MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 46 - アンコールワット⑲ 第三回廊(王のバルコニー)(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワット・第一回廊と十字型テラスの前で。後ろに見えているのが、中央祠堂と4つの副祠堂です。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


第三回廊で、十字型回廊を通り、
中央祠堂を歩きました。
最後に、第三回廊の外周となっている、
回廊を歩きます。


中央祠堂をの中から見た、外周回廊です。

一辺60mの回廊の中を歩きました。

回廊には、いくつもの仏像が置いてあります。

これは回廊の外側。美しい連子窓が並びます。

回廊の中から外を見下ろしました。これは、ついさっき歩いた第二回廊です。第三回廊との高さの差は13m。

その第二回廊の後ろで、少しだけ見えているのが第一回廊。

手前が第二回廊。その後ろが第一回廊です。

回廊の内側を歩き続けました。途中には、バルコニーのように突き出た部分があり、そこから外を眺めることができます。

ひとつひとつのバルコニーで足を止め、そこから、下界を眺めました。

ああ、あれは東参道です…。


裏アンコールワットから伽藍を抜けて、
東塔門まで歩き続けた、
あの東参道が、密林の中に見えました。
ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 36 - アンコールワット⑨ 東参道と東塔門(2024年1月17日/6日め)


そして、見逃すことのできない景色が、近づいてきました。

歩くほどに、はっきりと見えてきます。

到着です。バルコニーの真正面に見えているのは、はるかに続く西参道。

まっすぐに延びた西参道の奥に、西塔門も見えます。

左右に延びる、200mの西塔門。この西塔門のずっと向こうからここまで、ひたすら歩いてきたのでした。


王様しか入ることができなかった、第三回廊。
そこには、はるかに続く西参道と西塔門を、
一望できるバルコニーがありました。


かつて、この景色を眺めることができたのは、
ただひとりでした。
王様だけが手にすることができたその景色を、
今は誰もが見ることができるのです。
いい時代に、生まれました。


さらに、左方向へと歩き続けます。このとき、西参道の奥に見えている、白い物が気になりました。


み「遠くに見えている、
  あの白くて丸いのはなんだろうね?
  プラネタリウムみたいなのがあるよね?」
夫「うーん、たぶん、気球じゃないかな?」
み「あっ そうか! うんうん。」


「アンコールワットと気球」という、
なさそうでありそうなとりあわせに、
ふたりで大笑い。
最近、世界各地の観光地で、
観光客向けの気球を置いてあるところを
よく見かけるようになりました。
空から見下ろすアンコールワット。
それもまた、たいそう美しいことでしょう。^^


そんなことを言い合っているうちに、回廊の4辺をすべて歩き終わりました。

聖域の見学を終え、そろそろ下界に戻ります。

第三回廊で最後に撮ったデバター。

ふたりが、笑顔で見送ってくれているかのようでした。

帰りは、またまたこの階段。行きも帰りもコワかった~。

それでも、夫の写真を撮る余裕はあったようです。🤣🤣


アンコールワットの旅日記は、
あともう一回だけ連載します。


ようやく、すべての回廊を歩き終えました。😄


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 45 - アンコールワット⑱ 中央祠堂(舞い降りる女神たち)(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワット・第三回廊で。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


第三回廊に来ています。


第三回廊に設けられた急な階段をよじ登って…、

第三回廊に入ったところです。

第三回廊の四隅にある、副祠堂。


その第三回廊の中央にあるのが、
中央祠堂です。


中央祠堂の高さは、65m。
聖域であるため、第二回廊からは
なかなか見えないように設計されていました。
その中央祠堂は、第三回廊に入ると、
急にその姿を現し、全体を見ることができます。


夫の後ろにあるのが、中央祠堂の下の部分です。

そしてこれが、中央祠堂の全景。


第三回廊は、かつて、
王様しか入ることができない聖域でした。
その第三回廊の中でも、真ん中にある中央祠堂は、
「王が神々と交信する場」です。
つまり、究極の聖域でした。


