - ティンさんのおねえさん(3日目)

2017年12月26日 チャンアン川下りを終えて。(のんたんとあみちゃん 22歳)



食べ物を残すのが苦手な私たちですが、
この日のランチは、あまりにもたくさん用意されていて、
がんばっても、がんばっても、食べきることはできませんでした。


「あー もう無理だ~。もう食べられない~。」
と話しているところへ、ティンさんがやってきました。
ティンさんもいっしょになって雑談をしているうちに、
自然と、ティンさんのおねえさんの話になりました。


「ぼくのおねえさんもね。同じです。」


そうだったのです。
ティンさんのおねえさんは、44歳。
ベトナム戦争時、米軍が散布した枯葉剤の影響で、
障害をもって生まれてきたそうです。
歩くことも話すこともできず、寝たきりのおねえさん。


「おねえさんは、夜になっても、寝ないよ。
 いつも、怒ってる。かわいそうだよ。」


今は、別のお姉さんがいっしょに住んで、
世話をしておられるのだそうです。
おねえさんの医療費は、一割だけを負担すればいいのだそうですが、
残された兄弟が、これからもずっと、介護も医療費も背負っていくというのは、
たいへんだろうな、と思いました。


私は、長男と私たち家族のことを説明しました。
「私たちは、普段は、いっしょに住んでいません。
 この子は、高校を卒業して、『訓練施設』に入りました。
 ふだんは、そこで生活しています。
 今月は、そこの冬休みで、家に帰ってきたので、
 こうしていっしょに旅行しています。」


「高校を卒業して」と言ったとき、
ティンさんは、一瞬、驚いた表情を見せました。
この国では、障害があって高校に進学する、ということが、
たやすいことではないのだ、ということが、うかがえました。


日本では、すべての障害児に、
学校で勉強する権利が保障されています。
義務教育のあとも、ほとんどの子どもたちが、
高校に進学し、卒業します。


長男もまた、国の制度に守られて、
高校を卒業しました。
その後の入所施設にも恵まれ、
医療費も無料です。


休暇には、家族と海外旅行をする、長男の姿が、
ティンさんのおねえさんの姿と重なりました。


ティンさんが、ぽつりと言いました。
「僕はね。うらやましいよ・・・。」


(つづく)

のんたんの冬休み-29 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - ランチは山羊料理(3日目)

2017年12月26日 ニンビンのレストランで。(のんたんとあみちゃん 22歳)



正午も過ぎた頃になって、
舟は、出発地点だったところに戻りました。
湖のように広い川をあちこち回り続けた、
「チャンアンの川下り」が、ようやく終わりました。


舟から降りるときに、夫が、漕ぎ手さんにチップを渡しました。
金額は、ティンさんに言われたとおり、500円分の、100000ドンです。
私たち4人を乗せて、2時間もの間、
一分の休憩すらもなく、漕ぎ続けてくれた、漕ぎ手さんです。
乗る前に、
「舟を漕ぐ人、たいへんです。
 チップをあげてください。」
と言ったティンさんのことばが、よくわかりました。


私たちを見送ってくれたときと同じ場所で、ティンさんが待っていました。
「どうでしたか?」
「楽しかったです~」
はい、ほんとうに、楽しかったです。^^


駐車場で待っていた車に乗って、レストランに向かいました。
お昼をかなり過ぎていたので、お腹が空いています。


「今日のおひるごはんは、山羊料理ですよ。
 山羊料理は、このへんの名物です。 」
と、ティンさん。


えっ ヤギなんて、食べたことがありません。
ちょっとたじろいでいると、
車が、道端の小さなテーブルのそばを通り過ぎました。
そのテーブルには、皮をはがれて横たわっている、2頭のヤギが・・・。
ひゃあ~ ヤギがまるごと、路上で販売されています。
どうやら、「山羊料理が名物」というのは、間違いないようでした。(笑)


ほどなく、レストランに到着しました。
一階は広間になっていて、
まるでデパートの大食堂のように、たくさんのテーブルが並んでいました。


てっきり、そこで食べるのだろう、と思っていたら、
「こっち、こっち」
とティンさんに手まねきされ、
階段をあがって、2階に。


さらに奥へとすすんだところにあったドアを入ると、
またまた、個室です。(爆笑)


「今日もね。『べつのへや』ですよ。^^」


テーブルには、すでに、たくさんのごちそうが並べられていました。
どうやら、またまた、ティンさんマジックで、
個室に入れていただいたようでした。(笑)。


料理の説明をしてくれる、ティンさん。


【メニュー】
 スープ2種
 豚肉料理
 ヤギ肉のスープ煮 ※ニンビン省の特産品
 卵料理
 川魚料理(この日は川エビでした)
 揚げ春巻き
 野菜炒め
 おこげ
 チャーハン
 デザート(パイナップル)



真ん中のスープ料理に、山羊の肉がはいっています。


右下にあるのは、おこげ。ご飯でつくったおせんべいみたいなものです。長男は、こういう、「サクサクもの」が大好き。手に持たせたら、いっきに食べてしまいました。(おかずもたべようね。)


食べても、食べても、お料理が出てきます。
すごい量でした。


(つづく)

のんたんの冬休み-28 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - おかあさん、つめきり(3日目)

2017年12月26日 チャンアンで川下り。後ろに見える船着場から出発します。(のんたんとあみちゃん 22歳)



川幅が広く、まるで湖のようなチャンアン川の川下り。
雄大な水墨画のような景色の中、
約2時間、ずううっと、鍾乳洞めぐりが続きましたが、
それも、ようやく終わりに近づいてきました。
ここでもうひとつ、ベトナム滞在中の思い出話を。


それは、ハロン湾で、
長男といっしょに船に乗っているときのことでした。
私と並んで座っていた長男が、ふいに、
「おかあさん、つめきり。」
と言ったのです。


ん? つめきり?


