定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 42 - ベトナムの朝ごはん、「ビトロン」(2019年9月15日/15日め)
2019年9月15日 ビトロン。食べる勇気、ありますか?^^
【閲覧注意】
って、もう、トップに画像を出しちゃいました。すみません。
9月15日
ある日のことです。
タムさんがスマホの写真を見せて、言いました。
「MIYOさん、これ、知ってますか?
これは、鶏肉を巻いています。」
鶏肉を巻いて、って言うと、八幡巻みたいなの?
と思いながら、スマホをのぞいて、
はっとしました。
「もしかして、ビトロン?」
「あっ 知ってますか。」
うわ~~~
久しぶりに聞く、この名前。
はい…。ビトロンです。^^
ビトロンとは、孵化直前のアヒルのタマゴをゆでたものです。
ベトナム以外では、フィリピンでも食べられていて、
こちらでは、「バロット」と呼ばれています。
生タマゴと孵化状態の中間くらいのタマゴをゆでたもの、と言えば、
想像できますでしょうか。
味はトリとタマゴの中間のようで、
「親子丼風味」だそうです。
ベトナムではあたりまえの食べ物で、
「ビトロン売りの少女」という、
有名な小説もあるそうです。
30年くらい前、たまたま本でそれを読んだとき、
あまりの衝撃に、夫婦で大笑いしたものでした。
「では、明日の朝は、それを食べましょう。^^」
いやいやいやいや、それはない。
絶対に、ムリです。
「大丈夫。おかゆもあるよ。
MIYOさんは、ビトロン食べない。
見るだけね。」
だ、だいじょうぶかなあ。
と思いながらも、朝になりました。
家族全員で、そろって歩くこと数分。
今日の朝ごはんは、ここです。
ビトロンを売る屋台。
外観は、大体どこの屋台も、こんな感じです。
ガラスケースの後ろで働く、母と娘。
まあ、言ってみれば、ここが厨房、ですね。お鍋がふたつあります。手前の鍋には、おかゆが入っています。
奥の方のお鍋の蓋を取って、見せていただきました。おおおおおお~。ビトロンがいっぱい。いったい何羽のヒナが犠牲になったことでしょう。(苦笑)
タムさん、2個注文しました。タムさんとノックちゃんの分です。注文を受けると、お店の人が、ビトロンの殻をむいて、器に入れて持ってきてくれます。
殻をむいたビトロンに、針生姜を載せ、
緑の葉っぱとお塩をふって、できあがり。
いっただっきまーす。
「おいしい!」とにっこり。うーむ。複雑な気持ちのMIYOです。
ノックちゃんが食べかけのビトロン。もう、なにがなんだか(苦笑)。
タムさんは、ヒナの部分と黄身の部分をきれいに分けています。ヒ、ヒナの頭が見えてます(汗)。
ヒナの部分が食べられないローさんのために、黄身だけを持ってきました。「はい。あなたん。あ~ん。」笑
MIYOは、もちろん、お粥です。上にかかったパンも、さくさくして美味。ベトナムのお粥は、安定のおいしさです。^^
黙々とお粥を食べるアインちゃんの横で、ノックちゃんは「おかわり~。」笑。
2個目も、全部平らげました。すげ~。
パクパクと食べるようすが、とてもかわいいです。^^
ビトロン屋台の隣りにあるのは、ドネルケバブの屋台です。
ベトナムでは、朝ごはんを自分で作らず、
市場で買って食べる人が多いです。
もちろん、家族全員で屋台に出かけ、
屋台で食事をすることも、珍しくありません。
つまり、屋台がファミリーレストラン、なんですね。^^
そう思って周囲を見渡すと、
小さな赤ちゃんまでいっしょに、
家族全員で朝ごはんを食べている人が、
とても多い。
ベトナムの朝ごはん風景。
私なんて、出かけていくほうがめんどくさい。
家でパンでも簡単に食べたほうがラク、
って思うんですが。笑
おこわとか、バインセオとか、
自分ではなかなか作らない、手のかかったものを、
毎朝屋台で、手軽にお安く食べる。
それが、ベトナムの人のライフスタイルなんですね。
お腹いっぱいになって、みんなで帰路につきました。
「ああ、おいしかった。
もうこれで、来年まではいいわ。」
と、タムさん。
ビトロンはおいしいけれど、
とても精がつくので、
お腹にこたえる。
一年に一回でじゅうぶん、だそうです。
うな丼みたいなものですかね?(爆笑)
(つづく)