MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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ベトナム家族旅行:
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4年ぶりのベトナム。北部から中部へと歩いた18日間 23 - ハロン湾船上ホテルにお泊まり⑧ ワン家の人々と、スンソット鍾乳洞 (1)(2023年6月16日/3日め)

2023年6月16日 スンソット鍾乳洞で。


6月16日(金)


たくさんのツアーボートが停泊している中で、
私たちも、「はしけ」としてつながれている、
小さなボートに乗り換えました。



ナイトクルーズ用の大型船から
島に上陸するためには、
どの船であっても、乗客は「はしけ」に
乗り換えなければなりません。


私たちも、船につないであった「はしけ」に乗り込みました。出発時、船の発着場から乗った、このボートです。笑

ボートが走り始めると。目の前に、不思議な奇岩が…。

このとき、ボートの中で、MIYOの向かい側に座っていた、3人。アメリカからいらしたそうです。

そして、MIYOの右側に座っていた5人。


アメリカから来たという、
全部で8人の東洋人グループ。
てっきり、団体旅行だと思っていました。
でも、このボートの上で彼らと話していて、
驚くことを聞いてしまいました。


「団体旅行」というのは私たちの思い込みで、
実はこの8人のみなさんは、
「ワン家」という、ご家族だったのです。
(「一族」というべきかもしれません。)
アメリカからベトナムに来たいきさつを、
彼らのひとりひとりが、
思い思いに語ってくれました。


話し始めたのは、末っ子のヴィンス。
「オレたちは6人兄弟。
 いっしょにいるのは、叔父と母。
 45年前は、全員、
 南ベトナムに住んでたんだ。」


45年前と言うと、1978年。
ベトナム戦争が終わって間もなくの頃です。
当時、ボートピープルとなって、
多くの人々が、旧南ベトナムから脱出しました。
その頃のことなのでしょうか…。


彼の兄、次男・ヘンリーが後を次ぎました。
「当時母は、僕たち6人を連れて、
 船に乗りました。
 そのとき、いちばん年上だった長男は、
 13歳でした。」


「お母さんは、今、おいくつですか?」
と尋ねると、
「母さんは、今、84歳だよ。^^」
とヴィンス。


胸を突くような話でした。
本では読んだことがあったけれど、
「ボートピープル」だった方々に
実際に会うのは、初めてでした。


故郷を離れ、なにもかも捨てて、
子どもたち6人を連れて、
船に乗った女性。
計算すると、当時の彼女は39歳です。


それから45年。
彼女はアメリカで、6人の子供達を、
りっぱに育て上げました。


そして今、兄弟6人全員がそろって、
母、叔父と共に、ベトナムに帰ってきました。
45年前に住んでいたところを、
訪ねに来たのだそうです。


「お父さんはどうなったのですか?」
とは、訊けませんでした。
彼らの誰もが、父親のことを語りません。
語ろうとしないことを、
あえて訊くつもりはありませんでした。


子どもたち6人を連れて、
39歳の女性が船に乗るまでには、
語りつくせないほどの悲しみや、
つらい出来事があったのだろうと思います。


難民としてアメリカに行ってからも、
6人の子どもたちを抱えて、
どれだけ苦労されたことか…。


壮絶な人生があったのだろうと思います。
でも私は、あまりに驚いてしまい、
「すごいおかあさんですね…。
 本当に、心から驚いていて、
 そして感動しています。」
としか言えませんでした。


ワン家の6人を立派に育て上げたおかあさん。弟さんといっしょに、おだやかな笑顔で座っていました。


このハロン湾ツアーでの、
いちばんの思い出は、
このワン家の人々と出会ったことでした。


クルーズが終わって、彼らとお別れして、
私たちも日本に帰って来て。
あれから一か月以上がたつのに、
今でも折りにふれては、夫と、
ワン家の人々の話をしています。
おかあさんの穏やかな笑顔を思い出していると、
いつのまにか、涙が出てきます…。


ボーホン島が近づいてきました。スンソット鍾乳洞の入り口が見えます。


スンソット鍾乳洞は、ハロン湾最大の洞窟です。
ちなみに、「スンソット」とは、
「衝撃的な」という意味。
驚かないではいられない鍾乳洞、
ということでしょうか。


これまでの2回のハロン湾ツアーで行ったのは、
ティエンクン鍾乳洞(ダウゴー島)でした。
ハロン湾に点在する鍾乳洞の中で、
クルーズが立ち寄る、
最もポピュラーな鍾乳洞です。


スンソット鍾乳洞に行くのは、今回が初めて。
でも、鍾乳洞なんて、
どこでも同じようなもの…と、
このときは思っていました。


切りたった崖の中腹に、鍾乳洞の口がぽっかりと開いています。

ボーホン島の港を、丘の上から撮った写真です。ここに、私たちのボートも接岸し、上陸しました。

船着場には、たくさんの船が接岸していました。手前の小さなボートが、ワンナイトクルーズ船の「はしけ」です。うしろの船は、ワンデイクルーズ(日帰りツアー)船です。ワンデイクルーズの船は小型なので、港に直接停めることができます。

MIYOの隣りにあるのが、私たちを乗せてきた「はしけ」です。COZY BAY CRUISE というプレートが付いています。

上陸すると、鍾乳洞があるところまで、海沿いに作られた通路を歩いていきます。

けっこうな長さです。^^

通路を歩いているあいだも、こんな景観を楽しめます。

スンソット鍾乳洞がある場所に到着。ここからは、階段を延々と上がらなければなりません。笑

途中の踊り場が、撮影スポットになっていました。

そしていよいよ、鍾乳洞の中へ。細い階段を、一列になって降りて行きます。


【スンソット鍾乳洞】
ハロン湾で最も大きい鍾乳洞です。その面積は約12,200㎡にもなり、ハロン湾ツアーでもっともポピュラーなスポットと言われる「ティエンクン鍾乳洞」の、約2倍ほどの大きさを誇ります。


階段の下は、こんな感じです。もうね、観光客だらけですよ。芋の子を洗う状態。😂😂

実は、入ってすぐのこの場所が、撮影スポットになっているのです。なので、写真を撮りたい人たちでおおにぎわい。3密だのなんだのと気にしていられない状態…。

いきなり目の前にこんなのがありますから、そりゃあ写真を撮りたくなります。

ということで、私たちも。😄

写真をお願いした方が、がんばって何枚も撮ってくださいました。^^

そして撮影が終わると、みなさんぞろぞろと歩いて、さらに奥のスポットへと進みました。


(つづく)

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