MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは21歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。

我が子の障害を受容する - 「オランダへようこそ」を読んで思ったこと

スーパーのおもちゃ売り場で。おもちゃに耳をくっつけて、音を聞いています。
(全盲難聴・のんたん 7歳。)



以前、ある方のブログに、
「障害児の親がいちばん言われたくないことは、
『障害児は親を選んで生まれてくる』
 ということばだ。」
と書いてありました。


私も、この言葉がいやでした。
でも、それを、大きな声で言う勇気がなかった(苦笑)。
今のおかあさんたちは、明るくて強いなあ、と思いました。


私の長男は、今、21歳ですが、
子どもたちがまだ小さかったころに書いたものを
思い出しました。
16年も前に書いた物で、恐縮ですが、
読んでいただければうれしいです。
以下に、転載いたします。



オランダへようこそ


 まずは、エミリー・パール・キングスリーの文をお読みください。


「私は、障害のある子を育てるということについてよく聞かれますが、障害に全く縁のない人や理解したいと思っている人々に、次のようなたとえ話をしています。
  あなたに赤ちゃんができたときをたとえて言えば、それは、優雅なイタリア旅行を計画しているようなものです。いろんなガイドブックを買い、楽しいプランをたてます。コロシアム、ミケランジェロ、ベニスのゴンドラ…。簡単なイタリア語を学んだりもして、指折り数えて、このイタリア旅行をとても楽しみにすることでしょう。そして待ちに待った旅行の日が来ました。荷物を詰め込んで出発し、飛行機での長い退屈な時間も過ぎて、さあ、いよいよ着陸です。ところが、スチュワーデスが来て、こう言うのです。
『ようこそオランダへ!』
『えっ、オランダ? どういうことですか? イタリアに来ているはずなのに! ずっとイタリアに来ることを夢みていたのに』と、あなたは言うでしょう。
  しかし、イタリア旅行は変更となって、オランダに来たのです。飛行機がオランダに着陸したのだから、ここで降りなければなりません。ここで大切なことは、どこか汚なくて伝染病などのあるひどいところに着いたのではなく、単に場所が違っただけなのだということです。
  ですから、オランダに着いたからには、そこで降りてオランダのガイドブックを新しく買えばいいのです。また新しい言葉を覚えなければなりません。そして今まで会うことのなかった人々と関わることになるでしょう。単に、違う場所に来ただけなのです。たしかにイタリアより遅れていて、華やかではないかもしれませんが。
  しかし、しばらく住んでみていろんな事に慣れ、自分の周りを見る余裕ができると、様々なことに気がつき始めます。オランダにはあちこちに風車があり、きれいなチューリップが咲きみだれ、レンブラントというすばらしい画家もいます。「オランダ旅行だってそう悪くない」とあなたが思うこともあるでしょう。
  それでもときには、あなたの知っている周りの人たちがイタリア旅行に行って、いかに素敵なところだったかを自慢げに話したりすると、あなたも「私だってそこへ行くはずだったんです。」と言いたくなるかもしれません。
  この痛みは一生消えることはないでしょう。なぜなら、夢を失った悲しみはとても深いからです。しかし、もしあなたがイタリアに行けなかったことをいつまでも嘆き悲しんでいたら、一生悲しみから解放されることはありません。そして、オランダという国の、あのすばらしさを知ることもまた、できないでしょう。」  
エミリー・パール・キングスリー・1987年



