定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 146 - 花モン族の「ファミレス」(2019年10月20日/50日め)
2019年10月20日 バックハーの食堂街で、穀物を売る家族。
10月20日
家畜市場を出て、食堂街にやってきました。
ちょうどお昼時なので、
昼食をとるたくさんの人々でにぎわっています。
道路のずっと向こうのほうまで続いている、食堂街。
中はこんな感じです。コの字型に設置したテーブルが一区画になっていて、区画ごとに、オーナーがついているようです。
手前から、嫁、夫、姑、長男…といったところでしょうか。^^
あたりまえですが、みなさん、家族ごとにかたまって座っています。つまり、遠くの村から家族みんなでやってきているんですね。商売、買い物、外食を兼ねた、家族の楽しい外出なのかもしれません。
食べているものはと言えば…、またまたこんな感じです。笑
鶏肉を揚げる、香ばしい匂いが漂っていました。
もちろん、誰もが食べている、フォー。^^ 子供のために、茶わんに取り分けている女性。
弟に食べさせるお姉ちゃん。お母さんは食事中です。笑
お母さんとおばあちゃんにはさまれて。
様々な家族の食事風景を垣間見ることができました。^^
このふたりは、久しぶりに出会ったようです。
しばらく、立ち話に興じていました。
食堂街の、エネルギッシュなパワーに圧倒され、ボー然と立ち尽くす、MIYOと長女。笑
食堂街と道路をはさんで、反対側にも、ところどころで、花モン族の皆さんがお店を開いていました。
家族総出で、穀物を売っているお店。手前から、夫、姑、妻、次女、長女、のようです。
トウモロコシの粉のようなものを、茶わんに盛り…、
それをさらにビニール袋に移して、「一杯あたり**ドン」として売っていました。
上の写真で、注目していただきたいのは、
家族それぞれの衣装です。
お母さんとおばあちゃんが着ているのは、
伝統的な花モン族の衣装です。
が、隣りにいる長女と次女のそれは、
まったく異なる、「なんちゃって民族衣装」です。
ぱっと見はかわいらしいのですが、
よくよく見てみると、
「なんちゃって民族衣装」には、
あたりまえですが、伝統や品位が感じられず、
安っぽいな、という印象です。
実は、このあとに行く土産物市場で、
このような「なんちゃって民族衣装」を
たくさん見ることになります。
ですが、それらを買っているのが、
観光客ではなく、花モン族の人々だとは、
このときはまったくわかりませんでした。
この、「なんちゃって民族衣装」。
おそらく、もともとは、カットカット村で、
観光客向けのレンタル衣装として
始まったのだと思います。
それが、なぜか、
花モン族の人々のオシャレ着として、
オオウケしてしまった、
ということではないでしょうか。
残念ですが、こうして、
伝統はくずれつつあるのだなあ、と思います。
でも、彼女たちにとっては、
「なんちゃって民族衣装」は、精一杯のおしゃれ。
私たちがそれを、むやみに責めることはできない、
とも思うのです…。
安っぽい、「なんちゃって衣装」に親しんだ彼女たちが、
この先、どのような文化を作っていくのか、
または、失っていくのか。
それは、誰にもわかりません。
(つづく)