MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
http://limings.muragon.com/tag/?q=2019%E5%B9%B49%E6%9C%88-10%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0&p=4 
をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
https://limings.muragon.com/tag/?q=2017%E5%B9%B412%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0
小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 92 - 一泊6ドルの宿(2019年10月6日/36日め)

2019年10月6日 ホアロー収容所のすぐ近くにある、メリアホテル。もちろん、一泊6ドルでは泊まれません。笑


10月6日


日曜日です。
前日に続いて、今日も、朝からでかけます。


このころから、休日はいつも、朝ごはんを辞退し、
7時半には出発するようになっていました。
ご家族と一緒に朝ごはんをいただくと、
出かけるのがかなり遅くなってしまい、
時間がもったいないからです。


いつものバス停です。

このバス停には、10路線以上のバスがやってきます。自分が乗りたいバスが来たら、合図して停まってもらう、というシステムです。誰も合図しないと、バスは停まらず、そのまま通過してしまいます。

東河門前で下車し、前日と同じ道を歩きました。「ハノイ・スケッチウォーク」ののぼりがたくさんあるのに気がつきました。前日、東河門をスケッチしていた方々は、このフェスティバルのために、アジア各国からベトナムまでやってこられたようです。

コーヒーの専門店を見つけました。

店内の壁は、コーヒーで埋め尽くされています。

オーナーさんが、ひとつひとつを説明してくれました。200gで1000円近い値段です。良い物なのだろうと思いますが、私にはちょっと手が届きません。

さらに歩いていて見つけた、「はっぴーはうす」。ここは、日本人向けの安宿です。間口は1メートルくらいか? 人ひとりがやっと通れるくらいしかありません。

通路に貼ってあったパネル。二人用の部屋が、一泊10ドル(約1100円)。二人で泊まれば、ひとりあたり5ドルということでしょうか。たぶん、シャワーとトイレは共同で使用するのだと思います。

安宿では定番の、ドミトリータイプ。二段ベッドが並びます。荷物入れのロッカーがついて、一泊6ドル(約600円)。安いです。


なつかしいなあ…。
40年前の大学生のころ、
バックパックで、ヨーロッパを40日間、
ひとりで歩いたことがあります。


そのころに泊まったのは、
たいてい、こんな安宿でした。
いちばん安かったところは、
一泊300円。笑
野宿もしましたね。爆


あのころは、
「寝るだけなら、どこだって同じ。
 宿は安いのがいちばん。」
と思っていました。
だから、とにかく安いところを探して、
ホテル代を節約するのが、楽しかった。^^


今は、というと、
「こんな安宿に泊まるくらいなら、
 海外旅行はしない。」
と思います。


年を取って気力が落ちたのか、というと、
そうではありません。


あの頃は、親のすねをかじる学生でした。
貧乏旅行はあたりまえ、と思っていました。


でも、その後、40年近くを、
夫婦で一生懸命働いてきたのです。
今は、自分で働いて貯めたお金で旅行するのだから、
お金は好きなように使いたい。


そういうわけで、
「もう、安宿での修業はおしまい。
 こんなところで節約しなくても、
 数日のあいだ、
 ちょっとだけましなホテルに泊まるくらいのお金なら、ある。
 それが、『今までがんばって働いてきた』ということ。」
と思うようになりました。


つまり、今の私にとって、旅行は、
「修行」ではなく、
がんばって働いてきた自分への、
「ご褒美」だと思うのです。


いまさら修行など、したくありません。
「一泊6ドルの相部屋に泊まるくらいなら、
 旅行なんかしないで、
 家で快適に生活した方がいい。」
というのが、今の私の考えです。


でも、夫は違うようです。
私といっしょの旅行では、
もう少しましなレベルのホテルに泊まりながらも、
「オレは、安宿でも別に平気だから。
 一人旅なら、今でもそういうところでいいと思う。」
などと言います。