  エドナ・マシミラの「天国の特別な子ども」はあまりにも有名なので、お読みになった方も多いかと思います。私も、子どもたちがゼロ歳の頃に読み、感動しました。「すばらしい両親のところに、障害児は生まれてくる」という文章です。
  ですが、なにか違和感も残りました。それは、「神様の特別な任務を引き受けられるような、すばらしい両親のところにだけ、障害児は生まれてくるのだろうか。自分はそんなすばらしい親だろうか」という疑問です。その疑問を肯定するには、私はあまりにも未熟な新米母親でした。
  けれど、それから四年が過ぎても、やはり思うのです。「すばらしい親を選んで、障害児が生まれてくるのではない。障害児は、誰のところにも生まれてくる可能性があるのだ。そして、どんな親になるかは、その人の問題でしかない。」と。
  そんな私が心から共感したのが、ご紹介した文章です。キングスリーは、障害児を育てることに関して述べていますが、この文は、障害を持っていなくても、NICUに入院したような子どもの親にも語りかけているものがあると思います。なぜなら、これらの親には、共通している思いがあるからです。それは、「みんなのような出産ができなかった。みんなのような子育てができなかった。」という、寂しさや悲しさです。
  私も、四年前に築地産院で双子の兄妹、黎明(のぞみ)と亜美花(あみか)を出産しました。超未熟児として生まれ、かろうじて命をとりとめましたが、黎明は、全盲・難聴の重複障害児で、亜美花は慢性肺疾患児となりました。子どもたちが生まれた日の悲しみは、今でも忘れることはできません。
  けれど、みんなと同じ経験ができなかったということが、それから先の不幸をも決定づけるのかというと、そうではないと思います。みんなと違った経験には、その経験にしかない喜びも幸せもあります。子どもたちとの日々を重ねるごとに、誕生が他の人たちと違っていたことなどたいしたことではないのだ、と思えるようになります。みんなと同じでないことが不幸なのではなく、そのことに自分がこだわりつづけることが、不幸なのです。
  最近、そのことを実感するできごとがありました。
  この秋、子どもたちが通っている保育園で運動会がありました。それがとても楽しかったので、「はじめての運動会」という文章にし、我が家のホームページに掲載しました。そのとき、不意にある人のことを思い出したのです。
  彼女のお子さんも障害児でした。そして二年前、やはり保育園の運動会に参加したのです。当日参加した父母の多くが、そのお子さんの一生懸命なようすに感動しました。ところが後日、そのお母さんは、「我が子がみんなの前でさらし者になっているのは、見ていて苦痛でした」と保母さんに語ったそうです。
  そのことを思い出し、もういちど自分の書いた「はじめての運動会」を読み返してみると、そこには、「長男に障害があるゆえにできないこと」がいっぱい書いてありました。「みんなといっしょに踊れない、体操ができない、衣装が着られない…」などなど。けれど、全体にあふれているのは、みんなと運動会に参加できたことへの喜びです。前述のお母さんも私も、同じ立場にいながら、彼女は苦痛を感じ、そして私はうれしさでいっぱいだったのです。事実は同じはずなのに。
  彼女のことを思い出したとき、キングスリーの文章が本当に理解できたように思いました。
  人生は、こんなはずじゃなかった、と思うことでいっぱいです。不幸に生きて行くのは簡単です。けれど、そこからはなにも生まれてきません。同じ事実を目のあたりにしながら、片方は苦痛を感じ、もう片方は喜びを感じているとしたら、やはり、自分の幸せを決定する鍵を持っているのは自分なのでしょう。事実はひとつなのに、自分がこだわっているがために幸せになれないのは、つまらないことだと思いませんか。
  さらに、キングスリーは文の中で、「この痛みは一生消えることはないでしょう。」とも語っています。私の胸に残った痛みも、やはり今だに消えてはいません。子どもたちが生まれてからの一年間を語るのは、今でもつらいことです。けれど、それと同時に彼女は、旅行先がイタリアからオランダに変わっただけのことで、旅行は旅行なのだから、楽しいことはたくさんあるはず…とも、語りかけてくれています。誰が幸せなのか、ではなく、誰にでもどこにでも幸せはあるということではないでしょうか。そんな気持ちを子育ての中にも見出すことができれば、超未熟児や障害児を育てながらも幸せに生きていくことは、それほど難しいことではないように思います。
  そもそも、幸せとはなんでしょうか。実は私たちはそんな大きな命題を、子どもからもらったのかもしれません。今まで自分が幸せだと思い込んでいたものが、本当に幸せなのか、自分にとっての真の幸せとはなんなのか、それを私が考えることができたのは、子どもたちのおかげでした。そしてそれをきっかけに、今では自分の人生に大きな安らぎを得たように思います。
  今現在、NICUで赤ちゃんを見守り続けている方、障害のあるお子さんを育てることになった方、そんなおとうさん、おかあさんたちに、心からのエールを送ります。つらいことがあっても、生きていれば、いつかそれを楽しいことへと変えていく力があなたにもきっとあるのだから。
  新しい年が、あなたにとって喜びの多い年となりますように。


