MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 163 - 文廟②(2019年10月21日/51日め)

2019年10月21日 文廟で。ベトナム最古の大学「国子監」です。


10月21日


「ハノイの学問の神様」として知られる、
文廟に来ています。



入り口から三つめの門である、
奎文閣を抜けると、目の前に、
天光池という池が広がります。


天光池


池の両脇には、
科挙の合格者の名前が掘られた、
亀の石碑が並びます。


奎文閣と池を背に。

そして、四つ目の門である大成門を抜けると…、

孔子が祀られている大聖殿に到着します!

いい年して、いいかげん、こんなことはやめてほしいと、ただただ願うばかりです(苦笑)。

大聖殿へ入る前の拝殿には、亀と鶴の像があります。その鶴のお腹と亀の頭を撫でるとご利益があるといわれています。


大聖殿の入口は、
敷居を高くしたつくりになっています。
孔子に対して、必ず頭を下げて入るように、
という気持ちからなのだそうです。


大聖殿に祀られている孔子像

そして、いよいよ、「国子監」に到着します。

大聖殿の裏にある、「国子監」。ベトナム最古の大学です。


国子監の中には、
教師であった、
Chu Van An(チュー・ヴァン・アン)の像や、
ベトナムの教育の発展に貢献した
3人の皇帝の像が祀られています。


Chu Van An像

階段を上がって、2階から見下ろした、国子監。

2階には、ベトナムの教育の発展に貢献した、3人の皇帝の像があります。

2階部分から見える景色です。ここにしばらく佇んで、甍の波を眺めていました。

小さなお堂のようなものが見えます。

あとで近寄ってみると、大きな太鼓が祀られていました。


中国に倣って、ベトナムでも、
科挙が行われました。
多くの若者が、士官するために勉強を続けたのですが、
貧しい家庭では、
妻が働いて、夫の勉強を支える、
ということも少なくありませんでした。


ある夫婦の話です。
夫は、長年、妻に支えられて、
苦労の末、ようやく、
科挙に合格しました。
すると高官が、
「自分の娘の婿になれ。
 さもなくばここで殺す。」
と言い、
無理矢理結婚させてしまいました。


田舎では、科挙に受かったきりで、
何年も帰ってこない夫を、
妻が待ち続けていました。


ある日、妻はとうとう、
幼い子どもの手を引いて、
夫に会いに行きます。


都で、ようやく夫に会うことができたのですが、
その妻に対して、夫は、
「おまえのような女は知らない。」
と言い、
追い返したのだそうです。


「科挙にまつわる、そんな話は、
 ベトナムにはいっぱいありますよ。」


広い文廟を歩きながら、
ローさんが、そんな話を
聞かせてくれました。


ここ文廟では、
古の人々の悲しみや喜びが
数えきれないほどに、
くりかえされてきたのだと思います。


それらのすべてを覆い隠すかのように、
穏やかな空気に満ちた場所。
それが、現在の文廟でした。


(つづく)

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