「だったら、あなただけそこに泊まれば?
 私は私で、いいホテルに泊まるから。」
と言いたい気持ちは、一応、がまんしています。(苦笑)


おしゃれなビストロ。ベトナムフレンチの国だけあって、こういうお店もたくさんあります。その日のメニューを黒板に手書きしているお店が、MIYOは大好きです。^^

シルク通り。シルク製品を扱うお店がたくさん並んでいます。

ハノイ旧市街でよく見かける、ダブルデッカー。市内を周遊するバスです。ホアンキエム湖の広場やオペラハウス前など、乗り場はたくさんあります。

ホアンキエム湖のほとりを縦断し、さらに歩いて、湖の反対側にある、メリアホテルまで来ました。高級ホテルです。

メリアホテルの隣りにある、遊歩道。メリアホテルの一部なのでしょうか。こぎれいなお店が、整然と並んでいました。

さらにその隣りにある、瀟洒な建物。裁判所のようです。

ここまで歩き続けて、ようやく、「ホアロー通り」の標識を見つけました。やったあ。^^ ホアロー収容所は、もうすぐそこです。


バスを降りた停留所から、ここまで、
地図を頼りに1時間ほど歩いたと思います。
街歩きが楽しいので、全然苦になりません。^^


今日の目的地である、「ホアロー収容所」を目指して、
ホアロー通りをさらに歩き続けました。


(つづく)

定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 91 - 薬草通りを歩く(2019年10月5日/35日め)

2019年10月5日 「旧家保存館」の近くにあるカフェ。ハノイ名物・エッグコーヒー発祥のお店だそうです。


10月5日


ホアンキエム湖畔の散策を終え、
帰りのバスの停留所に向かって、
北西方向に歩きました。


半分くらい歩いたところで、
不思議な臭いが漂ってきました。
これは、漢方薬ですね。
漢方薬を煮出しているときの臭いです。


地図を見ると、近くに「薬草通り」があるようなので、
ちょっと寄ってみることにしました。


薬草通りです。歩道上には、イスとかバイクが多数置いてあり、まっすぐ歩くことができません。


通りの両側に、延々と、漢方薬のお店が続いています。
これでは、臭うわけです。笑
もっとも、ここはベトナムなので、
「越方薬」というべきかもしれませんが…。


どのお店も、相談に来たお客のためのイスを、「歩道」に置いています。店内で応対する気は、さらさらないようです。っていうか、店内は倉庫と化しており、そんなスペースはないのでしょう。

間口はほんの2メートルくらいしかないのですが、中をのぞくと、例によって奥行きがあります。

このお店の横幅は、たったコレだけ。笑 幅50センチくらいでしょうか。棚いっぱいに、漢方薬を並べて売っています。

小規模店舗では負けません。天秤棒が一本あれば、誰でもお店が開けるお国柄。漢方薬を満載して、通りを売り歩く人もいます。

このような設えのお店は、台湾でも見かけました。たくさんの引き出しがあり、中に、漢方薬が分類して収められています。他の雑多なお店とは、一線を画していますね。^^

でも、ほとんどのお店は、こんな感じ。漢方薬をつめこんだビニール袋を、無造作に並べて売っています。一軒あたりの間口は、1メートル前後でしょうか。

どのお店にも、お客を待って、日がな一日、ぼんやりとイスに座り続けている人がいました。これはこれで、のんきな商売(苦笑)。「これでも食べていけるんだなあ」と、ちょっとうらやましかったりします。

薬草通りの近くにある、竹製品通り。ここには、たくさんの竹竿が立てかけてあります。

さらに、その先にある、催事通り。季節柄、どのお店も、ハロウィーングッズでいっぱいでした。

目指すバス停は、このお寺のすぐ先にあります。

バス停に到着! 今日も12キロくらい歩いたと思います。^^

自宅近くのバス停で下車。そういえば、お風呂の石鹸がなくなっていた、と気づき、Vinmartというコンビニに寄ってお買い物。いちばん安い石鹸を買いました。一個60円くらい。あまり安くないですね。

