MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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涼風の栃木へ。星野リゾート 界 川治に泊まった2日間 6 - 「烏山和紙漉き体験」(2024年8月22日/1日め)/ 盲学校の紙漉き授業(2011年11月18日)

2011年11月18日 盲学校の、紙漉きの授業で。楽しそうです。^^(全盲難聴・のんたん 16歳)


8月22日(木)


「星野リゾート 界 川治」に来ています。
チェックインし、お部屋に荷物を置いたら、
慌ただしいのですが、再びロビー階に行きました。
今度は、ロビーの隣りにある「里山工房」へ。


里山工房です。ここで、「ご当地楽」が行われています。


星野リゾート界シリーズでは、
オリジナルの特別なおもてなしとして、
「ご当地楽」が開催されます。
「宿泊した人が、
 その地域の文化や魅力を体験しながら、
 滞在を楽しんでもらえるように」
という趣旨で催されています。


「界 川治」では、
ロビー横に「里山工房」という空間があり、
そこで、
 「烏山(からすやま)和紙漉き体験」
 「きな粉づくり体験」
を楽しむことができます。


工房の左側が「きな粉づくり体験」エリアで、右側が「烏山(からすやま)和紙漉き体験」エリアになっています。私たちが宿に到着した時は、ちょうど家族連れが和紙漉きをしておられるところでした。

工房内には、石臼や民具が並べられています。

まずは「きな粉づくり体験」エリアへ。

石うすを回して、自分できな粉を作ります。

できあがったきな粉は、持ち帰ることができます。^^

多動夫、はりきって石うすを回し始めました。🤣


せっかく、きな粉を作ろうとしたのですが、
予約していた「烏山和紙漉き体験」の
時間になってしまいました。
残念ですが、きな粉はあきらめて、
隣りのエリアへ…。😓


「烏山和紙漉き体験」エリアには、那須楮(こうぞ)が入った水槽がふたつあります。

これが紙漉きの道具です。ひとり一つずついただき、自分で実際にやってみることで、「烏山和紙漉き」を体験します。

和紙漉き体験(一回20分)は17時まで開催されていて、予約制です。が、この時間に予約していたのは私たちふたりだけ。先生から懇切丁寧に教えていただきました。😄

これは、里山工房の前に置いてある、予約チケット。希望する時間のチケットを、ひとり一枚ずつ取ることができます。MIYOは、宿に着いてすぐに、案内の方から教えていただいたので、そのときに、いちばん早い時間のチケットを取ってありました。^^

できあがった和紙は、名前をつけて戸板に貼り、ひと晩かけて乾かします。

夫の作品(左)とMIYOの作品(右)。アハハ、夫のはムラになってます。

烏山和紙は、栃木県の「那須烏山」と言う地域で、1200年以上も受け継がれてきた伝統工芸品です。那須楮(こうぞ)を原料に、昔ながらの技法で漉いた和紙は分厚く丈夫なので、今でも、県内の学校の卒業証書などに使われているそうです。


この「烏山和紙漉き」は、
作物がとれなくなる冬に、
農家の兼業として、盛んに営まれてきました。
その製紙所は、
最盛期には数百件あったと言われていますが、
現在は1軒を残すばかりだそうです。


先生から、
「これまでに、
 紙漉きを見たことがありますか?」
と訊かれました。
「やったことはありませんが、長男が全盲で、
 盲学校で紙漉きをしていたので、
 見たことはあります。」
と答えると、びっくりしておられました。^^


ずっと忘れていましたが、
「ああそうだった。
 長男も、学校でやっていたなあ…。」
と思い出したので、帰宅してから、
高等部の頃の写真を探してみました。
ありました。^^


写真の日付は、2011年11月18日(金)。
長男は16歳でした。
盲学校高等部1年のときの、
授業参観でのようすです。
この日MIYOは、うれしさのあまり、
たくさん写真を撮ってしまいました。😄
(いつも親ばかでスミマセン。)
とても長いのですが、お時間のある方は、
ご覧いただけたらうれしいです。^^


【長男の参観日(16歳/高1)】


 1時間め 体育
 2時間め 数学
…と、朝からずっと見せていただいて、
写真を撮っているのですが、
あまりにもたくさんあるので、ここでは、
 3時間め 生活「紙漉き」
の時間の写真を掲載します。
授業では、長男が紙漉きをするところを、
楽しく見せていただきました。



紙は、点字タイプライターの練習用紙など、
学校で使った紙を細く切って、
有効活用していました。
ミキサーを回すときの長男、
楽しそうです。笑



大きなじょうごやボトルホルダーなど、
「見えなくてもひとりでできるように…」
という工夫が、随所に見られます。^^


最後にミキサーをかたづけて、今日の授業はおしまいです。


盲学校の紙漉き作業は、単なる体験ではなく、
大切な実習のひとつでした。
卒業後、障害者作業所に入所し、
紙漉き作業に従事する場合もあるからです。


見えなくても、卒業後にできる仕事として、
少しずつでも、その子の可能性を増やしていく。
紙漉きの授業には、
先生方のそんな思いがこめられていました。


授業では、長男が紙漉きをするようすを、
楽しく見せていただきました。
でもそれは、授業であると同時に、
職業訓練でもあったのだと思います。


「紙漉き」は、先生方の工夫がつまった
貴重な授業だったのですが、私は、
見えなくて聞こえない世界に
たったひとりでいた、
赤ちゃんの頃の長男のことを思うと、
ただただうれしくて…。
ここまで指導してくださった先生方にも、
感謝でいっぱいでした。


こんなことができるようになったんだね…。😊
と感動しながら眺めていた、授業参観の一日。
もう、13年も前のことになってしまいました。^^

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