「のんたん、爪を切りたいの?」
と尋ねてみました。
「爪が伸びているから、切ってください。」
と言いたいのかな、と思ったのです。
すると、長男は、
「はいっ^^」
と答えました。


長男の爪を見てみました。
が、長男の爪は、見事なまでに、きれいに切ってありました。
S園で、きちんと指導していただいていることが、
これだけを見てもわかります、
さすが、S園です。


「のんたん、お爪は、別に、伸びてないよ。
 切らなくても大丈夫だよ。」


そう言ってみたのですが、長男は黙ったままです。
なんだか、長男の言いたいことを
わかってあげられていないような気がしました。
別に爪が伸びているわけでもないのに、
どうして長男は、いきなり、「爪を切りたい」などと言ったのでしょうか…。


「どうしたんだろうね。」


家族全員、理由がわからず、考え込みました。
そのときです。


「あっっっ^^」
母は、ようやく気がつきました。


長男は、私の隣りに座っているときには、必ず、私の手を触っています。
見えない長男にとっては、これが、「見る」ことなのです。
母を、見て、触って、そして、甘えているんですね。^^


このときも長男は、私の手を触っていました。
そして、おそらく、私の指に手が触れたとき、
「おかあさんの爪がすごく伸びてる。」
と気がついたのです。(爆笑)


わかりました。
長男の言いたいことが。(笑)


「のんたん、おかあさんのつめがのびてるって、言いたかったの?」
「はいっ^^」
「だから、おうちに帰ってから、
 おかあさんの爪を、切りたいと思ったの?」
「はいっ^^」


あーーーーー そうだったのかあ。
と、一同、納得。ウンウン
そして、大笑いしました。


はい。
私の爪は、ネイルサロンでケアしていただいていて、
かなり長いのです。
私の指に触ったとき、長男はそのことに気がついて、
「切らなくちゃ」
と思ったのでしょう。


いや~ すごいなあ。
家でいっしょに暮らしていた頃は、
自分から「爪を切る」なんて言いだしたことは、一度もありませんでした。
いつも、私が爪をチェックして、伸びていれば切ってあげていたのです。


でも、長男は、いつのまにか、
自分の爪どころか、私の爪に触って、
「伸びているから、切らなくちゃね。」
と言うようになっていました。


すごいです。こんなに成長するなんて。
S園のおかげだなあ、4年間で、着実に、成長しているなあ、
と、しみじみ思いました。


とはいえ、喜んでばかりもいられません。
長男に、きちんと説明しなくては。


「のんたん。おかあさんの爪、長いから、心配してくれたんだね。
 ありがとう。
 でもね。おかあさんの爪は、おしゃれなの。
 わざと長くしているの。
 だから、爪は、切らなくていいんだよ。」


「おしゃれ」なんて、見た目の問題ですから、
全盲の長男には、そんな単語は理解できません。
でも、そのときの長男は、私の言うことを、
なんとなく分かってくれたようでした。


長男は、私の言うことを、じっと聞いていました。
そして、なにか、納得したのでしょう。
その後、私の指を触っても、
二度と、「つめきり」と言うことはありませんでした。


ひとつひとつを説明し、母と子で、わかりあっていく。
それが、盲ろう児を育てるということです。
日ごろ、あまり話すことがない長男ですが、
たまに、その長男が、こんなふうに、
自分の考えを教えてくれることがあります。


「あー こんなこと、考えてたのかあ・・・」


長男の言いたいこと、伝えたいことがわかったとき。
それはもう、はしゃぎたくなるほど、うれしい瞬間です。


「のんたんが、**をやったね!」
「のんたんが、**って言ったね!」
ただそれだけのことで、家族のみんなで顔を見合わせて、笑ってしまう。
私たち家族は、そんなふうにして、
日常の小さなことがらを、
ひとつひとつ、宝物のように共有し、喜び合ってきました。


「おかあさん、つめきり」


旅行が終わって一ヶ月になろうとしているのに、
いまでも、この言葉を思い出すたび、うれしくなってしまいます。
旅の途中で長男がくれた、楽しい思い出のひとつです。^^


そのときのネイルです。
12月だったので、銀色のラメと小さな星を使って、クリスマスツリーを描いてもらいました。


この日は、全部で8つの鍾乳洞を探索したようですが、あまりにたくさん行き過ぎて、これがいくつめだったか、わからなくなりました。(笑)
鍾乳洞の中では、出口までの迷路のような水路を、延々と進みます。まるで、TDLの「カリブの海賊」そっくりなのですが、いや、真似したのは、TDLの方だと思います。^^


船着場が近づいてくると、急に、小舟が増えてきました。


ようやく、元の出発地点に戻ってきました。たくさんの舟がつながれています。


おつかれさまでした!^^


(つづく)