お菓子コーナーで発見。Missyさんが大好きな、「ハニーバターアーモンド」の姉妹品、「ハニーバターマカダミア」と「ワサビ風味アーモンド」。韓国人も、日本のワサビが好きなんですね。

韓国のり。なぜか、パッケージの印刷は日本語。日本向けに製造したついでに、ベトナムにも輸出しているのかな。

これも韓国のり。「香ばしくパリパリ」「ごま油/竹塩入り」「ふりかけのり」「おつまみに」などと、日本語満載です。

たい焼きの形をした、モナカアイス。「タイヤキ」と書いてありました。日本が大嫌いなはずなのに、韓国の製品には「日本の香り」があふれていました。(苦笑)

晩ごはんです。ダイエット中のタムさんのごはんは、私のごはんの1/3くらいしかありません。おかずも、かなり少ない。本当は、私もそうしてほしいですのが…。こうして見ると、今日も、私の食事は、誰よりも多いです(苦笑)。

エビの竜田揚げ、バラロット(こしょうの葉で包んだハンバーグ)、豚肉の甘辛炒め、ごはん、ロールキャベツのスープ。


「今日も量が多い」と文句などを言ってはおりますが、
とてもおいしいお食事でした。


明日もお休みです。
今日よりも少し先のところまで足を伸ばして、
ホアロー収容所まで、行ってみようと思います。


今日も楽しい一日でした。


(つづく)

定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 90 - 水上人形劇場でランチ(2019年10月5日/35日め)

2019年10月5日 タンロン水上人形劇場のカフェで。設置されているテレビで、人形劇を観ることができます。


10月5日


玉山祠を出て5分ほど歩き、
タンロン水上人形劇場に着きました。
ここには、2年前、家族で旅行した時にも、
来ています。
なつかしくなって、入ってみました。



人形劇場は2階で、
1階はカフェになっています。
普通のお店よりも少しだけ高いのですが、
店内は清潔だし、
居心地の良い雰囲気です。
さすがに、利用客は外国人ばかりでした。


お昼をだいぶ過ぎていたので、
休憩を兼ねて、
ここでなにか食べることにしました。


外にテラス席もあるのですが、暑かったので、冷房の効いている室内の席を選びました。

店内には、劇に使う人形が、たくさん飾ってあります。

ガラスケースの中の、たくさんのケーキ。どれもおいしそうです。^^

カウンターのお兄さんに注文し、代金を払いました。

これがレシートです。68番の番号札をもらって、テーブルで待ちます。

壁際の小さなテーブルが空いていたので、そこに座ることにしました。

レジでもらった68番のプレートを、テーブルに置きました。注文したものは、この番号を目印に、持ってきてもらえます。

この日のランチです。^^ アイスコーヒー(50000ドン、約250円)と、オムレツとベーコンのバインミー(35000ドン、約175円)です。


暑かったし、お腹が空いていたし、で、
アイスコーヒーもバインミーも、
超おいしかったです。^^


その上、目の前のテレビでは、
約50分の水上人形劇のビデオを、
延々と流してくれます。


画面には、人形がどアップで映し出されるので、
劇場で見るよりもずっとはっきりと、
人形を見ることができます。
これはこれで、おもしろい。^^


店内はwifiが使えるので、
ネットもやりたい放題で、
Lineで日本に電話もできます。
あまりに居心地がいいので、
このお店に、1時間以上、居座ってしまいました。笑