(2000年1月1日)
*都立墨東病院周産期センター・育自(児)サポートネットワーク機関誌「おたまじゃくし」2001年1月号に掲載されたものです。
*Our Story 9.オランダへようこそ(2000年1月1日)
 http://limings.sweet.coocan.jp/ourstory/ourstory09.html
から転載しました。




子どもたちが生まれてからの家族のようすは、
Our Story
http://limings.sweet.coocan.jp/ourstory/ourstory00.html
でご紹介しています。


ガンになって
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ガンになって、職場復帰④ - 銀座 ZURRIOLA でお祝いランチ

ほっぺをふくらませたおとうさんの顔をさわり、自分の顔で再現してみた、のんたんです。
(全盲難聴・のんたん 7歳。)



銀座 ZURRIOLA(スリオラ)


職場復帰して、初めての週末です。
今日は、復帰のお祝いランチ。
夫といっしょに、
銀座にあるスペイン料理の名店、ZURRIOLA(スリオラ)に行ってみました。
食べログでは、
「銀座・交詢ビルの4階にある、二ツ星獲得の実力派スペイン料理レストラン。
 スペインを中心に海外で9年間修行し、
 東京のガストロノミーの最高峰のひとつ「日本料理 龍吟」と
 世界的に有名なスペイン料理の「レストラン サンパウ」東京店の
 スーシェフを勤めた本多シェフのお店」
と紹介されています。


美味しい物を食べに行くときは、糖質制限はひとまず忘れて、
お料理を楽しむことにしています。^^
今日食べたメニューをご紹介します。


アミューズ
白い方は、お米の粉で作ったスナックのようなもの。
茶色い方は、「おっとっと」のようなものの中に、
トマトのスープがはいっていました。


タパス
鱈のフリットを、サラダ菜で巻いて食べます。


スープ
白いアスパラと緑のソースの下には、フォアグラが敷かれていました。


子豚のグリルとロールキャベツ
表面の皮がカリカリに焼いてあって、香ばしい一品です。


デザート1


デザート2
自家製のショコラ


スペイン料理というと、パエリヤやアヒージョが定番ですが、
このお店で供されるのは、
バスク料理を学んだシェフの、「モダンスパニッシュ」。
一般のスペイン料理とは一線を画しています。


おいしくいただいたのですが、
お酒がけっこうお高かったので(笑)、ここでは飲まず、
「二次会」と称して、このあと、
キラリト銀座地下にある、「俺のイタリアン」に行きました。


俺のイタリアン 東京本店


仔牛と生ハムのサルティンバンコ
見かけはイマイチですが、美味しかったです!
一皿をふたりで食べて、十分満足できる量で、
お値段は1000円くらい。
私たちにとっては、スリオラよりもこっちの方が性に合ってる感じです。^^


デザート


これに、シチリアワインを一本あけて、
お腹いっぱい、機嫌良く帰ってきました。^^


体調も良く、ようやく、以前のように、
ひとり分のフルコースが食べられるようになりました。
銀座を少しだけ散歩して、楽しい週末になりました。



「ガンになって」シリーズを、
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ガンになって、職場復帰③と糖質制限 - 今日のお弁当です。

お父さんのおひざで。口を膨らませた顔をさわって、大喜び。
(全盲難聴・のんたん 7歳。)



職場復帰と糖質制限


復帰4日め。
ようやく、一日の大半を会社で過ごす生活に、
慣れてきました。^^


復職しても、糖質制限は続けています。
今日の昼食は、お弁当を持って行ってみました。



【お弁当の内容】
・サンドイッチ(卵、ハム+野菜、ハムかつ):炭水化物 33.5g
 (スーパーで買ったものです。)
・筑前煮(昨日の夕食の残り):糖質 約10g
・生協のおさかなソーセージ:糖質 11g
・麦入りご飯(スプーン2杯程度):糖質 約10g
 お弁当箱の中には、ほんの少しのごはん。
 残りのスペースは、すべて、筑前煮です。^^  



【間食】
・ソイジョイクリスピー ホワイトマカダミア:糖質5.9g
 低GI食品
 ソイジョイの新製品です。甘さを抑えていて食べやすいです。
 それなりに食べ応えがあるのに、
 糖質・わずか5.9gというのが、すばらしい。^^


