MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは21歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。

全盲難聴・のんたん - にはくりょこうの おみやげだよ①

2010年夏のベトナム・カンボジア旅行。ホーチミンの遊園地で。
(のんたんとあみちゃん 14歳)



長男が生活するS園では、毎年6月に、
全員で二泊三日の旅行に出かけます。
4年前、S園に入所して初めて出かけた二泊旅行の行き先は、
伊豆でした。
そのときのことです。


突然、ヤマト運輸から宅配便が届きました。
送り主は、長男です。
長男から宅配便が届くことなど、それまでになかったので、びっくり。
箱をあけてみると、りっぱな金目鯛のひらきが。
そうです。
長男が、旅行先から、お土産を送ってきてくれたのです。


長男は、「おみやげ」という言葉は、なんとなく理解しているようですが、
宅配便で親に送る、などということは、知りません。
なので、これは、園の心遣いです。
もちろん、我が家だけに送ってくださったのではなく、
園生ひとりひとりの家族あてに、
お土産を送ってくださっているのだと思います。


何十名もの園生をつれての、団体旅行です。
それだけでも、たいへんなはずなのに、
そのひとりひとりの家族の住所まで持参し、
園生といっしょになって、お店で品物を選んでくださったのでしょう。
園の深い配慮に、頭がさがりました。


おかげで、「子供が旅先からお土産を送ってきてくれる」という、
生まれてはじめての、うれしい体験をさせていただきました。
金目鯛は大きくて、とてもりっぱで、3枚も入っていました。


「のんたんの金目鯛だよ。」
と言って、夕食で、大事に、大事に、いただきました。


2年目の旅行のときは、お菓子の詰め合わせが送られてきました。
「きんめだいのひらき」は、伝えるのがむずかしいけれど、
「おかし」なら、話しやすそうです。
そこで、夏休みに帰宅したときに、長男に言ってみました。
「のんたん。おかし、いっぱい、とどいたよ。
 ありがとう。」


旅行から一ヶ月以上たっています。
ですから長男は、「なんのこと?」と思うかもしれないな、と思っていました。
けれど、わたしのことばをじっと聞いていた長男。
しっかりと、こう言いました。


「にはくりょこう だよ!」


私がなにを言っているのか、理解してくれたのです。


「そうだよ! にはくりょこうのおみやげのおかしだよね!
 おいしかったよ~。
 のんたん、ありがとうね。」


長男は、ほこらしげな顔つきでした。
つながった、と思いました。
長男は、旅先でお菓子を買ったことは覚えていたかもしれませんが、
それがどうやって家族のところに行くのかまでは、
イメージできていなかったかもしれません。
でも、こうして会話のやりとりができたことで、
「旅行先で買ったものが、おかあさんのところに届くのだな。」
と、ようやく実感できたと思います。


来年から、長男は、
「これは、おとうさん、おかあさん、あみちゃんに。」
と、はっきりと考えながら、「おみやげ」を選んでくれることでしょう。
そう。これが、「おみやげ」の意味なんだよ、のんたん…。


旅行先での、小さな買い物でも、たいせつな勉強です。
そのことを理解し、長男と行動を共にしてくれるS園。
家族への心遣いも、大切にしてくれるS園。
ありがたいなあ…。


毎年6月に届く、長男からの贈り物は、
我が家の小さな楽しみのひとつとなりました。


(つづく)


その他の記録は、
のんたん日記18
http://limings.sweet.coocan.jp/nontan18/nontan1800.html
をご覧ください。
ガンになって
http://limings.sweet.coocan.jp/miyo01/miyo1703.html
MIYO'S WEBSITE(全盲難聴の、のんたんの育児記録)
http://limings.sweet.coocan.jp/
も、少しずつ更新しています。

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