MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは21歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。

のんたんの冬休み-28 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 - おかあさん、つめきり(3日目)

2017年12月26日 チャンアンで川下り。後ろに見える船着場から出発します。(のんたんとあみちゃん 22歳)



川幅が広く、まるで湖のようなチャンアン川の川下り。
雄大な水墨画のような景色の中、
約2時間、ずううっと、鍾乳洞めぐりが続きましたが、
それも、ようやく終わりに近づいてきました。
ここでもうひとつ、ベトナム滞在中の思い出話を。


それは、ハロン湾で、
長男といっしょに船に乗っているときのことでした。
私と並んで座っていた長男が、ふいに、
「おかあさん、つめきり。」
と言ったのです。


ん? つめきり?


「のんたん、爪を切りたいの?」
と尋ねてみました。
「爪が伸びているから、切ってください。」
と言いたいのかな、と思ったのです。
すると、長男は、
「はいっ^^」
と答えました。


長男の爪を見てみました。
が、長男の爪は、見事なまでに、きれいに切ってありました。
S園で、きちんと指導していただいていることが、
これだけを見てもわかります、
さすが、S園です。


「のんたん、お爪は、別に、伸びてないよ。
 切らなくても大丈夫だよ。」


そう言ってみたのですが、長男は黙ったままです。
なんだか、長男の言いたいことを
わかってあげられていないような気がしました。
別に爪が伸びているわけでもないのに、
どうして長男は、いきなり、「爪を切りたい」などと言ったのでしょうか…。


「どうしたんだろうね。」


家族全員、理由がわからず、考え込みました。
そのときです。


「あっっっ^^」
母は、ようやく気がつきました。


長男は、私の隣りに座っているときには、必ず、私の手を触っています。
見えない長男にとっては、これが、「見る」ことなのです。
母を、見て、触って、そして、甘えているんですね。^^


このときも長男は、私の手を触っていました。
そして、おそらく、私の指に手が触れたとき、
「おかあさんの爪がすごく伸びてる。」
と気がついたのです。(爆笑)


わかりました。
長男の言いたいことが。(笑)


「のんたん、おかあさんのつめがのびてるって、言いたかったの?」
「はいっ^^」
「だから、おうちに帰ってから、
 おかあさんの爪を、切りたいと思ったの?」
「はいっ^^」


あーーーーー そうだったのかあ。
と、一同、納得。ウンウン
そして、大笑いしました。


はい。
私の爪は、ネイルサロンでケアしていただいていて、
かなり長いのです。
私の指に触ったとき、長男はそのことに気がついて、
「切らなくちゃ」
と思ったのでしょう。


いや~ すごいなあ。
家でいっしょに暮らしていた頃は、
自分から「爪を切る」なんて言いだしたことは、一度もありませんでした。
いつも、私が爪をチェックして、伸びていれば切ってあげていたのです。


でも、長男は、いつのまにか、
自分の爪どころか、私の爪に触って、
「伸びているから、切らなくちゃね。」
と言うようになっていました。


すごいです。こんなに成長するなんて。
S園のおかげだなあ、4年間で、着実に、成長しているなあ、
と、しみじみ思いました。


とはいえ、喜んでばかりもいられません。
長男に、きちんと説明しなくては。


「のんたん。おかあさんの爪、長いから、心配してくれたんだね。
 ありがとう。
 でもね。おかあさんの爪は、おしゃれなの。
 わざと長くしているの。
 だから、爪は、切らなくていいんだよ。」


「おしゃれ」なんて、見た目の問題ですから、
全盲の長男には、そんな単語は理解できません。
でも、そのときの長男は、私の言うことを、
なんとなく分かってくれたようでした。


長男は、私の言うことを、じっと聞いていました。
そして、なにか、納得したのでしょう。
その後、私の指を触っても、
二度と、「つめきり」と言うことはありませんでした。


ひとつひとつを説明し、母と子で、わかりあっていく。
それが、盲ろう児を育てるということです。
日ごろ、あまり話すことがない長男ですが、
たまに、その長男が、こんなふうに、
自分の考えを教えてくれることがあります。


「あー こんなこと、考えてたのかあ・・・」


長男の言いたいこと、伝えたいことがわかったとき。
それはもう、はしゃぎたくなるほど、うれしい瞬間です。


「のんたんが、**をやったね!」
「のんたんが、**って言ったね!」
ただそれだけのことで、家族のみんなで顔を見合わせて、笑ってしまう。
私たち家族は、そんなふうにして、
日常の小さなことがらを、
ひとつひとつ、宝物のように共有し、喜び合ってきました。


「おかあさん、つめきり」


旅行が終わって一ヶ月になろうとしているのに、
いまでも、この言葉を思い出すたび、うれしくなってしまいます。
旅の途中で長男がくれた、楽しい思い出のひとつです。^^


そのときのネイルです。
12月だったので、銀色のラメと小さな星を使って、クリスマスツリーを描いてもらいました。


この日は、全部で8つの鍾乳洞を探索したようですが、あまりにたくさん行き過ぎて、これがいくつめだったか、わからなくなりました。(笑)
鍾乳洞の中では、出口までの迷路のような水路を、延々と進みます。まるで、TDLの「カリブの海賊」そっくりなのですが、いや、真似したのは、TDLの方だと思います。^^


船着場が近づいてくると、急に、小舟が増えてきました。


ようやく、元の出発地点に戻ってきました。たくさんの舟がつながれています。


おつかれさまでした!^^


(つづく)

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