17年めのタイ。8人で食べ歩いた、3泊5日のおトク旅 40 - 元気に戻っていきました。(2019年5月13日/5日め)
2019年5月13日 成田空港に着きました。(のんたんとあみちゃん 23歳)
5月13日
成田空港から京成線で、
自宅の最寄り駅まで、戻ってきました。
駅前の中華料理屋さんで、さくっとお昼ごはん。
そして、駅まで戻りました。
この日は、改札口で、
ボランティアのツジウチさん、ケイコさんと待ち合わせです。
ここで、長男を引き継ぎ、私たちは、家に帰ります。
長男は、ボランティアのおふたりといっしょに、
これからさらに、電車を2時間半乗り継いで、
S園に戻ることになっていました。
1時の約束でしたが、
5分前に行ってみると、駅前には、
もう、おふたりがいらしていました。^^
ケイコさん(左)、ツジウチさん(右)といっしょに。
この日においでくださったツジウチさんは、
長男が小学3年生の頃からいらしてくださっています。
もう15年のおつきあい。^^
夏休みなどは、暑い中、
小学生の長男をプールに連れて行ってくださったり・・・。^^
本当にお世話になりました。
もうおひとりのケイコさんは、
この日、初めていらしてくださいました。
偶然ですが、
ツジウチさんとは、以前からお知り合いだったそうです。
ボランティアさんの世界、狭いです。^^
まずはおふたりに、
タイの小さなおみやげをプレゼント。
(ジャスミンの石鹸です。^^)
そして、おふたりに、
「リュックの中に、タイのおみやげがはいっています。
そのことを書いたメモを、リュックにも入れてあります。
でも、できましたら、
園に着いたときに、長男が、自分の手で、
先生におみやげを手渡しできるよう、
お手伝いをお願いしたいのですが。」
と言いました。
ツジウチさん、そのひとことで、
状況を理解されたようです。
「わかりました。」
と、しっかりとした表情で、応えてくださいました。
【ツジウチさんからいただいたメールです。】
ノゾミくんは、タイからの時差にも負けず、元気一杯でした。
堀切菖蒲園駅で、『お財布を出してください。』と言うと、ケーブルがいっぱいのリュックからお財布を出してくれました。駅のホームで電車を待っている間に、リュックの中を整理して、乗り換え駅での精算時にも、お財布と障害者手帳を出してくれました。几帳面だなあといつも感心させられます。
電車の中では、音楽を聞きながら、膝の上で手を動かして『タンバリン』を繰り返していました。タンバリンの音が漏れていたのか、かすかではありましたがシャンシャン聞こえました。
今は「トンカチ」のマネが楽しみらしく、豊田駅から『15日、トンカチとんとん』と言って、のぞみくんや私たちの指を釘に見立て、トントンやりながら光の家に到着。
タイのお土産を、ノゾミくんから先生に渡してもらい、ケイコさんと二人で帰って参りました。
とても楽しいひとときでした。
(電車の中で、タンバリンのまねをしています。)
【ケイコ・Oさんからいただいたメールです。】
初めてノゾミさんの移動介助をさせていただきました。また経験の少ない私のために、ツジウチさんと一緒に介助させていただき、ありがとうございました。色々と教えて頂きながら、介助することができました。
ツジウチさんとは、「盲ろう者と歩む会」でも、色々ご指導いただいているので、とても心強かったです。
まだまだ未熟者ですが、今日は、多くのことを教わりながら、精一杯努めたいと思いながらまいりました。
音楽が好きなノゾミさんご本人とお会いできるのが楽しみでした。
またタイのお土産まで頂いて、ありがとうございました。私も20年位前にタイに行きました。その頃とはかなり変わってしまっているのかもしれませんが、日本では体験できないことが多くて、とても楽しかったことや驚いたことなどを思い出します。
前置きが長くなりましたが、ここからが移動中のノゾミさんの様子です。
ご家族の皆さんと別れて駅のホームに行って、「日暮里にいくよ」とツジウチさんが声をかけると、うんうんとうなづいていました。今日ののんたんは、最初は充電池とタンバリン、途中からカナヅチに興味が移っていきました。
乗換時にも「充電池、充電池」と言っていたので、私が「電車に乗ってからね」と声をかけると、理解してくれました。その代わり、山手線に乗ると、早速充電池をリュックから取り出していました。そのあと「タンバリン、タンバリン」と言うので私が「ここにはないよ」というと「ビックエコーにはあるよ」と応えてくれました。