昼食と間食の糖質は、合計70.4gです。
一日の総摂取量40g(努力目標値)からはほど遠いですが、
それなりにがんばった数字かな、と思っています。


ちなみに、朝食は、低糖質ロールパンとコーヒー。
夕食は、八宝菜と焼き魚、サラダでした。
全部で、今日一日の糖質は、120gくらいでしょうか。
コンビニの、焼き肉弁当一食分くらいだと思います。


無理は続かないので、できる範囲で、
これからも糖質制限を続けていこうと思っています。



「ガンになってやったこと」シリーズを、
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ガンになって
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ガンになって、職場復帰 ② - ゆる~いスタートに、自分をとりもどす。

「吹けば鳴るよ」ということを、のんたんにうまく伝えることができませんでした。でも、たまたま、口をあてていたハーモニカから音が出ました。その瞬間、思わずにっこり。うれしそうなのんたんです。
(全盲難聴・のんたん 7歳。)



ゆる~いスタート


復職して、3日めです。
「使い物にならない」ことを、周囲もわかっているのか(笑)、
二日間は、ひとつも、仕事が来ませんでした。(汗)


ブランク中に無効になった、社員パスワードの再設定とか、
山のように届いていたメールの整理とか、
雑多な用事はあるのですが、


仕事がない…


のです。(恥ずかしくて、大きな文字で書けません。笑)


専門職なので、ルーチンワークがなく、
当分は、この状態かも?・・・と思っていたら、
ようやく、三日目の今日になって、
「お仕事、お願いしていいでしょうか?」
と、エンジニアのひとりがやってきてくれました。
「もちろんです!」
と、思わず、言ってしまいました。^^


復職三日めにして、ほんの少しのお仕事が。
ゆる~いスタートです。^^


三日もリハビリさせてもらって、ありがたいなあ…
と思いながら、とりあえずは、
産業医面談に出かけたときの交通費請求手続きとか、
傷病手当金請求のための書類作成とか、
そんなことをやっています。


とはいえ、
「快気祝いをやろう。」「お祝いにおごるよ。」
なんて声は、次々といただき、
宴会の予定だけは、ふたつも決まってしまいました。(笑)


休職中は、
「あとどれくらい生きられるのかわからないのに、
 一日8時間も仕事に時間を使いたくない。」
なんて考えていました。
だから、仕事も辞めたいな、と思っていました。
でも、あたたかな職場の雰囲気に、
なんとなく、気持ちがゆるんできました。


そう、そう。そうだった。
私、こうして33年、働いてきたんだった・・・。


ゆる~い、ゆる~い、スタート。
少しずつ、以前の自分を取り戻しつつあるような、
そんな気がしています。




「ガンになって」シリーズを、
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ガンになって、職場復帰 ① - 赤ちゃんが生まれました。^^

ハーモニカに興味津々。「吹けば鳴るんだよ。」ということを、一生懸命、おしえました。^^
(全盲難聴・のんたん 7歳。)



総務課からあれこれと言われて、すっかり働く気をなくしていましたが、
それでも、今日、ようやく出勤しました。
ガンの手術をした日から、8ヶ月あまり。
なんだか、あっという間でした。


職場では、誰もが笑顔で迎えてくれ、
楽しくお仕事再開!・・・のはずでしたが。
ブランクが長すぎて、パソコンのパスワードが無効になってしまい、
スタートアップできません。
やっとPCを立ち上げたら、次はメールのパスワードも無効に。
さらに、職場のサーバーが交換されていて、
以前の仕事のファイルがすぐに取り出せなかったり、とか。


問題続出でしたが、そのたびに、周囲の誰かが助けてくれ、
なんとか、元の状態に戻りつつあります。
なんだかんだで、仕事というよりもリハビリのような一日でした。


今日一日で、いちばん驚いたのは、
職場の女性に、二人目のお子さんが生まれていたことです。^^
育児休職を2年間とるため、彼女には当分会えないということでした。


私がガンでお休みに入ったとき、
彼女のお腹にお子さんがいることを、彼女は気づいていたかどうか…。^^


「いや~ すごいねっ。
 休職が8ヶ月にもなると、人がひとり生まれちゃうんだね!


私が思わずもらした感想に、
みんなが吹き出してしまったのでした(笑)。



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