この美しい姿の全景は、第三回廊に入らないと、見ることができません。

中央祠堂の表面には、ヒンドゥー教の神々や女神たちの精巧なレリーフが刻まれています。

高くてはっきりとわからなかったのですが、「ラーマーヤナ」に登場する猿神ハヌマーンやラーマ王子の姿も彫られているそうです。

精巧に造られている連子窓と、その隣りにいるデバターたち。

そしてやはり見逃せないのは、ひときわ美しく彫られている、たくさんのデバターたち。

背景のレリーフも見事です。

必見なのは、少しずつ高さをずらして彫られている、デバターたち。


胸に染みるようだったのは、
中央祠堂の中にいる、5人の女神たち。
王が神に跪いたときに並んで見えるように、と
計算して彫られていました。


つまりこんな風に見えるのです。まるで、たくさんの女神が天から舞い降りてくるようです。


中央祠堂の中心部分は石の扉で塞がれていて、
現在は四方の扉の前に、
それぞれ仏像が置かれています。


これはそのひとつ。高さ3mの仏像です。


かつてヒンドゥー教寺院であった頃、
この場所には、ビシュヌ神像が置かれていました。
その後、アンコール朝がアユタヤ朝に敗れ、
アンコールワットは、
ヒンドゥー教寺院から仏教寺院に変わります。
そのため、中央祠堂のビシュヌ神像は、
仏像に置き換えられました。


このときに撤去されたビシュヌ神像は、
壊されることもなく、
現在は、西塔門に安置されています。


かつて中央祠堂にあったビシュヌ神像です。高さは約4m。カンボジアの人々は、「自分たちの先祖の神様であった存在」として、このビシュヌ神像を現在も敬い、大切にしています。
このビシュヌ神像について書いた日記です。
ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 29 - アンコールワット② 西参道の撮影隊(2024年1月17日/6日め)

900年前、究極の聖域に置かれていた、アンコール芸術の傑作。美しいお顔です。

プノンペンで宿泊した、Okay Boutique Hotel の入り口にあった巨大な像は、このビシュヌ神像のレプリカであったのだと、いまさらですがようやく気付いたのでした。🤣🤣
このときの日記です。
ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 13 - トゥクトゥクでホテルへ(2024年1月15日/4日め)

青息吐息でようやくたどり着いた、中央祠堂。😂

中央祠堂の中から外を見たところです。奥に見えているのは、第三回廊の外周となる通路です。


次回は、この、第三回廊の外周を歩きます。
アンコールワットに着いて、
既に3時間、休みなく歩き続けています。
かなり疲れていたのですが、
最後の元気をふりしぼって、再び歩き始めました。


いまここ。😄 そして、あともう少し。


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 44 - アンコールワット⑰ 第三回廊(十字型回廊と副祠堂)(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワット・第三回廊で。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


第三回廊に来ています。


伽藍の一番内側にあるのが第三回廊です。急勾配の階段を上がって、中に入ります。


正方形の形に造られた回廊の内側は
テラスのようになっています。
そのテラスはさらに、十字型の回廊で、
田の字型に仕切られていました。
その十字型回廊(田の字)の中央にあるのが、
中央塔(中央祠堂)
「世界の中心(須弥山)」
であるとされていた場所です。


第三回廊の外周部分に立ち、内側のテラスを見たところです。奥に見えているのが、十字型回廊です。かつて、このテラス部分には水が溜められ、王様専用の沐浴池となっていました。

そのテラス部分に立つと、こう見えます。

左端が第三回廊の外周部分で、右端が中央祠堂。その間をつないでいる通路が十字型回廊です。

これは回廊の反対側です。左が中央祠堂で、右は第三回廊の外周部分。

夫、うれしそうです。十字型回廊には4本の通路があるのですが、その全部を歩かないと気がすまないようで、ウロウロしています。😂

夫が撮った写真です。中央祠堂の右側から撮ったと思ったら…、

次は左側。テラスの端から端まで歩き、少しもじっとしてませんね。🤣🤣

そんな夫を見ながら、MIYOは、ただボー然と立ちつくしていました。(疲れて動けない。😅)

このときに、MIYOが撮った一枚。第三回廊の四隅に建つ、副祠堂です。

その下の部分。副祠堂から二方向に延びる、第三回廊の外周。

とうとう、ここまで来ました。

アンコールワットの聖域と言われ、王様しか入ることができなかった、第三回廊。

ずっと見たいと思っていた、その天空の聖域に…、

ようやく、到達しました。


次回は、第三回廊のさらに中央にある、
中央祠堂を歩きます。


いまここ。😄


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 43 - アンコールワット⑯ 第三回廊へ(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワット・第三回廊へ。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