ツジウチさんが、「中央線に乗るから、神田までいくよ」というと「秋葉原、秋葉原」と言っていました。秋葉原からも中央線に乗れることを理解しての発言でした。
日暮里駅と豊田駅で「トイレは?」と聞くと「大丈夫」と返事をしてくれました。
中央線では、ずっとヘッドホンをつけて音楽を聴きながら、タイコをたたくようにリズムをとったり、「トンカチみたいだね、トントントン」と繰り返していました。この時に「5月15日、トンカチ」「水曜日、トンカチ」と繰り返し、S園での予定を教えてくれました。
豊田駅に着くと、ちょっと風が冷たかったので私が「風が冷たいね」と話しかけると、「風が冷たいね」と返してくれました。
今日は2人での介助だったので、豊田駅に着いてからS園までの広い道路では、のんたんを真ん中にして、3人で手をつないで歩きました。その時ののんたんは太陽を浴びながら、とっても楽しそうでした(いい表情をしてました)。電車が走る音と踏切が鳴る音も聞こえてきて、「カナヅチみたいだね。トントントン」とずっと繰り返して言っていました。私達の人差し指を釘にみたてて、トントンたたいていました。私たちも同じようにのんたんにすると「オー」と言って喜んでいました。
S園に行く途中、つつじの花をさわったり、何かの植物(すいません、名前がわかりません。猫じゃらしよりもっと大きな穂がある)の綿毛を触って、「タンポポ」と言ってニコニコしていました。
S園までは、坂を登ったり、下ったりしますが、のんたんは旅行の疲れもみせず、元気に歩いていきました。S園に着いてから、先生にタイのお土産を渡した後、私達と別れました。別れるときは、寂しい気持ちになってしまいました。
今日の介助では、最初はのんたんの言葉がよく理解できなかったのですが、途中からだんだんわかるようになりました。でももっとわかるようになれば、のんたんもうれしいだろうなあ、と思いました。また初対面の私の声も聴きとってくれて、何度も返事をしてくれたし、手もギュッと握ってくれて、私ものんたんとの一緒の時間を楽しむことができました。
初めてなので、ついつい長くなりましたが、以上です。まとまりがなくてすいません。
今後ともよろしくお願いいたします。
(S園に到着しました。)
(S園の玄関で、リュックからお土産をだし、自分で先生に手渡しできました。^^)
夜行フライトで、私たちでさえも疲れていたというのに、
長男は、元気いっぱい。
ツジウチさん、ケイコさんといっしょに、
楽しくおしゃべりしながら歩き、
帰園していったようです。^^
「長男が、自分の手でおみやげをお渡しできるように」
という、母の願いを、
おふたりは、しっかりと受けとめて、
実行してくださいました。
おふたりからいただいたレポートからは、
長男といっしょに歩くことを
楽しんでくださっているようすが伝わってきて、
感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ツジウチさん、ケイコさん、
本当にありがとうございました。
旅行中、文句を言うことなく、
どこまでも、私たちといっしょに歩いてくれた長男。
とにかくよく食べ、よく眠りました。
最後まで、体調をくずすこともなく、
ツジウチさんとケイコさんに守られて、
長男は元気に、S園へと帰っていきました。
こんなふうにして、私たちのタイ旅行が終りました。
(おわり)
(おまけ)
掲載しきれなかった写真です。
Bengkok Center Hotel で。ロビーのソファでくつろぐ長男です。リュックをごそごそしています。日本を出発する前に、S園の先生が、長男が持ち歩いているものをひとつのポーチにまとめ、リュックに入れてくれたそうです。ところが、S園から夫が待つ大崎駅へと移動するあいだに、長男はそれを全部取り出し、ひとつひとつ、リュック内の所定の場所へ移し変えたそうです(笑)。長男にしてみると、それぞれの物の置き場所が決まっていて、そこへきちんと置きなおした、ということになります。「本当にきちょうめんね^^」と、ボランティアでついていたヤマシタさんが、おしえてくださいました。
奥にあるのが、フロントです。
同じ場所で、カメラを右に向けると、こうなります。オープン当初は高級ホテルであっただろうと思わせる、調度品。右奥に見える、「Silk」という文字のあるところが、朝食をいただくレストランです。
レストランの朝食風景。奥にあるのは、なぜか、ガラス貼りのスペース。高級そうですが、自由に出入りできました。
HさんとHKちゃん。
YさんとYMちゃん。
敷地内の神様。
ココナツファームの花。