のんたん、雨を理解する
(のんたん日記18をスタートしました。以下、抜粋です。)
のぞみは、全盲・難聴です。
通常なら、「雨」は、見てわかります。「雨音」は、聞けばわかります。
けれど、全盲ののぞみは、生まれてから一度も、雨を見たことがありません。
難聴ののぞみが、雨音に気づくこともありませんでした。
「雨」を知らないのぞみに、「雨」を教えたい…。
そのためには、母である私と、まだ赤ちゃんに近かったのぞみとの、
日常の小さなやりとりを積み重ねていくしかありませんでした。
それは、ほんのちょっとしたことでしたが、私にとっては、とても楽しいやりとりでした。
4歳の冬に初めて、
「あめ」
とことばで言えるようになったのぞみは、
その後も、さまざまなエピソードを通じて、少しずつ、
「雨」を自分のものにしていきました。
今、「のんたん日記」を読み返してみて、
盲ろう児であるのぞみが、どのようにして、
「雨」というものへの理解を深めていったかを、
とてもなつかしく思い出しています。
のぞみは、今、21歳です。
このごろは、
「今日は雨が降っているから、お出かけはしないよ。
おうちの中で過ごそうね。」
と父親に言われると、
「じゃあ、家でごろごろ、ね。」
と、ちょっと残念そうに言い返すようになりました。
家族の、何気ない、普通のやりとりです。
でも、かつては、「雨」の存在すらも知らなかったのぞみが、
今では、そんなやりとりを普通にしてくれていることを、
うれしく思います。
私にとって「雨」は、今でも、
のぞみの成長の軌跡をなつかしく思い出させてくれる、
たいせつなキーワードなのです。
(写真は、のんたん9歳。両手で雨を感じています。)
「のんたんの雨」シリーズはこちらをご覧下さい。
のんたん日記 20.雨 (2000年2月26日記・のぞみ4歳)
http://limings.sweet.coocan.jp/nontan01/nontan0120.html
のんたん日記2 21.雨に歩けば (2001年5月20日記・のぞみ5歳)
http://limings.sweet.coocan.jp/nontan02/nontan0221a.html
のんたん日記3 27.雨のにおい (2002年6月12日記・のぞみ6歳)
http://limings.sweet.coocan.jp/nontan03/nontan0327.html
のんたん日記5 2.雨は手のひらにいっぱい
(2003年8月14日記・のぞみ8歳)
http://limings.sweet.coocan.jp/nontan05/nontan0502.html
のぞみと「雨」のふれあいの軌跡です。
その他の記録は、
ガンになって
http://limings.sweet.coocan.jp/miyo01/miyo1701.html
をご覧下さい。
MIYO'S WEBSITE(全盲難聴の、のんたんの育児記録)
http://limings.sweet.coocan.jp/
も、少しずつ更新しています。