「ガンになりました。再発しました。」
と言うと、誰もが驚き、そして気遣ってくれます。
「でも、なんでそんなに冷静なの? すごいね。」
と言う人もいます。
すごいかどうかは別として、
動揺していないのは、たしかです。
なぜ自分だけが、と思うこともないし、
不運を泣いて悲しむようなこともありませんでした。
悲しいか? と尋ねられれば、
んー…。悲しい気持ちはない、かな?
と思います。
その理由は、わかっています。
自分の人生で、いちばん悲しかったことが、
もっとずっと前に、すでに起こっているからです。
それは、超未熟児で生まれた長男が、失明してしまったことです。
たいせつな我が子が、生後数ヶ月で失明してしまった日。
救急車で、NICUから専門病院に搬送された息子を追いかけて、
ひとりで電車に乗り、バスに乗り継ぎながら、
ずっと、涙が止まることはありませんでした。
私のこれまでの人生で、いちばん悲しかった日、でした。
あの日は、本当につらかった。
自分の子どもが失明する悲しさと、
自分自身がガンになったときの気持ちなんて、
比べるようなものではありません。
けれど、あのときのことを思うと、
今の自分のガンなんて、どうってことないように思えます。
今、ガンという試練に見舞われても、それを悲しいと思えないのは、
あまりにも大きな悲しみを、すでに知ってしまったせいなのかもしれません。
多分、私の人生で、あのときよりも大きな悲しみは、
これからも起こらないのではないかと思います。
(そう願っています。)
今、ガンになっても、悲観したり落ち込んだりせず、
淡々と生きている自分がいます。
今の私は、
あの、人生でいちばん悲しかった日の長男に、
支えてもらっているのかもしれません。
その他の記録は、
ガンになって
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をご覧下さい。
ガンになって、やったこと
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