MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
http://limings.muragon.com/tag/?q=2019%E5%B9%B49%E6%9C%88-10%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0&p=4 
をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
https://limings.muragon.com/tag/?q=2017%E5%B9%B412%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0
小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 32 - アンコールワット⑤ 第一回廊(マハーバーラタ)(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワット・第一回廊西面南側で。「マハーバーラタ」の世界です。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


アンコールワット日記を連載中ですが、
ここで少しだけ、14年前の写真を。


プノンペンのシルバーパゴダです。どうしてこんな写真を掲載したかというと…。(2010年7月30日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)

お寺の中に、アンコールワットの絵を描いている人がいました。

アンコールワット・伽藍の全景です。この写真を、ブログにぜひ使いたくて…。笑

消しゴムマジックで人物を消しました。この絵を見ていただいたら、私たちの現在地がわかりやすいかと思います。

この回廊(西面北側)の中から外を眺めると、こんな景色が広がっています。左から、十字型テラス、西参道、ふたつの経蔵、そして聖なる池(逆さアンコールワットの池)です。


さて、前回は、第一回廊西面北側で、
ラーマーヤナの世界を見ました。
この回廊をさらに直進すると、
西面南側に入ります。
このエリアで描かれているのは、
「マハーバーラタ」の世界。



マハーバーラタは、ラーマーヤナと同じく、
古代インドの二大叙事詩のひとつ。
ヒンドゥー教の聖典でもあります。


そのマハーバーラタの一場面である、
「戦闘シーン」が、このエリアでの、
レリーフのテーマとなっています。
戦っているのは、
カウラヴァとパーンダヴァ
という、2つの王家(いとこ同士)。


神が味方する5人の王子(パーンダヴァ軍)と、
従兄弟100人(カウラヴァ軍)の兵士達が、
国王の座をめぐって争います。


向かって左側から進むパーンダヴァ軍。

対して右側からは、カウラヴァ軍が進撃します。

弓を射る兵士たちは、馬車に乗って…、

槍を抱えた兵士は、象に乗って進軍。

そして中央部分で、両軍が激突。

双方が入り乱れての、激しい死闘が描かれています。


このマハーバーラタに登場する、
5人の王子(パーンダヴァ)ですが、
実は、少し前のブログでも掲載しています。


プノンペンで訪れた国立博物館に、5人の王子(パーンダヴァ)の像がありました。
ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 15 - プノンペン国立博物館② 神鳥ガルーダの彫像(2024年1月15日/4日め)

端正な顔立ち。イケメンです。😄


このときは、なんとなく掲載しました。
像の美しい顔に魅かれて。笑
でも先日、長女と会って話していたら、
「おかあさん、パーンダヴァを見たんだね!
 いいなあ~~~~。😍😍」
と言うので、びっくりしました。


実は長女、数年前から、
マハーバーラタが大好きなのです。
パーンダヴァは、特にお気に入りなのだとか。
(なんじゃそりゃ。🙄)


「いいなあって言ってるけど、
 あなたも、中3のときに、
 あの博物館に行ってるんだよ。
 だからそのときに、
 パーンダヴァも見てるはずだけど。」
「そうなんだけどね…。」


もちろん、覚えているはずがありません。
私も夫も、博物館に行ったことすら、
忘れていたのですから。😂


そのときに、ライ王の像といっしょに写真を撮った長女。(2010年7月30日 14歳/中3)


中学生のときから、
ベトナムだのカンボジアだのインドだの、
親の勝手でさんざん連れまわしましたが、😅
そのせいなのでしょうか。
今では、長女、
「マハーバーラタ大好き💛」
になってしまいました。🤣🤣


「おかあさん、ブログに書いてたけど、
 ガネーシャって、ほんと、
 牙が1本折れてるんだね。
 おもしろいねえ。😄」
と、楽しそうに話す長女。
「牙が折れた由来の言い伝えは、
 4つあってね…。」
と、MIYOも話しだしたら止まりません。
牙が折れたガネーシャのお話はこちらです。
4年ぶりのタイ。バンコクを歩き続けた9日間 12 - チャチューンサオ③ ピンクガネーシャとネズミさんたち(2023年11月12日/5日め)


家族4人でアンコールワットを歩いた、あの日から14年。(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)


そのアンコールワットのレリーフを見て、
お互いの思いを語り合える、
今では、そんな母とムスメになりました。
いつかこんな日が来るとは、
想像もしていませんでしたが。


