MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 78 - 路上結婚式(2019年9月28日/28日め)

2019年9月28日 ハノイでは普通に見かける、路上食堂。奥の女性が立っている部分が、厨房です。その右が、自宅の出入り口なのですが、家の中はいっさい使用しません。作るのも食べるのも、洗うのも、捨てるのも、すべて、歩道です。この状態では歩けないので、車道に出るのですが、そこには路上駐車もあります。結局、車道の反対車線を歩かざるを得なくなります。


9月28日


朝7時半に出発して、
ホーチミン博物館、ホム市場、
女性博物館、ホアンキエム湖、
ハノイ大教会…と歩き、
バスに一時間揺られて、夕方、帰宅しました。
今日も、一日で13キロくらい歩いたと思います。


一番前でえらそうに座っているのは、乗客ではなくて、車掌さんです。車掌さんは、一番前の席を自分用に確保していることが多いです。

晩ごはんです。私のチキンだけが、めちゃくちゃ大きい。これ、ほんと、やめてほしいんですけどね…。

メインのチキンは、市場で買ってきました。

ベトナム風のお粥とチキン。

子どもたちは、お粥でなくてジャージャー麵でした。笑

夕食後は、旧市街でお土産に買って帰ったベイクトチーズケーキを、デザートにいただきました。

ハイさんの分も入れて、6個買いました。日本だったら普通の価格ですが、一個分の値段で、庶民のお昼ごはんが2回食べられます。ベトナムでは、けっこうなぜいたく品です。

アインちゃん、「おいしい~。今まで食べたケーキの中で、いちばんおいしい!」と、喜んでくれました。

ノックちゃんもにっこり。いいお顔です。^^


さて…。
この日、いちばん驚いたことについて、
お話します。


旧市街からバスで戻り、
バス停から自宅まで続く道を
歩いていたときのことです。


自宅のある通りに、とつぜん出現していた、
巨大なテント。


ど~~~~ん。


車道の大部分を占めるテント。
バイク一台がようやく通れるスペースしか
残っていません。


これでは、車が通れなくて困るのでは…?
と思いながら、テントの反対側に回ってみました。


テントのなかには、10個ものテーブルが並べられていました。

ひとつのテーブルに、6人分のセッティング。全部で60人分です。かなり大きなテントだということが、おわかりいただけるかと思います。


帰宅して、タムさんに訊くと、
「ああ、結婚式よ。」
と、事も無げに。


車道の上で結婚式だなんて…。


「近所から苦情がでたりしないんですか?」
と訊くと、
「そんなものあるわけない。
 みんないっしょよ。」
と、笑われました。
誰でもやる、ふつうのことだから、
という意味のようです。


これまで、ハノイの歩道では、
食堂だったり、厨房だったり、
洗い場だったり、散髪屋だったり、と、
さまざまな用途に使われているのを見ましたが、
いちばん驚いたのは、これ。
なんと、「結婚式場」でした。(爆)


ですが、これまでの、歩道を利用しているのと違って、
ここは車道です。
これでは、車両が通れなくなってしまいます。
誰も、迷惑だと思わないのでしょうか。


そのことがずっと気になっていたので、
後日、ローさんに、尋ねてみました。


ロ「結婚式は、ホテルや結婚式場で行うこともありますが、
  そういうお金がない人は、路上のテントで行います。」
ミ「お金がないのはともかく、
  車道にテントを作ると、
  車が通れなくなって困るでしょう?」
ロ「まわり道していきます。


ローさんは、至極当然のこととして、
即座に答えました。


ミ「…あの、ですね。
  日本では、そういうことは、許されません。
  救急車や消防車が、道を通れなかったら、
  困りますよね?」
ロ「救急車や消防車だって、まわり道すればいいんです。


どうして、こういう言葉が普通に出てくるのか?爆


ミ「じゃあ、じゃあ、訊きます。
  脳溢血で、一分でも早く手当てしなければならない人とか、
  大けがをして、一秒でも早く止血して欲しい人とか、
  家が大火事で燃えているときとか。
  そういう人たちのところに行くのが、
  救急車や消防車でしょう?
  自分の親が脳溢血でも、
  自分の子どもが大けがでも、
  自分の家が燃えているときでも、
  救急車や消防車が、まわり道すればいいと、
  そう思いますか?」


ロ「…あー。
  ベトナム人は、誰も、
  そんなことを考えません。


…でしょうね。
あってはならないことだけど、
こんな結婚式テントのために、
被害を受ける人だって、
たぶんいるはずなのです。


おそらく、手遅れになる事態が起こったとしても、
「あの結婚式テントさえなければ、
 間に合っていたかもしれない。」
なんて考える人が、
ベトナムにはいないのだろうなあ、と思いました。


そういえば、夫が言っていました。
「道路を救急車が走ってくると、
 走行中の車が、いっせいに道をゆずる。
 こんなことするのって、日本人だけだって、
 外国人が驚くそうだよ。」


笑えない話です…。
日本人に生まれてよかったと、
思った瞬間でした。


それからおよそ一か月後。
自宅の近所で、
再び、巨大なテントが出現しました。
今度は、車道の幅いっぱいに設営してあり、
もはや、バイクすらも通れません。


道路を通行できなくて困っている、バイクの男性。(2019年10月25日)

やむなく、バイクを路上に止めて、歩いていきました。

テントの中はこんな感じ。6人用のテーブルが6個。3段のケーキスタンドとカップが置いてあるので、ティーパーティーになるようです。


私が滞在していた2か月の間に、
2回も見かけたということは、
単純計算すると、
「自宅の付近で、月に一回は、
 車道上で結婚披露宴がある。」
ということになります。


たまたま、私が見かけただけですから、
本当はもっと多いのかもしれません。


これ、すごい頻度だと思うのですが…。
いっそ、「公民館」みたいなところでも作って、
みんながそこを利用すればいいだけのこと、
と思います。
そうすれば、車道で披露宴なんて、
しなくてすむわけです。


って、ここまで考えて、気がつきました。
「公民館」とか「地区センター」とか、
そんな類の建物、
一回も見たことがなかったな、…と。


「そんなもの必要ない。
 結婚式は車道でやればいいのだから。」
と、行政も考えている、ってことなんでしょうか。


(つづく)


「ブンチャー」の食堂。きちんとしたお店があるのに、店内で行うのは盛り付けだけ。鍋やコンロは歩道上に置いてあり、火を使う料理は、すべて、路上で行います。

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