MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

ガンになって知った、夫の不実

初めてのポニースクールで。
ポニーにさわって、「くるま!」と言いました。(全盲難聴・のんたん 6歳)



愛さえあれば


「愛さえあれば」という、デンマークの映画を見ました。
アカデミー賞を受賞した監督、スサンネ・ビアの作品です。


主人公は、乳がんの抗がん剤治療を終えたばかりの、女性です。
冒頭で紹介される、主人公とカウンセラーとのやりとりに、
ちょっと驚かされます。


「患者会に入ることができます。情報が得られますよ。」
「別に…。興味ありません。」
「乳房の再建手術はどうしますか?」
「必要ありません。夫は、私自身を愛してくれているので、気になりません。」
「愛されているのですね。」
「はい!」


今後の病状についての恐れも感じず、
乳房をなくしたことへの喪失感もなく、
自分は幸せに生きているのだ、
これからもそうなのだ、
と、彼女は信じ込んでいました。


けれども、実は、そうではなかった。
想像もしていなかった、夫の本心を知り、
現実に直面していかざるをえなくなります。


冒頭の彼女は、ガンにかかっても、
自分が不幸であるとは、思っていませんでした。
ある意味、自分の幸せを当然と思う傲慢さと、
起こったことを真摯に受け止めない鈍感さがあったのかも知れません。


けれど、夫の不実に端を発した、さまざまなできごとに遭うなかで、
彼女は「おそれ」を感じ始めます。
それは、
「病へのおそれ」であり、
「死へのおそれ」であり、
「いまある自分の幸せを失うことへのおそれ」
だったのでしょう。
その「おそれ」があったからこそ、
彼女は本当の愛に気がつくことができました。


さて…。
冒頭の彼女は、本当に「幸せ」だったのでしょうか。
そのままガンにもならず、大きな不幸もなく人生を全うしていれば、
それはそれで、幸せだったのでしょう。


けれど、人生には、予想外のこと、起こってほしくないことも起こります。
ガンにならなければ持ち続けていたかも知れない「幸せ」を、
彼女は失いました。
けれど、「今あるものをなくしてしまうかもしれない」という恐れを抱えながら、
それでも生きていこうとする彼女の、現在の「幸せ」には、
なくしてしまった「幸せ」には感じることができないような、
胸に浸み入るものがありました。


ガンにかかり、
夫を失い、
「自分には、これからもどんな不運が訪れるかわからない」
という不安を抱えながら、
それでも彼女は、新しい人生を生きて行こうとします。


ガンになる前の「幸せ」と、
ガンになってから感じる「幸せ」。
どちらがいい、なんて比べることには意味がないけれど、
なにごとも起こらず、ずっと現状維持できる人生ばかりじゃない。


それでも、人生になにかが起こっても、
そのとき、そのときなりの、「幸せの形」はあるのだ、と
この映画は伝えたかったのではないかと思いました。




上の写真と同じ頃の長男のようすを、
のんたん日記3. 思い出のアルバム
http://limings.sweet.coocan.jp/nontan03/nontan0331.html
でご紹介しています。


ガンになって
http://limings.sweet.coocan.jp/miyo01/miyo1702.html
MIYO'S WEBSITE(全盲難聴の、のんたんの育児記録)
http://limings.sweet.coocan.jp/
も、少しずつ更新しています。

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