MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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骨折でも信州。8回めの須坂へ 15 - 田中本家博物館⑤ 特別展「和食とうつわ 1」(2024年10月17日/2日め)

2024年10月17日 田中本家 第12代当主・田中宏和氏と長野県須坂市)


10月17日(水)- 2日め


田中本家博物館に来ています。

「江戸時代料理 再現食事会」のあとは、
博物館の方に移動しました。


再現食事会の参加費には、
博物館の入館料も含まれています。
お食事のあとは、
ご当主に説明していただきながら、
館内を見学しました。


もう何度も来ているのですが、
館内の展示は、季節ごとに変わるので、
毎回、以前とは違うものを見ることができます。


展示品の全てはご紹介しきれないので、
今回は、今までになかった展示品を選んで、
その一部を掲載していきます。


入口を入って、いきなり驚いたのがこちらです。薩摩焼風「飾り壺」(明治~大正時代)。手前にあるのは台座部分で、その上に後ろの壺を置くようになっていました。が、倒れて割れてしまうことを懸念し、館内では分解した状態で展示しているそうです。


【薩摩焼風 飾り壺】
明治時代から、日本美術品が万国博覧会に出品されるようになりました。それによって、陶磁器、漆器、絵画、工芸品などが、海外で注目されるようになり、ジャポニズム(日本趣味)が流行しました。この作品は、そのジャポニズム人気を受けて作られた輸出商品だったようです。
海外では、薩摩焼の絵柄が人気であったため、その作風をまねた「薩摩スタイル」の焼き物が、全国で造られていました。


びっしりと描き込まれた、美しい絵柄に圧倒されます。絵の部分が盛り上がっていて、すごい迫力。

輸出用に作られたということで、派手めというか、これまで見て来たものとはちょっとテイストが違っているようにも感じます。

取っ手は、コウモリでしょうか。

ちなみに、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団 in 須坂市」に出演した際、この飾り壺の評価額は300万円だったそうです。(画像をお借りしました)


奥へ進むと、畳敷きの展示コーナーがあり、
田中家に伝わる着物が展示されています。


このときは、「和食とうつわ そして輪島へ」という特別展が行われていました。(この特別展は、12月15日まで開催されています。)

特別展ということで、美しい着物の前に、お膳が並んでいます。

展示してあったのは、「雛の宴料理」。後ろの着物の、蛤の刺繍も見事です。


【雛の宴料理】
1849年(嘉永2年)、田中本家5代主水の初孫の初節句を祝った際の宴席料理の一部を、器と写真で紹介しています。このときは、須坂藩家老の丸山舎人も招いたため、料理も豪華なものになっています。また、当時貴重品であった卵や砂糖を贅沢に使った高級菓子「家主貞良(かすていら)」が用意されていました。


「諸客賄方控帳」に、「家主貞良」と書かれています。これは、現在のカステラです。江戸時代、長野県でカステラを食していたのは須坂藩だけで、季節を問わず、一年中食べていたそうです。

田中本家オリジナルの「家主貞良」は、博物館の売店で販売されています。MIYO家では、毎回購入し、帰宅してから楽しみにいただいています。^^


さて、展示されていた、
「雛の宴料理」です。


岩魚甘煮、栄螺(サザエ)、相良麩、雪割茸、溜鯉筒切り濃醤煮。

焼豆腐、鮃の小角切り、雪割茸、鮃刺身、白瓜粕漬け、味噌汁(にぎり蒲鉾)。ひとつひとつの器が、ほんとうに愛らしい。どうぞ拡大してご覧ください。^^

子どもたちの着物。明治から大正にかけてのものと思われますが、今でもこんなに美しいままで残されています。

そしてやはり見逃せないのが、手前に展示してある、器とお料理の数々。

目が覚めるような赤絵皿。写真で、同じ皿に盛りつけてあるのは、小鯛塩焼、慈姑照煮、巻鶏卵。

その隣りは青絵皿。写真では、同じような青系の絵皿に、鮃刺身、短冊独活(うど)、摺山葵が盛られています。


江戸時代から続く、貴重な器の数々ですが、
そこに料理が盛られると、
器がさらに生き生きと華やぐように見えるのは、
くいしんぼうのMIYOだからでしょうか。😅


脚付き膳に置かれた料理は、鯛味噌漬、相良麩、鮃切身、長芋、真鱈煮つけ。手前にあるのが、「諸客賄方控帳」です。

「諸客賄方控帳」は、田中本家が客人をもてなした宴席を記録した台帳です。この控帳は、1849年(嘉永2年)のもの。日時、客人の名前、料理の献立が記されています。


175年も前の控帳です。
こんなふうに、田中本家では、
料理の記録が連綿と残されています。
1733年(享保18年)から約300年にわたって
その膨大な文書は蓄積され、大切に保管され、
現在にいたっています。


書かれている文字は、
読めそうで、読めません。😓
この難解な記録を読み解き、
「江戸時代料理 再現食事会」を
開催してくださっているわけで、
そのご苦労に、頭が下がります。


控帳には、料理名を書いてありますが、
料理方法は記されていません。
そのため、控帳をご当主が読み解かれ、
不明な点は専門家に確認しながら、
確認できた料理名と素材名をもとに、
老舗割烹・能登忠さんが、
独自の技量を発揮して、
「諸客賄方控帳」の料理を
再現しておられるそうです。


特別展の展示は、もう少し続くのですが、
長くなりましたので、
次回に掲載いたします。


(つづく)

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