長女がこよなく愛するマハーバーラタですが、
物語に描かれているのは、戦いだけではなく、
友情、愛、信頼など、
人が生きるために大切にするべきことが
描かれており、カンボジアの人々に、
今も大切にされているそうです。


第一回廊西面南側は、マハーバーラタの世界。回廊の右側には、十字型テラスと、まっすぐに延びる西参道が見えました。


いまここ。😄


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 31 - アンコールワット④ 第一回廊(ラーマーヤナ)(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワット・第一回廊西面で。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


アンコールワットとは、
「お寺の町」という意味です。
幅約190m、長さ約600mもある巨大な寺院で、
東西約1.5km、南北約1.3kmの
環濠(お濠)に囲まれています。


中央伽藍は、
須弥山(しゅみせん)
(古代インドの世界観の中で、中心にそびえる聖なる山)
を具現しており、
周囲の尖塔はヒマラヤ連峰を表し、
そこへと続く真っ直ぐな参道は、
現世と天界を結ぶ虹であると言われています。
外側の環濠は大海を表しており、
その周囲には深い密林が広がっています。


伽藍は、外側から順に、第一回廊、第二回廊、第三回廊の、三重構造になっています。(画像をお借りしました)


なにしろたいへんな規模の寺院なので、
通常のツアーでは、
ガイドさんといっしょに伽藍内の一部を歩いて、
見学は終了となります。
それでも、1~2時間かかります。


けれど私たちにとって、今回は、
「2度めのアンコールワット」です。
「どうせなら今回は、
 みっつの回廊の全ルートを、
 くまなく歩いてみよう。」
と考えました。


覚えておいででしょうか。ベトナム・フエで、広大な王宮の中をくまなく歩いたことを…。
4年ぶりのベトナム。北部から中部へと歩いた18日間 60 - 王宮① 午門(2023年6月19日/6日め)


通常のツアーでは、時間の制約があり、
王宮内のごく一部しか見ることができません。
私たちの場合も、
2017年に初めて訪ねたときに見たのは、
ほんの一部でした。
けれど、2023年の旅では、
「せっかく自由な個人旅行で行くのだから、
 何時間かかろうと、
 内部を全部歩いてみたい。」
という一心で、全エリアを歩きとおしました。
そのときの日記は、
22回もの連載になってしまいましたが…。😅


今回の「アンコールワット」でも、
私たちは同じことを考えていました。
「せっかく自由な個人旅行で行くのだから、
 何時間かかろうと、
 内部を全部歩いてみたい。」

と…。


今度は、いったい何回の連載になることか。
考えるとちょっとオソロシイのですが、
今、ようやく伽藍の中に入り、
その第一歩を踏み出したことになります。
(入場券チェックポイントを入ってから、ここまでで、
 すでに1時間近くが経過しているんですけどね。😅)


まずは、伽藍のいちばん外側にある、
第一回廊から歩き始めました。


第一回廊西面の、
いちばん左端にある入り口から入ると、
回廊は、前方と右側の二方向に延びています。


これは、前方に延びている第一回廊北面。

壁画がずううっと向こうまで続いています。


このまま直進したくなるのですが、
ここは、第一回廊の中でも、
最後に造られた部分。
なのでここでは、まず右に曲がり、
第一回廊西面から見ていきます。


第一回廊では、東西南北4面の壁という壁に、
物語のレリーフが描かれています。
第一回廊が「劇場」と呼ばれる所以です。


まず、第一回廊西面に描かれているのは、
「ラーマーヤナ物語」です。
ラーマーヤナは、古代インドの神話で、
二大叙事詩のひとつ。


長い壁面にびっしりと描かれている、ラーマーヤナ。


ラーマーヤナは、ヒンドゥー教の神々の物語。
この第一回廊西面では、
「さらわれたシータ姫を取り戻すための戦い」
が、壁一面に、レリーフで描かれています。


戦っているのは、
「ラーマ王子と猿の軍団」
 VS
「魔王ラーバナが率いる悪魔軍団」
という2チーム。
まあ簡単に言うと、
「サルと悪魔の戦い」です。
(簡単過ぎますかね。😅)


