MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
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34年ぶりのラオス、そしてタイへ。歩き続けた12日間 8 - 伝統芸術民族センター(TAEC)② アカ族とモン族(2025年3月14日/1日め)

MIYO

2025年3月14日 伝統芸術民族センター(TAEC)で。(ラオス・ルアンパバーン)


3月14日(金)- 1日め


伝統芸術民族センター(TAEC)に来ています。

ラオスの山岳民族に関する博物館で、

主として、その伝統芸術を紹介しています。


【ラオスの民族】

ラオスには、「4つの基本となる言語集団」があり、さらにその言語集団が100以上の民族集団に分岐しています。この4つの基本となる言語集団は、オーストロジア語族、モン・ヤオ語族、タイ・カダイ語族、シナ・チベット語族で、ここからさらに、より小さなグループに分かれていきます。同様の状況は、ラオスだけでなく、国境を接する周辺諸国(タイ、ベトナム、中国、ビルマ)などでも見られます。


TAECでは、ラオスに住む多様な民族の中で、特に、

アカ族、モン族、タイルー族、クム族について、

詳しく展示しています。


少数民族の衣装は、

民族ごとにデザインが異なっており、

纏っている衣装によって、民族を識別できます。

つまり、「衣装=民族のサイン」になっています。


まずは、アカ族の衣装から。


【アカ族】

アカ族の民族衣装は、藍染めの木綿布を用い、刺繍や銀、ビーズなどの装飾が施されています。 山岳民族の衣装の中でも、形の複雑さ、大胆さ、刺繍の美しさ、緻密さ、装飾具の銀やビーズ、子安貝の豪華さなどが際立っています。


アカ族の人々が主に暮らしているところです。

女性用の衣服です。左から、袖なしチュニック、長袖チュニック(バックルとコインの縫い取り付き)、長袖チュニック(バックル付き)、少女のチュニック(刺繍付き)。

カブトのような女性の帽子がユニークなアカ族の民族衣装。帽子は、コインやメタルの飾り、にわとりの羽を赤く染めたもの、たくさんのポンポン、ビーズ細工など多くの飾りで埋め尽くされています。メタル飾りは銀製で、かつては重さが2㎏以上になることもありました。現在は、銀が高価で強盗が危険なため、アルミで作られることが多くなっています。ふんだんに使われている中国製のビーズは、その家に代々伝わるもので、帽子の飾りによって、経済力、既婚かどうか、子どもがいるかどうか、などの様々な情報が表現されています。(画像をCRAFT AID からお借りしました。)

こちらはTAECで展示されていた、アカ族の衣装です。

アカ族の男性の衣装です。足には脚絆を着けます。

男性用(左)と女性用(右)。

続いて、モン族です。


【モン族】

「自由な人々」という意味のHmong(モン)は、その名の通り独立心が強く、自分たちのスタイルを守ろうとする意識の強い民族です。同じ「苗族(ミャオ族)」で漢民族の文化や社会を受け入れた「ミェン族」とは異なり、文字を使わない独自の文化を築いています。古くは倭寇の撃退役も務めていたほどで、モン族の「抵抗」や「戦闘」の歴史は長く、近年ではモン族の約5分の1にあたる延べ20万人が内戦やベトナム戦争で犠牲となりました。ベトナム戦争では、大国の戦略に巻き込まれ、同じ民族の中で二派に分かれて戦ったこともあり、難民となってアメリカやヨーロッパへ移住していった人も大勢います。華やかな民族衣装や盛大なモン正月の影には、アイデンティティを守りたいという強い意思が表れています。


モン族の人々が主に暮らしているところです。

お正月には、周囲の地域から何百人ものモン族が集まるそうです。

最近のモン族のお正月。デザインはどんどんモダンになっているようです。

モン族の女性の民族衣装は、華やかでとても愛らしく、刺繍、ろうけつ染め、リバースアップリケなどに彩られています。いくつもの伝統技術を駆使して家族の衣装を作るのは、女性の仕事。女の子は6、7歳になると、母や祖母から刺繍を習い始めます。13歳ぐらいで一人前になり、15‐6歳になると自分で作った衣装を身につけてお祭りの舞台へ。「刺繍の上手い娘は、賢く良き妻になる」といわれ、美しい衣装の女の子は人気者になります。

スカートは藍を使ったろうけつ染めに、刺繍やアップリケで模様をたくさんつけたもの。さらにそれを細かく畳んで縫い縮めて板に挟み、200本ものプリーツを作ります(これは、洗濯したらやり直しになります😅)。