「水上人形劇を観る時間がないけど、
ちょっとだけでも観たい。」
と思う方は、
このカフェに入れば、店内のテレビで、
人形劇を鑑賞することができます。


店内のテレビ。水上で舟を漕ぐ人形たちのひとつひとつを、はっきりと見ることができました。

ついたての向こう側にあるのは、トイレです。有料ですが、清潔なトイレです。左側に写っている階段を上がると、2階の水上人形劇場に行くことができます。


カフェを出て、さらに、ホアンキエム湖周辺を歩きました。


「ラップ&ロール」という、ベトナム料理のレストランを発見。

包んだり巻いたりするベトナム料理のお店です。一皿が300円くらい。次はぜひここに入りたい、と思ったのですが、結局、その後も、行く機会がありませんでした。残念。

その並びにある、広東料理のお店。

こちらもおいしそうです。ホアンキエム湖の周囲は、外国人向けの、ちょっとこぎれいでちょっと高めの、おいしそうなお店がいっぱいあります。^^

…と、歩いているうちに、なつかしい建物の前に来ました。このビルの最上階には、「カウゴー」というレストランがあり、2年前、家族で食事しました。わあ、なつかしい。^^


このお店、お料理もおいしいのですが、
店内で食事しながら、
ホアンキエム湖を見下ろすことができるという、
抜群のロケーションにあります。
お勧めのレストランです。^^


このレストランの隣りは、ちょっとした広場になっていて、
大きなビルの向こうには、
外国人向けのレストランがいくつも並んでいます。


ああ、そうそう。
この、ケンタッキーの看板の前を、
家族4人で何度も歩いたなあ、
と、なつかしさが全開でした。^^


2年後に、自分ひとりでまたここに来るとは、
夢にも思っていませんでしたが…。笑


さて、ここまで、朝からずっと、南へ、南へ、と
歩いてきたのですが、
ここからは、北西方向に向かって歩くことにしました。
その先に、自宅に帰るバスの停留所があるためです。


このあたりは、旧市街の中でも、
特ににぎやかな通りがつづきます。
観光客向けのレストランやお土産物屋さんなど、
ただ歩いているだけでも、飽きることがありません。


たくさんのお店が並ぶ、ハノイの目抜き通り。観光客が多い、華やかなエリアなのですが、こんなところでも、天秤棒で果物を売る女性が、当たり前に見られます。^^

画廊がありました。手前に飾ってあるのは、少数民族の女性の絵です。

間口は狭いですが、奥行きは広い! ベトナムらしい絵もたくさんあります。ゆっくり見ていたかったけれど、そろそろ帰る時間になっていたので、入り口付近の絵だけを見せていただきました。


そろそろ3時です。
午後4時を過ぎると、バスがひどく混んで、
日本のラッシュアワー並みになることもあるので、
できれば、それは避けたい。


ということで、バス停への道を急ぎました。


(つづく)

定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 89 - エステと玉山祠(2019年10月5日/35日め)

2019年10月5日 玉山祠の東屋(あずまや)から、美しいホアンキエム湖をのぞむことができます。


10月5日


「旧家保存館」を後にし、
ハノイ旧市街を、さらに南に向かって歩きます。


このへんから、道路のあちこちで、
エステの看板が見えるようになりました。


こんな小規模のエステがいっぱいあります。価格をチェックしていたら、この女主人につかまってしまいました。笑 


価格は、1時間あたり、1000円~2000円というところでしょうか。
日本では、通常、6000円くらいかかりますから、
日本のエステに行くよりはオトクです。


前回、エステに行ったのは、9月14日。
タムさんが連れて行ってくれたのですが、
そのときから3週間ほど経過しています。


そろそろ行ってみようかな、と思っていたので、
入ってみることにしました。
もちろん、値切り交渉は忘れません。笑


店内です。間口は3メートルほどの、小さな建物ですが、入り口を入ってみると、奥行きがあります。ベトナムでは、こんなふうに、間口が狭くて細長い建物が多いです。まずは、この受付カウンターで、料金を払いました。

受付の隣のスペースは、フットケアのサロンになっているようです。欧米人の男性が、爪と足のケアをしてもらっていました。「自分の足がこんなにきれいになるなんて!」って、喜んでいましたよ。笑