つまり、
「ヒンドゥー教の神の化身・ラーマ王子が、
 魔王ラーバナという悪に挑む、
 大冒険物語~」
なのです。😄


…ということで、壁面には、上から下までびっしりと、「戦うサル軍団と悪魔軍団」が描かれています。

戦っている兵士を間近で見ると、サルの顔(猿軍団)とヒトの顔(悪魔軍団)であることがわかります。

ラッシュアワーの駅のホームみたいに、兵士たちがびっしりと描かれています。

写真の中央に近いところで戦っている、ふたりをご覧ください。

サルが、悪魔の顔に嚙みついて戦っています。すごい迫力です。

こちらにも、噛みついているサルがいます。ひとつひとつの顔が生き生きと描かれていて、すばらしい。^^

この中には、悪魔に噛みついているサル兵士が4人もいます。探してみてくださいね。笑

以下4枚、戦いのシーンが延々と続くので、興味のない方は飛ばしてください。😅

さて、少しわかりにくいのですが、右上に、ヒンドゥー教の神の化身・ラーマ王子がいます。(2010年7月26日)

拡大すると…、弓を持って戦っていました。😄(2010年7月26日)

これは、今回の旅で、夫が撮ったラーマ王子。

そして、ラーマ王子の下にいるのが、サル軍の大将、ハヌマーン。

宙を飛びながら戦っています。ハヌマーンはヒンドゥー教のサルの神様で、ラーマーヤナの中では、「ラーマ王子を助けた英雄」として描かれています。

対してこちらは、ラーマ王子の宿敵・魔王ラーバナ。10の顔と20本の腕を持つとされています。

馬車に乗っており、兵士を轢き殺しながら進んでいます。(2010年7月26日)


MIYOは、
ただぽ~っと見ていることが多いのですが、
あとから写真を見ると、
ラーマーヤナの主要登場人物のレリーフを、
全部撮ってありました。😮


撮ったのはこの人。これだけごちゃごちゃしているレリーフの中から、どうやって見つけた? 頭大丈夫か?😂😂


それに対して、
MIYOがいちばん心に残ったのは、
この場面でした。


戦死した仲間を抱きかかえ、その死を悲しんでいる、悪魔軍の兵士。


仲間の死を悼む気持ちには、
サルも悪魔も変わらないのだ、
と思いました。


第一回廊西面は、ラーマーヤナの世界で埋め尽くされていました。


ラーマーヤナのストーリーなんて、
全然知らなかったのですが、
長い壁面いっぱいに広がるレリーフの
その迫力に、圧倒されました。


いまここ。😄


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 30 - アンコールワット③ 第一回廊へ(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワット・西参道の経蔵で。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


西塔門をくぐって、
アンコールワットの境内に入りました。


ここまでをざっくり整理すると、まずは、5つの門を擁した西塔門をくぐり…、

修復された経蔵の前を通りました。

「逆さアンコールワット」を楽しめる池は、経蔵の少し先にあります。前回はここまででした。

池を通り過ぎて、さらに歩きます。夫の後ろに見えているのは、西塔門と経蔵です。

前方に階段が現れました。

この階段を上がった先にあるのが、伽藍です。

東南アジア最大の石造伽藍が、ここから始まります。階段の両脇には、シンハーが置かれています。

シンハーは、悪者が入らないための守り神で、ライオンの姿をしています。

階段を上がりきると、中央塔が間近に見えてきました。

中央の入り口まで続く十字型テラスには、手すりが設けられています。これは、ナーガ(ヘビの神)の胴体部分です。

手すりの先端の上に向いた部分が、ヘビの頭部。つまり、手すりは全部ヘビです。😅

このまま、伽藍の内部へと一気になだれ込みたいところです。というか、ほとんどの方はそうすると思います。

ところが、私たちはそうしませんでした。中央の入り口には入らず、ここで引き返して、いったん十字型テラスから降ります。

左に曲がり…、

この第一回廊・西面を右に見ながら直進。そして、左端にある出入り口から、19段の階段を上がって、中に入りました。


今回私たちは、
この北西の角から回廊を歩き始めようと
決めていました。
たいした理由はなかったのですが、
アンコールワットを訪れるにあたって、
「回廊の全エリアを歩く」
と決めていたので、どうせなら、
中央部から入るよりも端っこから入った方が
わかりやすいのではないか、という、
そんな単純な気持ちからでした。
(どうせ全部歩くのなら、どこから入っても、
 たいした違いはなかったんですけどね。笑)


