積丹から幌加内へ。新緑の美幸線をトロッコで駆けた、9泊10日の北海道 5 - 小樽市鰊御殿⑤ 帳場と漁場風俗人形(2023年5月10日/1日め)
2023年5月10日 小樽市鰊御殿で。目の前には、祝津の海が広がっていました。(北海道小樽市)
5月10日(月)
小樽市鰊御殿に来ています。
ここまでは、一階左半分(ヤン衆たちの居住エリア)を歩きました。次は右半分の、親方一家の居住エリアを見ていきます。
玄関部分から見わたした、親方エリアです。7つの和室が続く、大広間になっています。写真には6部屋しか写っていませんが、手前右側にもう一部屋あり、そこが帳場になっています。
これは、親方エリアの図面です。まずは、玄関の隣りにある、帳場から見て行きます。
帳場です。ふたつの玄関(親方用とヤン衆用)の間にあります。
ぐるっと反対側にまわって・・・、
ここに座れば、番頭さんの気分です。笑 この部屋には、窓以外の3面すべてに出入り口がありました。
帳場からは、こんなふうに屋敷の中が見渡せました。
「漁場風俗人形」と題した、ガラスケースがありました。ニシン漁が華やかなりし頃の、漁場で働く人たちの風俗(服装)を再現した人形が、びっしりと納められています。(1960年に、小樽市菅原多恵子さんから寄贈されました。)
ニシンの陸揚げをする、もっこ背負いの女性たちです。着物はもちろんですが、前掛け、手ぬぐい、襦袢、帯など、ふたりとして同じ服装の人がいません。ひとつひとつを丁寧に作っておられることがわかります。(陸揚げとは、汲み舟からポンタモですくってもっこに入れたニシンを、船間から廊下などに背負って運ぶ作業です。)
船の中で腰かけた女性のもっこに、漁夫がニシンをすくって入れています。
タモや綱を持って働くヤン衆たち。
ニシンつぶしです。(ニシンつぶしとは、身欠ニシンを製造するために、ニシンの腹を裂いて、内臓、数の子、白子、エラを除去する作業のことを言います。)
ニシンつぶしについて書いた日記です。
コロナでもウポポイ3。札幌2週間ホテル暮らし 92 - 旧余市福原漁場⑤ 石倉(ニシンつぶしと漁の終焉)(2021年11月13日/11日め) - MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。
ニシンつぶしの作業は、ふたり一組になって行われました。ニシンをつぶす作業に徹する「つぶし方」と補助役の「つなぎ方」です。ここでは、つぶし方がつぶしたニシンを、つなぎ方が縄でつないでいるシーンが描かれています。
ニシンつぶしで取り出した白子やカズノコです。ほんと、芸が細かい。笑
今から60年も前にこの人形を作り、
寄贈された、菅原多恵子さん。
その丁寧な仕事に、頭が下がりました。
(つづく)