定年でもベトナム。ハノイで始める、お仕事日記 32 - シルクの村を歩く②(2019年9月12日/12日め)
2019年9月12日 ヴァンフック(Van Phuc)村。歩いても歩いても、シルク店。
9月12日
ハノイ郊外にあるシルクの村、ヴァンフックに来ています。
私にMサイズを売ってくれなかった、屈辱のお店です。(苦笑)
見ているだけで楽しい、小物類。
こんなお店が、何十軒も続いています。
「ローさん、ここはいいです!
お買い物もできるし、ここなら、
日本人は喜ぶと思います。^^」
この村、実はあまり知られていなくて、
ハノイの市内でも、知らない人は多いそうです。
そのため、観光客ずれしていなくて、
どこのお店の人も、おっとりとしています。
(サイズが合わないものは売らない、とか。爆)
もったいないですね。
もっとPRすれば、りっぱな観光地になるでしょうに。
…ということで、本日の取材は終了。
少し遅めのお昼ごはんになりました。
ローさんが連れて行ってくれたのは、
シルク店街から歩いてすぐのところにある、
BUN DAU MET
というお店です。
BUN(ブン) DAU(豆腐) MET(ざる)、つまり、「ざるに盛ったブンと豆腐」という意味です。このお店、これひとつで勝負しています。^^
人気のお店のようで、店内は満席。ちょうど、2階席の方が食事を終えたので、そこに座ることができました。写真に写っている、柵の向こう側の席です。
出てきました。BUN DAU MET、豆腐とブンのざる盛り。^^
お店の看板に描かれているのは、これですが…、
看板の絵よりも多い!(爆笑) ざるにバナナの葉を敷いて、その上に、ブン(素麺のような米麺)、揚げ豆腐、蒸し鶏、チャーシュー、さつま揚げ、揚げ春巻き、ベトナムソーセージ、内臓のソーセージ、レバーのハム、そしてたくさんの葉っぱが、ざるからこぼれそうなほど載っています。
どれもおいしいのですが、特に絶品なのは、揚げ豆腐。アツアツのカリッカリです。
これを、ヌクマムまたはエビの魚醤につけていただきます。おいしすぎます。笑
2階の席から下を覗き込むと、厨房がよく見えます。3人がかりで作っていました。
まず、ざるにバナナの葉を敷き、そこに、ブンや具を載せていきます。
そしてなにより欠かせないのが、これ。揚げ豆腐です。女性がひとりで、大量のお豆腐や春巻を、ガンガン揚げていきます。この方のおかげで、揚げたてのアツアツが食べられるというわけです。手のひらの上でお豆腐を切っては、油に投入していきます。すごい手際のよさでした。
黙々と、揚げ続けます。このお豆腐が、このお店のウリなんですね。
いちばん手前は、揚げ春巻き。これもおいしかったです。この女性、3つの鍋を同時に使って、暑い中、懸命に揚げ続けていました。
ひとりで旅行していたら、
こんなお店には、とうてい、
巡り合えなかったと思います。
でも、私はいつも、ローさん一家といっしょなので、
地元の人がおいしいと思うお店に、
普通に連れて行ってもらえます。
ハズレがありません。
やっぱり、地元の人といっしょに行動するって、
オトクです。^^
このお店で食事しながら、
ローさん、タムさんとしゃべっていたら、
私の日本語を聞きつけて、
隣りのテーブルに居たおふたりが、話しかけてきました。
おそろいの服ですが、これは、日本語学校の制服だそうです。ちなみに、タムさんは昔、この学校で日本語の教師をしていたそうです。^^
隣りのテーブルに日本人がいるだけで、
うれしくてたまらない、という表情の彼女。
習ったばかりの日本語で、一生懸命、話してくれました。
もうすぐ、実習生として日本に行き、
パン屋さんで、3年間、働くそうです。
31歳で、結婚もされているのですが、
だんなさんをベトナムに残していきます。
今、ベトナムには、こんな方々がいっぱいいます。
私が住んでいる家の近所にも、
「日本への実習生送り出し機関」というのが、
5軒以上あります。
「3年間、日本で働いて、
お金をいっぱい貯めて、国に帰る。」
彼らはみんな、そう夢見ているし、
13年前、それを本当に実現したのが、
ローさんとタムさんでした。
ベトナムの多くの人にとって、
日本はお金が貯められる国。
ぜひ、働きに行きたい国。
あこがれの国、のようです。
彼女も、そんなまなざしを、
私に向けていました。
日本で、いい人に出会えますように。
彼女の、これからの3年が、
楽しい思い出となることを願って、
お店を出ました。
(つづく)


















