全盲難聴・のんたん ボランティアさんと外出(S園→昼食→ウクレレ教室→S園)(2025年4月19日)/ ドイツ語講座(2012年11月6日)
2022年12月25日 西亀有ギャラリーで。(長男・長女 27歳)
このときの日記です。
全盲難聴・のんたんの冬休み 1 - 西亀有ギャラリーでクリスマスディナー(2022年12月25日/1日め)
2025年4月19日(土)
4月2回めのウクレレレッスンの日記です。
この日、いらしてくださったのは、
イナガキさんとタケダさんです。
前回から、開始時間が9時40分になりましたが、
今日のおふたりも、混乱することもなく、
朝早くから時間通りにいらしてくださいました。
いつも本当にありがとうございます。
当日の日記です。^^
本日のコース:
S園でお迎え(9:40)→昼食(11:00)→ウクレレ教室(13:00)→S園に帰園(16:00)
*全6時間20分です。全コースを、おふたり体制で担当していただきました。
【イナガキさんからのメールです】
行きに豊田駅で麦茶を買いましたが、自販機がキャッシュレスになっていましたので、私のパスモで購入し、のぞみ君のポーチから現金をもらいました。のぞみ君はマスクをしていましたが、「朝はひげそりをする」と顎を何回も触ってました。(この日は時間がなくて、できなかったのかもしれません。)行きの電車に乗っているときに、ICレコーダーが音漏れしていたので、どうしてかわからなかったのですが、設定が変わっていたようです。
お昼はサイゼリヤで、ミートソースを完食しました。
マスクがよれてしまったのですが、ウクレレ教室で新しいマスクをいただきました。医療関係者が使用するような、がっちりしたマスクです。(マスクを着けた写真を添付します。)
サイゼリヤで、食後の薬をと思ったら、先生が入れ忘れていたようで、ありませんでした。タケダさんがリュックの隅から隅まで探しましたが、見つかりませんでした。のぞみ君には、「S園に帰ってから、飲もうね。」と、タケダさんといっしょに伝えたのですが、気持ちの切り替えができなかったようです。そのせいか、ウクレレ教室に着いてからも、1曲目は、ウクレレを弾かず、太鼓代わりにしてリズムをとっていました。でもその後は、ウクレレの練習をしてくれました。
練習した曲は、初めに「ダイヤモンド」でした。次は、「歩いて帰ろう」です。そして3曲目は、「ハウメニーいい顔」でした。次々と練習を続け、教室は1時50分に終了しました。
帰りは、少し早めに豊田駅に着きましたので、ホームの待合室で麦茶を飲んで一休みし、スマホで歩いて帰ろうを聞きました。
15時50分に光の家に到着しました。タケダさんが薬について報告しましたが、S園の先生は薬を渡し忘れたことに気がついておられて、「すぐに飲ませます。」とおっしゃってました。
【タケダさんからのメールです】
S園で受け付けを済ませ、生活棟に行くと、のぞみくんはもう玄関にいて、スニーカーに履き替えているところでした。思わず、「えー、もう来ているんですね」と声をかけたら、職員の方も「そうなんです」と、笑いながら話しました。
この日の豊田駅までの歌は、「ズン、ズン、ズンドコ、“ファイト”」だったので、私たちに「えっ、“きよし”じゃないのー」と突っ込まれましたが、のぞみ君の歌では“ファイト”でした。その他に、いつもの通りに「そんなの関係ねぇ」や、「カラオケ」「マイク」などのことばもありました(笑)。
豊田駅からは、時間もたっぷりありましたので、各駅停車の電車に乗りました。車内でもいつもと変わりはありませんでしたが、ボイスレコーダーをマイク替わりにしたりしていました。
11:30頃に高田馬場に着き、のぞみくんに昼食を聞くと、「スパゲッティ」と即答。時間を調整しやすいのでサイゼリヤに行きましたが、この日は店員さんに2時間まででお願いしますと言われました。(サイゼリヤでは、制限時間を言われたのは初めてでした。)
のぞみくんは、「ミートソースボロニア風」とドリンクバーで、ご自分でリンゴジュースを持ってきたのですが、
イナガキさんが言うには、あまりリンゴジュースの味がしないとのこと。のぞみくんも、最初の1杯は喉が渇いていたせいか一気飲みしましたが、そのあとの2杯目のリンゴジュースはあまり進まないようすだったので、オレンジジュースに変えました。
食事が終わり、昼の薬を飲もうとしたところで、薬がないことに気づきました。でものぞみくんには理解できず、手を出してきます。「でも、ないのよ。」と、何度も繰り返して説明しました。ウクレレ教室の時間が迫っていましたので、のぞみくんには申し訳ありませんでしたが、少し強制的に切り上げ、ウクレレ教室に向かいました。ですが、薬のことはズーっと言っていました。
