MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは21歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。

のんたんの冬休み-46 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - エアー階段(4日目)





2017年12月27日 フエの王宮で、エアー階段。(のんたんとあみちゃん 22歳)



上の写真は、王宮内で撮ったものですが、
長男が、左足をちょっとだけ持ち上げています。
これ、「エアー階段」を上がろうとしているところなんです。


この少し前、私と長男が歩いているときに、
夫が「写真撮るから、ちょっと止まって。」と言いました。
こういうとき、本当は、
「のんたん、止まるよ。」
と声をかけなければならなかったのですが、
うっかり、何も言わないで立ち止まってしまいました。


ふだん、長男といっしょに歩くとき、
階段や段差の前で、私は、必ず、ちょっと立ち止まって、
そこに段差があることを、長男に教えるようにしています。


このときは、夫に言われて、私が急に止まっただけだったのですが、
私が立ち止まったため、
長男は、「そこから階段になる」と思ったんですね。^^
で、写真は、エアー階段を上がろうとしている、長男です。(苦笑)


あとで、写真を見て、
「ああ、そうだったのか。」と気がつきました。
しっぱい、しっぱい。
ごめんね、のんたん。^^



さて、私たち3人をホテルに残して、
懲りもせず、再び王宮にでかけた夫。


ひとりで歩き回って、写真を撮ってきたので、
ちょっとだけ掲載します。


私たちといっしょに行ったときと、たいして変わらないような…。
行く意味あったんでしょうか。(爆笑)


「王宮は、見たよ。
 もう、わかったよ。」

と思う方は、とばしてください。(苦笑)


(つづく)


王宮に向かう途中、タクシーから撮りました。


王宮の正門




カードのようなものが、入場券です。

のんたんの冬休み-45 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - 部屋でぬくぬく(4日目)

2017年12月27日 フエの王宮で。雨の中、私の手引きで、すいすい歩きます。写真では、私の方が長男に手をひかれているように見えますが・・・笑。(全盲難聴・のんたん 22歳)



タクシーに乗って、4人いっしょに、ホテルに戻りました。


あとになって、友人から、
「だんなさんだけ王宮に残して、
 3人でホテルにもどればよかったのに。」
と言われました。


もちろん、その方が簡単です。
それはわかっているのです。
でも、私がひとりでチェックインするということは、
長男を手引きしながら、
フロントで、預けた4人分の荷物を受け取り、
その荷物を持って、子ども2人といっしょに、部屋に向かう、
ということです。
・・・ちょっとタイヘンです。


我が家では、通常、チェックインとか荷物運びとかの仕事は、
夫がやっています。
私が長男についている間に、夫が各種雑事をこなす、というのが、
我が家のやりかたです。


にもかかわらず、夫だけが王宮に残って遊んでいるなか、
私が一人で、なにもかもやらなくてはならない、というのは、
オモシロクナイという気持ちもありました。


夫も、それはよくわかっているので、
「オレだけ残るから、3人でホテルに帰って。」
とは言いませんでした。(苦笑)


空港からホテルに直行したときは、午前中だったので、
チェックインはできませんでした。
なので、やむなく、荷物をフロントに預けて、観光にでかけました。


その後、食堂でブンボーフエを食べ、王宮をうろついてきたので、
再びホテルに戻ったときには、午後も遅い時間になっていました。
フロントで、預けた荷物を受け取り、
今度はようやく、客室にはいることができました。



私と長女の部屋です。


夫と長男の部屋。ベッドの向きが、私たちの部屋とは違います。


きれいな部屋です。^^
 これよ、これ。
 こうでなくっちゃ。^^
私も娘も、ほっとして、ベッドに腰かけました。


部屋に荷物を運んだ夫は、長男を私たちに託し、
いそいそと王宮へ戻っていきました。
雨の中、ごくろうなこった、と思います。


「あー 部屋はきれいだし、のんびりするねえ。」
と言うと、長女も、
「ほんと、ほんと。」
と、あいづちをうって、ベッドの上で卒論を書き始めました。


旅行は、楽しむためにやっているのだから、
いやなことを我慢しながら、
修行のようにこなしていく必要はないのだ、と
私は思います。


せっかくの、フエ。
ベトナムが誇る世界遺産、「王宮」。
一部しか見られなかったけれど、
たまには、こんな旅があってもいいじゃないか、と思いました。


客室に備え付けてあるポットでお湯を沸かし、
備品のスティックコーヒーを淹れました。
さすが、4つ星ホテルです。
客室にはwifiが用意されていて、ネット環境もととのっています。
スマホから、youtubeで、お気に入りの音楽を流すと、
さっきまで、王宮で、
雨に濡れながら歩き回っていたことが、
うそのようです。