第二回廊を抜けて、
とうとう、第三回廊に到達しました。


14年前の第三回廊です。(2010年7月26日)


第三回廊は、アンコールワットの聖域です、
1辺約60mの正方形で、第二回廊より13m高く、
回廊の四隅には、4つの尖塔(副祠堂)があり、
中央には、
高さ約65mの中央祠堂がそびえ立ちます。


中央祠堂は世界の中心で、
神々が住む須弥山を表しています。
王様しか入ることができなかった場所で、
「ヴィシュヌ神が降臨し、
 王と神が一体化する聖なる場所」
と考えられていました。


副祠堂の下に立つ長女。(2010年7月26日)

第三回廊の中へと続く石段。この頃は、アンコールワットのあちこちが修復の最中でした。


14年前に訪れたときには、
第三回廊は閉鎖されており、
中に入ることができませんでした。


それが心残りだったのでしょうか。
ここ5年くらい、夫は、
「カンボジアにまた行きたい。
 今度は陸路で行きたい。」
…と、うるさく繰り返していました。🤣


その、夫が言い続けていたアンコールワットの、
いちばん奥深い部分(第三回廊)に、
ようやくたどり着いたことになります。
前回は入れなかっただけに、
喜びもひとしおです。^^


第三回廊に入ることができる石段は各面にあるのですが、上がることを許されているのはひとつだけ。東面にある、この石段を登って入るしかありません。勾配は60度。かなりの急勾配です。


階段の下には受付があって、
そこで入場者をチェックしています。
遺跡を保護するために、
一度に入場できるのは100人まで。
中に入れるのは見学者のみで、
ガイドは同行できません。
混雑時に所定の人数を越えたときには、
入場できないこともあります。
*ハイシーズンには、この受付の前に行列ができるそうです。


階段は全部で46段。右側が上り専用で、左側が下り専用です。

正直言って、かなりコワい。😅 手すりをしっかり持って、ゆっくりと上がりました。

ようやく、一番上に到着。下を見下ろすと、こんな感じ。見下ろすだけでもコワいので、降りる時が思いやられます…。😅

階段を上がったところで一枚。

ここから見える景色です。

手前が第二回廊。その後ろにあるのが第一回廊。その先には、密林が広がっています。

第二回廊の出入り口。

階段の両脇では、第三回廊の外壁がこんな風に見えます。とても危険なので、ここを歩くことはできません。

第三回廊の内部です。

派手な壁画はありませんが、柱や天井には細かい装飾が施されています。

そして、美しいデバター(女神)たち。


アプサラ(天女・踊り子)とデバター(女神)。
同じものを指しているのですが、
どう違うのか、どちらの言い方で書こうか、
…といつも迷います。
第三回廊は聖域なので、ここではとりあえず、
デバター(女神)と書いておきます。


第三回廊は、一辺が約60mの正方形になっていて、その内側にテラスがあります。ここはかつて、王様専用の沐浴場でした。

次回は、この第三回廊の内側、このテラス部分を歩きます。


いまここ。😄 *現在、第三回廊まで上がれるのは、東面にある階段のみです。


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 42 - アンコールワット⑮ 第二回廊(2024年1月17日/6日め)

2024年1月17日 アンコールワットで。第一回廊から第二回廊へ。(カンボジア・シェムリアップ)


1月17日(日)- 6日め


第一回廊、十字回廊と歩き、
ようやく、第二回廊に入りました。


第一回廊と第二回廊の間にある、十字回廊・沐浴場です。


アンコールワットに到着してからここまでで、
約2時間半が経過しているのですが、
まだまだ、先は長いです。😅


さて、アンコールワットのおおまかな構造は、
毎回マップで掲載しているので、
「もうわかったよ。」と思われるかもですが、
下図でご覧のとおり、
3つの回廊が入れ子式に造られていて、
3重構造になっています。