ウクレレ教室でも切り替えが難しかったようで、先生に声をかけられても、ウクレレを弾かず、「そんなの関係ねぇ」と言いながら叩いていました。
そこで先生が、「ダイヤモンド」を弾き、のぞみくんに「合わせてウクレレを叩いてね。」と声かけしました。のぞみくんはしばらく、「そんなの関係ねぇ」をやっていましたが、先生の「ダイヤモンド」が終わると、レッスンに戻りました。
この日のレッスンでは、最初は「How many いい顔」をやりましょうと声かけされたのですが、のぞみくんは「歩いて帰ろう」をやりたかったようです。先生に「ではメロディ弾いてね」と言われると、細かく、丁寧に繰り返し弾いていました。最後に、「How many いい顔」を1~2回弾いて、レッスンが終わりました。
帰りも時間がありましたので、帰園時間の調整のために、イオンに寄ろうか、マクドナルドにしようかと話しながら、快速電車に乗りました。豊田駅に着いたのが15:10頃で、イオンに行くには時間がなかったので、「マクドナルドに行こう」となりました。
でも、ホームを歩いていると待合室があり、「マクドナルドは混んでいて席があるかどうかわからないね。」と相談し、結局、その待合室で時間を調整することにしました。15:35頃まで待合室のイスに座っていたのですが、のぞみ君は、この日のレッスン曲を動画で聴きながら過ごしました。
S園に着いて、職員の方(朝、対応していた職員とは別の方)に昼薬の件を伝え、確認不足を謝罪すると、「こちらこそすみません。これから飲むので大丈夫です。」と言ってくださいました。
おふたりからの詳細なレポートで、
長男のようすがよくわかり、
楽しく読ませていただきました。
食後の薬を忘れたとはびっくりでしたが、
おふたりがきちんと対応して、
S園にも報告してくださったので、
その後は問題なくお薬を飲めたことと思います。^^
今回から、朝のお迎え時間が早くなり、
帰園時は時間調整をしていただくなど、
行程が少し変わったのですが、
さすが、ベテランのおふたりで、
スムーズに対応していただけて、ほっとしました。
イナガキさん、タケダさん、
のぞみといっしょに歩いてくださり、
どうもありがとうございました。
(ナオ先生のブログから)
ウクレレ教室でドイツ語講座♪
新宿区高田馬場NAOウクレレスクール。
未熟児網膜症による視覚障害があり、盲学校に通う、高校2年生。のぞみ君。
NAOウクレレ教室に来て、レッスン1年半。
譜面台の上には、楽譜の代わりにボイスレコーダー。
両耳に補聴器を付けているので、
よく聞こえる方の耳の隣にと、
NAOはのぞみ君の右側に座っていつもレッスンしています。
sus4(サスペンド・フォー)
サス・フォーを教えたら、とっても気に入ってくれて。C→Csus4→F→Fsus4→G7→G7sus4
こちらのコード進行が、月3回のレッスンの、毎回のオープニングテーマとなっています。
最近は、めきめきと、「言葉」も上手に発せられるようになってきました。
「ここは、こう。」 「はやく。」など。
私の右手を掴んで、ストロークを。
教室に入って来ると必ず言っていた、
「ドイツ語講座、ドイツ語講座」
のぞみ君、学校でドイツ語勉強してるの?
「むらたせんせい、ドイツ語こうざ、ドイツ語こうざ」
ヘルパーさんも首をかしげながら、
「ムラタ先生のところに来るといつも、ドイツ語講座って言うんですよ。」
「ムラタ先生、ボイスレコーダー、ボイスレコーダー」
はじめて。はっきり聞こえた!
すごい! ヘルパーさんと3人、抱き合って笑った!
これは、長男が17歳(高2)のときの出来事です。
長男のことばは、今よりもずっと少なく、
そして発音もはっきりしていない頃でした。
長男が繰り返した「ドイツ語講座」という言葉に、
意味がわからず、考え込んだナオ先生とヘルパーさん。
ある日それが、「ボイスレコーダー」だったと気づいて、
抱き合って喜んだと…。
長男のわかりづらい言葉に耳を傾け、
聞き取ろうとしてくださっていること。
そして意味が理解できたときに、
抱き合って喜んでくださっていること。
そんなようすのひとつひとつが、
ありがたくて、ありがたくて、
涙が出そうになりました。
ナオ先生の優しさが伝わってくるような、
楽しくて、笑えるエピソードです。
こんなふうに長男は、小さいころからずっと、
温かい方々に見守られて成長してきたなあ、
…と、しみじみ思います。