もう、今日は、どこにも出かけないからね。


温かいコーヒーをすすりながら、私は、そう思っていました。


(つづく)

のんたんの冬休み-44 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - トイレ事件(4日目)

2017年12月27日 フエの王宮で。(のんたんとあみちゃん 22歳)



「王宮は、見たよ。
 もう、わかったよ。」


長女にそう言われた夫。
それでも、往生際が悪く、こう言いました。


「じゃあ、オレひとりでちょっと見てくるから、
 このへんで座って待ってて。」


寒いし、雨だし、本当は、すぐに帰りたかったのですが、
せっかくの王宮を見たいという、夫の気持ちもわかります。
しかたありません。
長男といっしょに、なが~い廊下で、待つことにしました。



ところが。
緊急事態が起こりました。


長男がいきなり立ち上がって、
「トイレに行こうよ!!」
と言い出したのです。


そう言えば、数時間前、フエの空港で、トイレに行ったきりでした。
肌寒いので、トイレも近くなっていたのでしょう。
長男は長男なりに、トイレを我慢していたのかもしれません。


「トイレに行こっか!」
「トイレに行こうよぉ!」


繰り返す長男。
どうやら、せっぱつまっているらしいことがわかりました。
そうは言っても、ここは、世界遺産の「王宮」です。
まわりを見渡しても、あるのは、古そうな建物ばかり。
ここのどこに、トイレがあるというのでしょうか。泣


とりあえず、長男のことを長女に頼み、
私は、走りました。
トイレ、トイレ・・・。どこ?
もう必死です。


あった!
ようやく見つけました。
けれど、今度はもうひとつ問題が。
いつも長男をトイレに連れて行くのは、夫の役割です。
その夫、ひとりでどこかに行ってしまいました。
つまり私が、長男といっしょに、
「男性用トイレ」に入らねばならないのです。(爆笑)


「トイレに行こうよ!」
再び、長男が繰り返しました。
何度も言ってるのに、どうしてトイレに連れて行ってくれないのか、
長男も、不思議だったことでしょう。
これ以上、時間の猶予はなさそうです。


私が連れて行くしかない、と
覚悟を決めました。


「のんたん、トイレに行こうね。」
と声をかけて、長男といっしょに歩き始めました。
そして、トイレの手前まで行ったところで、
ようやく、夫が戻ってきました。
ぎりぎり、セーフでした。^^


無事、トイレを済ませ、長男と戻ってきた夫に、言いました。
「もう、無理。
 のんたんだって、こんなとこに無駄につきあわされて、かわいそうだよ。
 このあと、一時間もなんて、いられるわけがない」


「修行じゃないんだからね。
 雨に濡れてびしょびしょになりながら、
 どうしても観光がしたいわけじゃない。
 こういう日は、ホテルの部屋でのんびりしてたって、
 別にかまわないじゃない。」


私にそう言われて、ようやく夫も観念しました。
「うん。わかった。
 じゃあ、ホテルにもどろう。」


やれやれ、これでようやく、のんびりできる、と思ったのもつかのま。
その後に続けたことばは、やはり、夫ならでは、でした。


「で、そのあと、オレひとりで、また王宮に戻ってくるよ。」


そこまで、王宮を歩きたいのね・・・。
もう、笑うしかありませんでした。



(つづく)

のんたんの冬休み-43 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - そして長女も怒った(4日目)

2017年12月27日 フエの王宮で。(のんたんとあみちゃん 22歳)