プリーツの細かいこと。刺繍もすばらしいですね。^^

男性の衣装にもぬかりなく刺繍をするのは、モン族ならでは。


日々の暮らしや部族の歴史をモチーフにした、

かわいい刺繍が多く見られるのも、

モン族の特徴です。


【モン族の刺繍やアップリケ】

モン族の衣装が刺繍やアップリケで飾ってあるのは、病気やケガをさせる悪霊が衣類の境目や隙間から身体に入ってくるのを防ぐためです。刺繍には、霊力があるとされる薬草や、伝説に登場する蝶や鳥、故郷の畑の様子など、意味の込められたモチーフが使われています。モン族の装飾は、美しいだけでなく、祖先や精霊への尊敬の念と家族の幸福や健康を願う女性たちの祈りでもあるのです。


刺繍で埋め尽くされた、モン族の布。これはバス乗り場でしょうか。チケットを買っている人、旅行鞄を抱えている人、背中に赤ちゃんを背負っている男性と妻。バスの乗客との別れを惜しんで泣いている人…。女性はみんなプリーツスカートです。(画像をCRAFT AID からお借りしました。)


さて。

ここで、MIYO家の秘蔵写真をお見せします。^^

MIYO家が所蔵するお宝の数々です。😊

…と言っても、

先日、クローゼットの奥からたまたま出てきたもので、

実は、買ったことすら忘れていました。😅


これを買ったのはいつごろだったのか、

記憶がはっきりしません。

でもおそらく、1995年のお正月

中国の広西省チワン族自治区あたりで、

少数民族の村を訪ね歩いていたころ、

市場を埋め尽くしていた大勢の少数民族の女性たちから

購入したのではなかったか…。


これはクッションカバーなのですが、

手作りなので、ひとつひとつ、絵柄が異なります。

にぎやかな市場の一隅で、

MIYOが一枚ずつ選び、夫がお金を払ったような…。

そんな、おぼろげな記憶があります。

数えてみたら、全部で6枚もありました。😊


今、このブログを書いていて、

「ああこれは、モン族の刺繍だったのだなあ…。」

と、ようやく気づきました。(遅い。😅)

中国なので、モン族とは呼ばず、

苗(ミャオ)族と呼んでいたかと思います。


30年前に買ってきた6枚を、一挙に掲載いたします。


豚やニワトリにエサをやり、足で踏んで米を搗き、実った稲を刈り取ったり、畑から茄子やトウモロコシを収穫したりしています。のどかな、村の暮らしがありました。

夫婦でごま油を絞っているような…。家の前ではニワトリが遊び、豚にエサをやる人や農作業をする人々の姿も。

これも、人々の日常の暮らしを描いたものです。家畜にエサをやり、足で米を搗き、ざるで野菜を干す人がいます。トウモロコシやコメの収穫の絵柄がよく登場しますが、豊作を願う人々の祈りも込められていたのでしょう。

ニワトリにエサをまく人。夫婦で山に出かけたり、農作業をしたり。馬も見えます。いちばん下に描かれているのは、カボチャやナスの花です。細かく刺繍されたトウモロコシや黄色く実った稲穂が愛らしい。^^

うれしい収穫です。実った果物や野菜、コメなどを切り取り、背中のカゴに入れて運びました。

ベトナム戦争時代を描いたのでしょうか。飛行機やヘリコプターがやってきて、銃を持つ兵士に追われた人々は、野宿をしながら川にたどり着き、舟やいかだで川を渡っています。その先の地は、アメリカだったのでしょうか。それとも中国?


市場の露店では、

兵士がいっしょに刺繍された絵柄が、

ほかにもたくさんありました。

(いかにも中国らしい?)

でも私は、それがなんとなく好きでなくて…。

兵士が刺繍されたものは、

あえて買わないつもりでした。


けれど、

「やっぱり一枚くらいは買っておこうかな。」

と思いなおして選んだのが、最後の一枚です。

なんとなく、プロパガンダ的な雰囲気も感じます。

でもおそらく、刺繍した女性は、

民族の歴史を、ただ素朴に描いたのではないかと。


このクッションカバーを買って30年もたってから、

「これはモン族の手作り品だったのだ…。」

とようやく気づいたMIYO。😅

ためしに夫を呼んで、この写真を見せてみました。

「これ、何族のか、わかる?」と…。


「モン族」


夫は、即座に答えました。

「この刺繍はモン族だよ。

 ひとめでわかるでしょ。」

とも…。


ちぇ…。

瞬時にわかるなんて。


そもそもこんなこと、

なんでいちいち覚えてるんだ…。

町内の分別ゴミの曜日すら、

30年たっても覚えられないくせに。😅


なんか、おもしろくありません。😔


(つづく)

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