まだ中に入っていないのですが、外壁の細かな細工を間近で見ることができ、既に感動しています。😄

第一回廊中央部の入口を、横から見たところです。

壁に、アプサラ(天女)がいました。

アプサラダンスを踊る天女たちです。

さて。


伽藍内部・第一回廊に入ります。


いまここ。😄


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 29 - アンコールワット② 西参道の撮影隊(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワットで。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


西塔門に向かって、
長い長い西参道を歩いていたときに、
楽しい出会いがありました。


西参道で。後ろに見えているのは、西塔門です。


「写真を撮りませんか?
 1枚1ドルです。」
と、ひとりの男性に声をかけられました。


観光客でごった返している、西参道。このときに話しかけてきたのは、いちばん手前に立っている男性です。


彼はカンボジア人。
カメラマンの相棒とふたりで、
写真を撮る仕事をしていました。


スマホやデジカメがあるから、
写真を撮るのには困りません。
けれど、ふたりいっしょの写真は、
誰かにお願いしないと撮れません。


いつもここで撮っている人たちなら、
フォトスポットを知っているだろうし、
1枚1ドルならいいかな、と思いました。


「ではお願いします。」
と答え、写真撮影がスタート。
まず初めに撮っていただいたのが、
上の写真です。


同じ場所で、今度はポートレート(縦型)。笑


そのあとは、もう撮るわ撮るわ…。爆
ほんの数枚のつもりだったのですが、
いろんなフォトスポットに連れていかれ、
大撮影会となりました。🤣


ナーガの写真を撮ると…、

こんな演技指導も入りました。🤣🤣

「見つめあってね。」と言われて…、

もうね、新婚旅行じゃないんですけどね。😅😅

でもこんな場所、自分では思いつかないので、お願いしてよかったです。^^

アンコールワットがお濠に映って、とてもいい構図になっていると思います。

私たちは、こういうトリック写真はあまり撮らないのですが、言われるがままにポーズを作ったらこうなってました。笑

夫もやれ、と言われて…。

アンコールワットまで来て、いったいなにやってんだか。😄


いろんなスポットに連れていかれて、
撮影会は延々と続いたのですが、
あまり時間をかけていると、
アンコールワットを歩く時間がなくなるので、
「そろそろこのへんで終わりにしましょう。」
と言いました。
すると、彼が言うことには…、


「写真、全部で43枚あるのですが。」


ええ、ええ。そうでしょうね。
あれだけ撮りまくったら、そうなりますよね。
MIYO、動じることなく、言いました。
「購入する写真を選びたいと思います。」


1枚1ドルですから、全部で43ドルです。
でもはじめから、全部買うとは言ってないし。😄


昔は、日本の観光地で、勝手に撮られた写真で
お皿なんかを作られたりして、
「あれ、お客さんが買わなくて、
 ムダになったらもったいないな。」
とか、余計な心配をしていました。


でも、今はデジタルの時代。
不要な写真は消すだけです。
MIYO家が買わなければ、
その写真は削除され、ゴミにもなりません。
なので、余計な気兼ねをせず、
欲しいと思った写真だけを
購入するつもりでした。


でも、MIYOが言った
「写真を選びたい。」
という返事は、
彼らには予想外だったようです。
(普通はみなさん、全部買ってるのかな…?)
ここからは、意外な展開となりました。


「全部買ってもらえませんか?泣
 まとめて25ドルでどうでしょう?」
と…。


なるほど。
せっかく撮ったのだから、
全部買ってほしいのか…。
それに、MIYOの顔を見て、
「この人は、写真を選んだあげく、
 『10枚で10ドルね。』
 とか言い出しかねない。」
…と思っていたのかもしれません。😅😅


このあとも、
いろいろとやりとりはあったのですが、
最終的に、「43枚で20ドル」となりました。


20ドルが高いか安いかは、人それぞれだと思いますが、私たちは、いい記念になったと思っています。^^


さて、交渉がまとまったところで、
「画像のデータをどうやって受け取るのかな。」
と思っていたら、
ここで、新たな人員が登場しました。
どこからともなくやってきたのは…、


50歳くらいの、フツーの女性です。その方に夫のスマホを渡すと、すごい手際でちゃっちゃと操作を始めました。画面表示は日本語なのに、全然迷うことなく、気がついたら、夫のスマホの中に、すべての画像が取り込まれていました。お見事!でした。