ようやくたどりついた、フエの王宮です。
広いです。
とにかく広い。



雨の中、あんまり歩きたくないんですけど、
しかたなく、私と子ども達も、中にはいりました。
きっとすばらしい観光地なのですが、なにしろ、雨です。
傘をさして歩いているものの、すぐに、スニーカーが濡れ始めました。




私たちに比べると、
まるで、水を得た魚のように、ちゃきちゃきと歩く夫。
しょうがないので、その後をついて歩く、私と娘。
長男も、私に手引きされて、健気に歩きます。





でもね。
長男にとっては、ちょっと気の毒でした。
だって、なにも見えないんですから。
説明したところで、たぶん、長男には、理解できません。


長男にしてみれば、王宮なんて、なんの意味もないわけです。
石畳の、足元の悪い中、延々と歩くだけ。
せっかくの王宮ですが、雨がびちょびちょ降るなか、
やみくもに歩き続けることに、私もだんだん飽きてきました。


王宮、そりゃあ、世界遺産のすばらしい建造物なのでしょうが、
なにしろ、似たような古い建物を、のぞいてまわるだけです。
ひとつ見て、終わったと思ったら、また次の建物が。
いつまで続くのよ・・・。



せめて雨が降っていなかったら、もう少し楽しかったかもしれません。
でも、傘をさして、靴を濡らしながら歩くのは、
いいかげん、うんざりでした。
そこで、ずいぶん先のほうを、おおはりきりで歩き続ける夫を呼びとめ、
言いました。


「あのさ、この王宮。
 あとどれくらい、歩くつもりなの?」


すると夫、平然と言いました。
「一時間くらい。」


い、いちじかん?
耳を疑いました。


「いったい何を考えてるのよ。
 こんな雨の中、のんたんは、なんのおもしろいこともないのに、
 私たちにひきずりまわされてるんだよ。
 そのうえ、これをまだ、一時間も続けるの?
 つきあいきれないわよ。
 ふざけるんじゃない!」


ブンボーフエとタクシーの怒りが、まだおさまっていない私。
夫に向かって、まくしたてました。


そのときです。


黙って聞いていた長女が、うんざりとした顔で、言いました。


「王宮は、見たよ。
 もう、わかったよ。」


ナイスです。
長女に、座布団を3枚あげたくなった、母なのでした。


(つづく)

のんたんの冬休み-42 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - 怒りのぼけタクシー(4日目)

2017年12月27日 ブン・ボー・フエの食堂で。(のんたんとあみちゃん 22歳)



とにもかくにも、ブンボーフエのお昼ごはんを食べ終え、
この日のメインイベント、「王宮」へ行くことにしました。


雨の中、食堂の前で、しばしたたずんでいると、
一台のタクシーがやってきました。
早速乗り込み、王宮へ。


渋滞もなく、10分ほどで、タクシーは王宮に到着しました。
料金を支払い、タクシーを降りて、
王宮の方へと歩き始めたのですが、
なにか、へんです。


一大観光地にしては、私たち以外に観光客がいないし、
「入り口」も、ドアが一枚あるだけで、
あまりにもちゃっちいのです。
その場にいた係員らしき人にきいてみると、
「ここは通用口。観光客は、正門に行ってね。」と。
タクシーのドライバーが、間違えたのです。


も~ と思って振り返ると、
幸い、そこにはまだ、
同じタクシーが停まっていました。


「ここじゃないよ。まちがってるよ。」
と言うと、
「乗れ」
と。


ということで、再び同じタクシーに乗り、
正門へと向かうことになりました。


でも、なにか、気になります。
そこで、夫に言ってみました。


「あのさ、まさか、この、2回めのタクシー代も、
 うちが払うわけじゃないよね。」


はじめから正しい場所に行っていれば、それですんだことです。
まちがえた場所に連れて行って、
そこから正しい場所に移動する費用も払うということは、
タクシー代を2倍払う、ということです。


折からの雨で、気持ちが下がっているところに、
さきほどのブンボーフエ食堂での怒りが、まださめていない私。
ドライバーのミスを、
笑って流すような気持ちには、なれませんでした。


夫はと言うと、
「でも、2回乗ったことは確かだし。」
「彼もわざとまちがえたわけじゃないし。」
「たいした金額じゃないし…」
と、思いつく限りの「いいわけ」を、ぽつぽつと話し始めました。
そう。「2回目も払うための」いいわけ、です。


