のんたんの冬休み-44 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - トイレ事件(2017年12月27日/4日め)
2017年12月27日 フエの王宮で。(のんたんとあみちゃん 22歳)
12月27日
「王宮は、見たよ。
もう、わかったよ。」
長女にそう言われた夫。
それでも、往生際が悪く、こう言いました。
「じゃあ、オレひとりでちょっと見てくるから、
このへんで座って待ってて。」
寒いし、雨だし、本当は、すぐに帰りたかったのですが、
せっかくの王宮を見たいという、夫の気持ちもわかります。
しかたありません。
長男といっしょに、なが~い廊下で、待つことにしました。
ところが。
緊急事態が起こりました。
長男がいきなり立ち上がって、
「トイレに行こうよ!!」
と言い出したのです。
そう言えば、数時間前、フエの空港で、トイレに行ったきりでした。
肌寒いので、トイレも近くなっていたのでしょう。
長男は長男なりに、トイレを我慢していたのかもしれません。
「トイレに行こっか!」
「トイレに行こうよぉ!」
繰り返す長男。
どうやら、せっぱつまっているらしいことがわかりました。
そうは言っても、ここは、世界遺産の「王宮」です。
まわりを見渡しても、あるのは、古そうな建物ばかり。
ここのどこに、トイレがあるというのでしょうか。泣
とりあえず、長男のことを長女に頼み、
私は、走りました。
トイレ、トイレ・・・。どこ?
もう必死です。
あった!
ようやく見つけました。
けれど、今度はもうひとつ問題が。
いつも長男をトイレに連れて行くのは、夫の役割です。
その夫、ひとりでどこかに行ってしまいました。
つまり私が、長男といっしょに、
「男性用トイレ」に入らねばならないのです。(爆笑)
「トイレに行こうよ!」
再び、長男が繰り返しました。
何度も言ってるのに、
どうしてトイレに連れて行ってくれないのか、
長男も、不思議だったことでしょう。
これ以上、時間の猶予はなさそうです。
私が連れて行くしかない、と
覚悟を決めました。
「のんたん、トイレに行こうね。」
と声をかけて、長男といっしょに歩き始めました。
そして、トイレの手前まで行ったところで、
ようやく、夫が戻ってきました。
ぎりぎり、セーフでした。^^
無事、トイレを済ませ、
長男と戻ってきた夫に、言いました。
「もう、無理。
のんたんだって、こんなとこに
無駄につきあわされて、かわいそうだよ。
このあと、一時間もなんて、いられるわけがない」
「修行じゃないんだからね。
雨に濡れてびしょびしょになりながら、
どうしても観光がしたいわけじゃない。
こういう日は、ホテルの部屋でのんびりしてたって、
別にかまわないじゃない。」
私にそう言われて、ようやく夫も観念しました。
「うん。わかった。
じゃあ、ホテルにもどろう。」
やれやれ、これでようやく、のんびりできる、
と思ったのもつかのま。
その後に続けたことばは、
やはり、夫ならでは、でした。
「で、そのあと、オレひとりで、
また王宮に戻ってくるよ。」
そこまで、王宮を歩きたいのね・・・。
もう、笑うしかありませんでした。
左廡。かつては、文官たちの詰め所となっていました。
(つづく)