最後はみんなで記念撮影。左から、MIYO、デジタル担当、営業+企画担当、夫、そしてカメラマンです。


いちばん驚いたのは、
夫のスマホをすごい勢いで操作し、
データを保存してしまった女性でした。
見た目はフツーの*ばさんだったのに。笑


おそらく彼女は、その特技ゆえに、
撮影の商売をしている人々から重宝され、
ここアンコールワットで、
「なくてはならない存在」
になっているのだと思います。😄


20ドルをお支払いして、
彼らとお別れしました。
「いまどきは、カメラひとつあれば、
 あんな商売が誰でもできるんだね。」
とふたりで感心しながら。


いい写真を、たくさん撮っていただきました。

さて、前回は、西塔門の手前まで書きました。その西塔門ですが、撮影隊の皆さんと歩いているうちに、あっけなく西塔門を通り過ぎてしまったので、このときには撮らず、帰り際にゆっくりと撮りました。これが西塔門です。

とりあえずここでは、14年前に取った写真を掲載します。西参道と、その先にある西塔門です。西塔門の中央部は、高さ20m。そして左右に、それぞれ100m続いている、横に長い門です。(2010年7月26日)

西塔門には、全部で5つの門があります。下の写真に写っているのは、中央部に並んだ3つ。そして左右の両端の部部に、1つずつ造られています。(2010年7月26日)

これは中央の門で、王様専用の門でした。高さは3mで、幅は1.6mです。(2010年7月26日)

これは、王様専用門の向かって左半分の部分です。西塔門が左方向に100m続いていて、門がふたつあります。中央部に近い方の門は従者用。そしていちばん左端にあるのは、象専用の門でした。高さ5mで幅2.4mと、王様専用門よりも大きくなっています。西塔門の向かって右半分も、これと同じ造りです。(2010年7月26日)

王様専用門には、石造りの屋根付き通路がついています。(2010年7月26日)

この専用門を入って、反対側へ出るまでのあいだに、王様は人間から神へ「生まれ変わる」とされていました。そのため、この門全体が、「子宮」を表しているとも言われています。(2010年7月26日)

この西塔門の中に入って歩いていると…、

大きなヴィシュヌ神の像が置かれている場所があります。(2010年7月26日)


【西塔門のヴィシュヌ神】
西塔門の南側には、高さ4mのヴィシュヌ神像が置かれています。9世紀に、ヒンドゥー教の寺院としてアンコールワットを建立したのはスールヤヴァルマン二世でしたが、彼は、ヴィシュヌ神を篤く信仰していました。アンコールワットそのものが、ヴィシュヌ神に捧げるための寺院だったとも言われています。
そのため、このヴィシュヌ神像は、元はアンコールワットの中央祠堂塔にありました。が、その後、アユタヤ朝との戦いに敗北したカンボジアに、タイから仏教が持ち込まれたことから、カンボジアではヒンドゥー教よりも仏教が信仰の対象となって行きます。そして16世紀、ソター王の時代に、仏像が中央祠堂塔にもちこまれたことにより、ヴィシュヌ神はこの西塔門に移設され、安置されました。
カンボジア人は、そのほとんどが敬虔な仏教徒ですが、ヒンドゥーの神であるヴィシュヌ神の像を壊したりせず、「自分たちの先祖の神様であった存在」として、現在も敬い、大切にしています。西塔門にあるこのヴィシュヌ神には、現在も多くの花や線香が供えられており、仏教だけでなくヒンドゥーの神にも敬意を払うカンボジアの人々の、心優しい宗教観を垣間見ることができます。


西塔門内には、仏像も置かれていました。

そして壁面には、美しいレリーフが残っています。(2010年7月26日)

これはデバター(壁面に彫られた女神)です。アプサラとも言います。(2010年7月26日)

アンコールワット内にもたくさんのデバター(アプサラ)がいますが、西塔門には、「歯をみせて笑うデバター」という、珍しいデバター(写真左)もいます。(2010年7月26日)

ただの門というだけではなく、西塔門は見どころがたくさんあるスポットでした。(2010年7月26日)

こうして西塔門を通り過ぎ、伽藍までの西参道を歩き続けました。

参道の両側には、いくつものナーガが残っています。

14年前の、同じ場所。(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)

このあたりには、大きな建造物も残っています。ここは、かつては経蔵だったのだそうです。

14年前。経蔵の前で。(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)