「あなたね。そんなに、お金を2倍払いたいの?
 他人には優しいわねえ!
 その優しさで、自分のこどものごはんくらい、
 手伝ってほしいものだけどね!」
と、おもいっきり、皮肉を言っちゃいました(爆)。


夫、黙るしかありません。
夫は夫で、
「こんなことで、ドライバーともめたくない。」
と思っていたようです。


たしかに、日本人の感覚から言えば、
たいした金額ではないかもしれません。
だから、さっさと払ってすませたい、と思ったのでしょう。
でも、
「納得のいかないお金は、少額であっても払いたくない」
と、私は思っていました。


「もし、このタクシー代払ったら、
 許さないからね。」


私のこのことばを最後に、夫も長女も黙ってしまいました。
重苦しい空気の中、タクシーは、
目指していた「王宮の正門」に到着しました。
今度こそ、本当の「正門」です。


ドライバーは、当然のように、代金を受け取ろうとしたのですが、
「払わないよ」
とだけ言い、夫はさっさと車を降りて、歩き始めました。


後部座席の私たちも、ぐずぐずしてはいられません。
あわてて、子どもたちといっしょに、車を降りました。


ドライバーは、なにかをしきりとまくしたてましたが、
ベトナム語なので、わかりません(苦笑)。
たぶん、「払え」と言っているのでしょう。
そこで、言いました。


「あなたが間違っただけのことでしょう。
 私たちのせいじゃない。
 だから、2回目の分は、払わないわよ。
 文句があるなら、警察を呼びましょう!


大きな声できっぱりと言いました。
ここで「大きな声」で言ったのは、
まわりに居合わせた人たちにも聞こえるように、という意図がありました。


左手で長男を手引きし、右手で長女の手を持って、
堂々と、歩き始めました。


長女は不安そうにしていましたが、
「あみ、振り向いちゃだめよ。
 おどおどしないで、しっかりと歩きなさい。」
と私に言われ、ついてきました。


追いかけてくるかな、と、内心はらはらしていましたが、
私たちに払う意思がないことを、理解したのでしょう。
ドライバーは、あっさりとあきらめて、
そのまま、行ってしまいました。


つまり、2回目の代金を、払わなくてすんだわけです。
ちょっとかわいそうな気もしましたが、
遠ざかっていく車を見ながら、ほっとしました。^^



帰国後、ずいぶんあとになってから、
このときのことを、家族で話し合ったことがあります。


「私ね。あとになればなるほど、思うことがあるんだけど。
 あのときのドライバーって、
 わざと違う場所に連れて行ったんじゃないか、って。」


わざと違う場所に連れて行き、
「ここじゃないよ」と言われてから、正しい場所に連れて行けば、
一回の依頼で、2倍稼ぐことができるわけです。


「そういえば…」


私のことばに、夫と長女も、それぞれに話し始めました。
「普通なら、タクシーは、お客を降ろしたらすぐに行ってしまうはず。
 でも、私たちが引き返してみると、タクシーはその場にいた。
 もどってくるのを待っていた(のかもしれない)。」
「フエ最大の観光地である王宮の正門の場所を、
 地元のタクシーが間違えることって、あるだろうか。」
「だまそうと思ってわざとやっていることなので、
 私たちが支払いを拒否し、『警察を呼ぶ』と言ったら、
 ちっ と思うだけで、すぐにあきらめて、行ってしまったのかもしれない。」


そう。
考えれば考えるほど、
あれは「わざと」だったんじゃないか、
と、3人の考えが一致しました。


「だとしたら、あそこで、タクシー代を2回も払ったら、
 私たちって、本当におおばかやろうだったわねえ!
 誰よ。『払ってあげようよ』なんて、おめでたいことをくどくど言ってたのは。」


私に、嫌みを言われ、
返す言葉もない、夫なのでした。


(つづく)


雨に濡れる、王宮の正門。堂々たるたたずまいです。
ここと、通用口を間違えるタクシーって、ありえないですよね。^^


本当は、タクシーよりも、こっちの方が好きです。チャリンコタクシー!^^