MIYOは、奥の階段で3階まで案内されました。ここが、フェイシャルケアの部屋になっています。


この日のコースは60分で、
クレンジングとピーリングのあとで、
マッサージと続き、最後はパックです。
料金は、1700円くらいだったような気がします。


パックをしている間、
頼んでもいないのに、頭とか足とか、
あちこちをマッサージしてくれました。
で、最後に、
「がんばったから、チップちょうだい。^^」
と。


しょうがないから、あげました。笑
ちなみに、ベトナムのエステやマッサージのお店では、
最後に必ず、チップをあげることになっています。
目安は、50000ドン(約250円)くらいだそうです。


さて、エステを出て、さらに歩いていると、
ホアンキエム湖に行きあたりました。



あてもなく湖畔を歩いていると、
多くの人が入っていくスポットを発見。^^


ガイドブックも何も持たず、
地図一枚を見て歩いているので、
そこがなんであるのか、全然わかりません。(苦笑)
でも、たくさんの観光客でにぎわっていたので、
きっと有名なところだろうと思い、
入ってみることにしました(笑)。


以下の説明は、後になって、ネットで調べたものが含まれます。
この写真を撮ったときは、なんにもわからず、
ただなんとなく歩いておりましたが、
まあ、それでもどうにか、観光はできるものですね。^^


幅およそ200mほどの小さな湖ですが、湖の北側には「ゴックソン島」と呼ばれる小さな島があります。ここには「玉山祠(ぎょくさんじ)」という名前の祠が建っています。写真は、玉山祠の門です。観光客が、次々に入っていきます。

門を入ると、右手にチケット売場があります。チケットは30000ドン(約150円)。玉山祠の開館時間は、平日の7:00~18:00です。

玉山祠の入館券。

入館券を購入し、二つ目の門を入ります。

さらに三つめの門をくぐると、赤く塗られた木造の橋が…。ここは「関所」になっていて、露出の多い服を着ている人は、ここから先にいれてもらえません。ちょうど、タンクトップを着て入ろうとしていた欧米人の女性がふたり、足止めをくってしまいました。係員から、藤色の上っ張りのようなものを渡されて、しぶしぶ、それを羽織ります。笑

床屋さんの作業服みたいですね。^^ 欧米人には、タンクトップとかショートパンツとかで、お寺に入ろうとする人がけっこういますが、そんな人たちだって、キリスト教会にはそんなかっこうで入らないはずです。もっと、その国の文化や宗教に敬意を払ってほしいな、と思います。

…ってことで、赤い木の橋を渡りました。橋の上から、ホアンキエム湖が臨めます。

中央に見えるのは、タンロン水上人形劇場かな?^^

橋を渡って、ゴックソン島に上陸しました。ハノイ屈指の観光スポットとあって、写真撮影の観光客でごった返していました。

島の反対側にある、正殿に入ってみました。古めかしくも歴史を感じさせる佇まいです。創建は13世紀で、この建物は1865年に再建されたものだそうです。

この玉山祠のメインは、チャン・フン・ダオ(陳 興道‐ちん・こうどう)等が祭られた祭壇です。この人物は、1288年に起こったベトナムの王朝による紛争「白藤江の戦い」で、敵国に打ち勝った英雄として崇められているそうです。

チャン・フン・ダオ等が祀られた部屋の隣りへ行ってみると、そこには、体長2mにもおよぶ大きな亀の剥製が展示されていました。これは、このホアンキエム湖で1968年に捕獲された亀で、体重は250kgもあったとか。


この地には、「還剣伝説」というものがあります。
15世紀に、ベトナム王朝の皇帝、レ・ロイ(黎利‐れいり)が、
神から授かったとされる宝剣を手に、
当時ベトナムを支配下に置いていた明と戦い、
勝利しました。
その後、神の使いとされる大亀が湖から現れて、
その宝剣を持って湖へ帰って行ったのだそうです。