この経蔵の先に、
実は絶好の撮影スポットがあり、
世界中の人が、ここで写真を撮りたがります。
今回、私たちはそこに行かなかったので、
14年前に、その場所で撮った写真を掲載します。


池に映るアンコールワット。「逆さアンコールワット」と呼ばれています。

逆さアンコールワットといっしょに、記念写真。^^(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)


【逆さアンコールワット】
アンコールワットの有名なスポットです。アンコールワットの手前にある池は、もともと、伽藍に入る前に身を清めるための沐浴場でした。その水面にアンコールワットが逆さに映るように、建設当時から計算して造られているのだそうです。


西塔門を出て、さらに歩き続けました。
伽藍は、もう目の前です。


いまここ。😄


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 28 - アンコールワット① 西参道から西塔門へ(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワット・西参道で。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


今回の旅でアンコールワットに行くにあたって、
タクシーという選択肢ははじめからなく、
当然のように、トゥクトゥクを
利用するつもりでした。
(安いですから。笑)


まずは Grab でトゥクトゥクを呼ぼうと、
アプリを開いたのですが、目的地の候補欄には、
「アンコールワット」という名の行き先が
3つもあります。
どれにすればいいかわからなかったので、
ホテルのフロントで聞いてみました。
すると…。


「アンコールワットまで行くのなら、
 ホテルでトゥクトゥクを手配できますよ。
 料金は、1日貸し切りで20ドルです。」
とのこと。


ワンウェイで遺跡に出かけた場合、
帰りのトゥクトゥクが見つからない場合もある。
…と、そういえばなにかに書いてありました。
帰りの便を考えると、たしかに、
1日貸し切りにした方がいいかも。


念のため、Grab で、
片道だけを手配した場合の料金を調べて、
「1日貸し切りで20ドル」というのが、
法外に高いわけでもないことを確認。


「OK。それではお願いします。」
と答え、料金をクレカで支払いました。
手持ちの現金が少ないので、
クレカで払えるのは助かります。^^


注:このときは、「20ドルにはホテルのマージンが入っているので、路上でトゥクトゥクを交渉すればもっと安いのだろうな。」と思っていました。でも、時間のロスや手間を考えたうえで、20ドルでOKとしました。しかし帰国後、たまたま、カンボジア関連のテレビ番組を見ていたら、「シェムリアップでトゥクトゥクを一日チャーターしたら、料金は30ドル」と紹介されていて、びっくり。5つ星ホテルでの手配だったにもかかわらず、かなり良心的な価格だったようです。


さて、支払いを終えたときには、すでに、
ホテルから手配されたドライバーさんが、
私たちの後ろで待っていました。


ホテルでいつも待機しているトゥクトゥクだからなのか、街で走っているトゥクトゥクよりもきれいです。座席だけでなく、背当てやひじ掛けにもブルーのカバーがかけられていました。


ドライバーさんから、
「どこに行きたいですか?」
と訊かれたので、
「ええっと…。
 アンコールワットとアンコールトム。」
と答えました。
どちらかひとつにしてくれ、
と言われるかと思ったら、ドライバーさんは、
「それから?」
と…。🤣


えっ もっと行ってくれるの?
と思いながら、
「タプローム…。」
と遠慮がちに言うと、
「オーケイ!!」🤣


うわ~、みっつも行ってくれるんだ。
さすが貸し切り…と感心していたら、
トゥクトゥクが動き始めました。


しゅっぱあ~つ!


トゥクトゥクが、風をきって走ります。最高に楽しい。😄


途中で、
「チケットは持ってますか?」
と訊かれたので、
「ないです。」
と答えると…。


ドライバーさんがまず連れて行ってくれたのは、こちら。「アンコール遺跡群チケット販売所」です。

この販売所で、「アンコールパス」を購入します。


【アンコールパス】
アンコールワットをはじめとするカンボジアの遺跡を観光するためには、「アンコールパス」と呼ばれる入場券を購入する必要があります。「アンコールパス」とは、アンコール・ワットを含めたシェムリアップ周辺の遺跡群を見学するための入場券です。シェムリアップ周辺のほとんどの遺跡が、「アンコールパス」の対象になっています。パスには、1日券、3日券、7日券があり、期間内であれば、対象となっている遺跡を何度でも観光することができます。入場回数に制限はありません。