第一回廊についてさんざん書いてきましたが、ようやくひとつ内側にはいった、ということになります。

これは、第三回廊から見下ろして撮った、第一回廊(上側)と第二回廊(下側)です。二つが並行していて、高さの差もそれほど大きなものではありません。


上の写真でご覧の通り、
第一回廊(上側)には窓がなく、
平板な壁が続いています。
この壁の裏側(回廊の内側)には、
ラーマーヤナ、マハーバーラタなど、
ヒンドゥー教の世界観を垣間見るような、
様々なレリーフが描かれていました。


一方、第二回廊には、
連子窓がびっしりと造られています。
壁がほとんどないので、
回廊内にも壁画がありません。


14年前の写真で、第一回廊を出たところです。ここは伽藍の中庭になっており、この門から第一回廊を出ると、目の前に第二回廊が現れます。(2010年7月26日 長女14歳/中3)

同じ中庭で撮った、現在の写真です。右が第一回廊で、左が第二回廊。奥に見えているのは経蔵で、この奥の左側に、つい先ほど見てきた十字回廊があります。


この中庭に入ると、
アンコールワットの上部に見えていた塔の、
いちばん中央にあるもの(中央祠堂)が、
見えなくなります。


中央祠堂は、
「王様しか入れない、究極の聖域」
でした。
そのため、
「近くにいる人たちからは見えなくなる」
ことを計算して、
設計されているのだそうです。


中庭の経蔵は、北と南にひとつずつあります。これは北側。

これは14年前の長女。おそらく南側の経蔵の前に立っていると思います。(2010年7月26日 長女14歳/中3)

そしてこれが、第二回廊へと続く階段です。

階段の右側(西側)から見た、第二回廊。(2010年7月26日)

そして、階段の左側(東側)から見た、第二回廊。(2010年7月26日)

左端にドームが見えますが…、

そのドームの壁にも、アプサラ(デバター)が並んでいます。

連子子(れんじこ)がきっちりと並んだ連子窓。一本の欠けもなく、すばらしい。^^


この中庭に面した階段を上がったところが
第二回廊になります。
第二回廊には、十字回廊から階段を上がって、
入ることもできます。


これが第二回廊の内部。びっくりするくらい、質素です。


多くの人が入ることができた、第一回廊。
王様しか入れなかった、聖域の第三回廊。
…のふたつを優先した結果、
第二回廊の装飾は後回しにされ、
やがて王様が亡くなってしまったので、
最終的には、そのまま放置されてしまった、
…ということのようです。


第二回廊の内部には、
派手な装飾などがありません。
ところどころに、
信者が寄進した仏像が置いてあるだけです。


けれど、回廊の外側に見えている
連子窓やアプサラはとても美しく、
それが、第二回廊の見どころとなっています。


アプサラと連子窓。

連子窓の間に描かれている、アプサラたち。彼女たちの腰布にご注目ください。(2010年7月26日)

なんと、ひとつひとつの腰布に、異なる柄が掘られています。

拡大すると、花柄の腰布であることが、はっきりとわかります。^^

このレリーフでも、4人のアプサラの腰布の柄がすべて異なっています。拡大して見ていただけると、わかりやすいかと思います。(2010年7月26日 長女14歳/中3)


このあたりはかつて、
王様が通るエリアであったと思われます。
そのため、王様の目に入ることを考慮して、
王様の前で踊ったアプサラ達をモデルにして、
特に細かく、美しい彫刻が施されたそうです。


その反面、王様が見る可能性が低い部分では、
未完成のアプサラが放置されていたりします。
第二回廊の装飾は、
「王様の目に入る部分かどうか」で、
その明暗が分かれているようです。


以下、2010年に撮った写真です。

あれ? 鏡を持って、髪をなおしているのでしょうか。😄

出入り口の破風部分にも、細かい装飾がびっしりと施されていました。


アプサラは、アンコールワットの中に、
約2000体あるそうです。
そのすべてのアプサラには、
「実在の女官のモデルがいたので、
 ひとつとして同じものはない。」
と言われています。


たしかに、ひとつひとつのアプサラを見てみると、
しぐさや表情、髪形、アクセサリー、
そして衣装までが、それぞれに異なっていて、
いくら見ても、見飽きることがありません。^^


第二回廊をぐるりと一周しました。連子窓とアプサラを堪能し、第二回廊の反対側に出ると、そこには、そびえたつ第三回廊が待っていました。(2010年7月26日)

次回は、第三回廊の階段をよじ登ります。


いまここ。😄


(つづく)