「還剣(剣を返す)」という文字を、
ベトナム語で読むと、
「ホアンキエム」となります。
これが、湖の名前になりました。


1968年になって、
大亀が、ホアンキエム湖で発見されました。
これが、当時の伝説に出てくる亀なのではないか、
と言うことになったそうです。


ただし、この大亀以外にも、ホアンキエム湖では、
これまでに何匹か大亀が見つかっているそうです。


玉山祠は地味な場所ですが、
古来から伝わる伝説を感じる観光スポットとして、
良い場所かもしれません。


観光時間の目安は、15分~30分くらいです。
タンロン水上人形劇場の向かい側にあるので、
水上人形劇を6時から見る予定の方で、
その前の30分程度の時間があれば、
ホアンキエム湖畔を散策しながら、
ちょっと寄ってみてもよいのはないかな、と思います。


(つづく)

定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 88 - 旧家保存館「マー・マイ87番の家」②(2019年10月5日/35日め)

2019年10月5日 旧家保存館「マー・マイ87番の家」。イスの向かい側の扉を開け放つこと、イスに座ったままで、1階の中庭を見下ろすことができます。


10月5日


主が座ってくつろいでいたと思われる、
イスのある小部屋から、
さらにその隣りの部屋に入りました。


ここは、主夫婦の寝室です。
当時の家具がたくさん残っていて、
豊かな暮らしぶりがうかがえます。


入り口を入ると、左手に大きな寝台、その奥には飾り棚、右手には文机が見えます。

寝台の下部には、螺鈿と彫刻のい細かな装飾が施されています。


この部屋の奥の扉は、さらに、
2階の屋上部分へと続いています。


屋上部分から、寝室に向かって撮った写真です。寝室の隣りのイスのある小部屋、さらにその向こうの仏間まで、各部屋の扉を開け放つと、通路が一直線に続いています。

再び、仏間まで戻りました。ここから階段を降りて、次は1階を見てみましょう。

1階の入り口を入ってすぐのところには、
お土産物を並べてあり、
その先には、応接テーブルが置いてありました。
ここは、来館者が自由に座ることができます。


ベトナムで昔から伝わっている子どものおもちゃやゲームを、ここで体験することができます。遊び方は、ボランティアさんが教えてくれます。

子どもたちの昔のおもちゃ。売店で購入することもできます。

応接テーブルの隣りに中庭があり、その奥はリビングルームだったようです。家族の食事の部屋としても使われていたかもしれません。

なぜなら、この部屋のさらに奥、写真右手の扉の向こうに、台所を設置してあるからです。

台所です。

左から、ミニテーブル、粉ひきの臼、作業用のいす、水がめ、食器棚。そして、食器棚の裏側が、かまどになっています。

かまどです。

台所のさらに奥の部分です。左手に見えるのは、水をためる水槽と水がめ。ここは、水仕事をしたり、体を洗ったりするための場所でした。この奥に見えるのは、収納庫のための扉です。収納庫の左には小部屋があり、ここも倉庫でした。右にも小部屋があり、ここは現在はトイレになっています。

ひとりで館内をあちこち見ていたら、「説明しましょうか?」と英語で話しかけてくれた、ボランティアさん。大学で英語を勉強していて、英会話の練習のために、ボランティアをしているそうです。「旧家保存館」には、このような学生のボランティアさんが、常時、数名待機しているようでした。残念ながら、日本語のボランティアさんはいません。^^


博物館もいいですが、こんなふうに、
古い家具などがそのまま残っているような、
古い家屋を訪ねるのが、
MIYOは大好きです。^^


この「旧家保存館」では、
当時、この家に住んでいた方々の暮らしに
思いをはせながら、
自分のペースで、ゆっくりと、
家の内部を見てまわりました。


時間を気にすることなく、
当時の雰囲気に思う存分ひたることができた、
至福のひとときでした。


「旧家保存館」は、日本の普通のツアーでは、
まず、行くことはありません。
が、100年以上前の人々の生活に触れることができて、
見どころたっぷりの施設です。


旧市街の中心にあり、
タクシーでも簡単に行くことができます。
ほんのわずかでも、ハノイで時間が余ったら、
ぜひ、訪ねてみることをお勧めします。


(つづく)