なお、遺跡ではパスを販売していないので、事前に必ず、アンコールパスを購入しておく必要があります。


販売所の中に入ると、30個以上のカウンターが並んでいて、どこも人だかりができていました。とはいえ、それほど待つこともなく、すんなりと購入できました。


私たちが購入したのは、1日券(37ドル)です。
遺跡めぐりは3日間続くのですが、
1日分しか購入しなかったのには、
理由があります。


MIYOは事前になにも調べていないので、
わけがわかりませんでしたが、🤣
とりあえずここでは、
旅のスケジュールを作った夫の言葉に従って、
1日券を購入しました。


カウンターで代金を支払うと、その場で写真を撮られ、完成したアンコールパスを受け取りました。

こちらは、14年前に購入した、家族4人のアンコールパスです。このときは、3日券(当時は40ドルでした。現在は62ドルです。)を購入しています。よく覚えていないのですが、遺跡群に行く途中、ワゴン車の中で写真を撮ったような記憶があります。その後、ガイドさんが販売所に行って、4人分のパスをまとめて作成してくださったようです。(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3


パスを購入するところで
30分くらいのロスがありましたが、
朝8時半にホテルを出発して、
45分後の9時15分、
ようやく、アンコールワットの入口に到着。
ドライバーさんとは、ここでお別れです。


係員にパスを見せて入場しましたが、広い公園のようなところに、舗装された道路があるだけ。


み「アンコールワットはどこなの?」
夫「あそこだよ。」


…と、夫が指さす方を見ると、たしかに、道路のずっと奥に、アンコールワットらしきものが見えます。つまりここは、アンコールワットへと続く参道ということになります。しかし遠い…。笑

とりあえず、遺跡をめざして歩きました。アンコールワットまでの距離は、約300メートルです。

参道の脇に、いくつものナーガ(ヘビの神)が見えてきました。

これがナーガです。7匹のヘビの頭がつながっています。

やがて、参道の両側が湖のようになります。これは、アンコールワットの周囲に広がっている「お濠」です。

アンコールワットの広さは、東京ドーム15個分。その周囲は、環濠と言われる「お濠」で囲まれています。お濠の幅は、約190m。(画像をお借りしました)

アンコール遺跡のほとんどの寺院は東向きなのですが、なぜかアンコールワットは、正面が西側に向いています。したがって参拝者は、西側正面の参道から寺院に足を踏み入れることになります。それが、今歩いている、「西参道」です。お濠の向こうには建造物が見えていますが、これは西塔門です。


【西向きのアンコールワット】
建造時、アンコールワットでは、ヴィシュヌ神が祀られていました。ヴィシュヌ神は太陽の神なので、「太陽がヴィシュヌ神の背後から昇るように」と考えて西向きに造った、という説が有力です。


この西参道は、かつて上智大学が、何年もかけて修復に尽力したエリアなので、「上智大学修復ゾーン」と言われています。歩いていると、地面におもしろいものを見つけました。

石が、人の足の形に削られています。古の職人がいたずらしたのでしょうか。笑 石には、ところどころに丸い穴があいています。これは、アンコールワットを建造する際、石を運ぶために開けた穴です。


穴に木の棒を突っ込み、水をかけて、
木の棒を膨らませると、
棒が石から抜けなくなります。
その棒に縄をつけて、
石を運んだのだそうです。


この丸い穴、アンコールワットを歩いていると、
あちこちで見つけることができます。
昔の人々の知恵だったのですね。^^


西参道をさらに歩き続けると、両側をお濠に囲まれたエリアが終わり、目の前に石の建造物が広がります。左右にどん!と延びる巨大な門。これが「西塔門 (West Pylon)」です。

これは、14年前に、お濠の手前で撮った写真です。お濠の奥には、茶色い西参道が延びていて、その先にある、横長の塀のような建造物が、西塔門です。(2010年7月26日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)

これも西参道です。両側にお濠があり、奥に西塔門が見えます。

その同じ場所にいる、現在の私たち。🤣


入場券チェックポイントから入場し、
両側にお濠を見ながら西参道を直進して、
西塔門の前まで来ました。


次回は、西塔門からさらに、
アンコールワットの伽藍へと歩いていきます。


いまここ。😄(現在地は、西塔門の前です。地図の画像は、「クロマーマガジン」からお借りしました。)


(つづく)