MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
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秋のおでかけ - 旧磯野家住宅/銅御殿(あかがねごてん)③ 書院棟と応接棟2階(2024年10月11日)

2024年10月11日 旧磯野家住宅/銅御殿(あかがねごてん)・表門で。(東京都文京区)


10月11日(金)


文京区にある国指定重要文化財、
旧磯野家住宅/銅御殿(あかがねごてん)
に来ています。


車寄せ玄関の内側を見学しました。ここで後ろをふりかえると…、

お邸の奥へと、長い廊下が続いています。


いよいよお邸の内部に入るんだ…。
と、ときめいた瞬間なのですが、
私たちの写真をご紹介できるのは、
ここまでです。


見学を始めるにあたって、
「写真はどこを撮ってもかまわない。
 ただし、防犯上の理由から、
 家の内部の写真を、
 SNSに掲載しないでください。」
と言われていたからです。
つまり、掲載できるのは、 
外観、表門、玄関部分のみ
ということになります。


これまでに、
日本各地の文化財を何十件も訪れてきました。
私たちがあまりにも熱心に見学するせいか、笑
「ここから先は、
 ほんとうは年に一度しか開けないところだけど、
 今日は特別に。」
などとおっしゃって、
係の方がナイショで見せてくださったことも、
一度や二度ではありません。
(けっして、無理に頼み込んだわけではありません。)


そんなふうにして、文化財を見学した感動を、
折に触れて、ブログで紹介してきました。
私たちの経験では、
「SNSへの掲載不可」
と言われたのは初めてのことで、当惑しました。


どうしてダメなのだろう、と、
帰宅してからネットを調べてみると、
お邸の内部を掲載している建築会社のサイトが
いくつも見つかりました。
また、「百年名家」というテレビ番組では、
内部をつぶさに紹介しています。


つまり、家の内部の写真は、すでに、
企業が運営するサイトなどで紹介されています。
なので、「防犯上の理由」というのは、
あまりあたっていない気がします。
それよりも、
「個人のSNSで安易に掲載してほしくない」
ということなのかな、と思いました。


こんなすばらしい文化財なのに、
もったいないな…。
というのが、率直な気持ちです。


文化財の保存には、莫大な費用がかかります。
この旧磯野家住宅でも、
数千万円の修繕費用を捻出するために、
クラウドファンディングで寄付を募っています。


広く社会に寄付を募るのであれば、
「まずは、その文化財の存在を
 知ってもらうこと。」
が必要だと、私は思います。
そして、
「その文化財の重要性に共感してもらうこと。」
を通して、そこからさらに、
「広く一般の人からの寄付」
へと広がっていくのではないかと…。


そのために、もっとも効力を発揮するのは、
偉い学者の推薦文とか、
企業の紹介サイトとか、
そんなものではなく、
一般の人々によるSNSの拡散、
つまり、草の根の広報活動だと思うのです。


最近では、文化財を訪れたときに、
「写真を撮り、SNSで紹介してください。」
と書いてあるポスターを
見かけることも少なくありません。
その施設に関わっている方々が、
「より多くの人に知ってもらい、
 訪れてもらうことこそが、
 この文化財を存続させていく道である。」
と考えているからこそだと思います。


そもそも、その文化財の存在を知らなければ、
一般の人からの寄付も集まりにくいと思うのに、
「クラファンで寄付を募っていても、
 SNSへの写真掲載は不可」
とは…。
まさに、時代を逆行しているな、と感じました。


納得のいかない部分はあるのですが、
その施設ごとに、考え方が異なるのは、
しかたのないことです。
施設側が「掲載しないで」と言っているものを、
無理に掲載することもできません。


このお邸で、夫とふたりで撮った写真は、
約130枚。
自由に撮らせてくださったことには
感謝しています。
「この写真をどうしようか…。」
と、しばし悩みました。


その結果、
美しい各部屋を撮った写真が多数ありながら、
それらをお見せできないのは残念なのですが、
やはり、掲載するのは、
邸宅の外の写真だけにとどめ、
邸宅内部の写真については、
ブログに掲載しないことにしました。


その代わり、
これまでに企業系のサイトで掲載されている
内部の写真をお借りしながら、
邸内を簡単にご紹介しておこうと思います。


この邸宅は、
 東側(向かって右側)の平屋建ての書院棟
 中央の3階建ての応接棟
 北側(向かって左側)の平屋建ての台所棟
という構成になっています。


まずは、書院棟から見て行きます。
内玄関から邸内に入り、
そこから、書院棟の畳廊下を直進しました。


書院棟の畳廊下です。庭の花木が南向きに咲くことを計算して、廊下を北側に配置しており、ガラス越しに庭園が楽しめるようになっています。(以下2枚、画像をお借りしました)

窓の外には、庭園が広がっています。この邸宅を訪れた人たちが庭園の景観をより楽しめるよう、庭園部分については建物の敷地部分よりも低く掘り下げ、高低差をつけているそうです。

窓枠の優雅な曲線も、他では見られないものです。窓ガラスはベルギー製のもの。当時の文化財ならではの、表面に揺らぎのある窓ガラスで、現在では、もう手に入らないそうです。

庭園のさらに左手、石灯篭の奥に見えているのは、台所棟です。中は見学できなかったのですが、台所を中心に、洋室、和室、浴室などで構成されているそうです。

廊下を隔てて、庭の反対側には、高い天井で広がりのある「奥書院」があります。壁は、左官の名人が11層も塗り重ねた丁寧な造りで、関東大震災のときでもヒビが入らなかったそうです。(画像をお借りしました)

奥書院はお客をもてなすための部屋で、床の間、違い棚、付書院を備えた、書院造りの客間になっています。(画像をお借りしました)

細かな模様を描く欄間や障子の桟なども美しく、心惹かれます。(画像をお借りしました)


欄間や桟は、
「奪天工(だってんこう)」という、
江戸時代の書物に掲載されている図案を基に
考案されています。
建築の際、施主・磯野敬が、
「この書物を参考にするように」
と助言したそうです。


書院棟には、長い畳廊下に沿って、
 奥書院
 次の間
 押入れ
 会議室
が並んでいます。


奥書院の次は、
隣りにある「次の間」に入ったのですが
「次の間」の写真はネット上にはないので、
(↑私たちは撮っていますが。😓)
ここでは省きます。


会議室です。幾何学模様の建具がアクセントになっており、両側には、奥行きのある押入れが取り付けられています。両側に板戸の押入れを配してありますが、その結果として、柱を増やすことができ、地震対策になっているそうです。(画像をお借りしました)


現在、この邸に住んでいる人はいませんが、
この会議室は使用されることがあるそうです。


書院棟の見学はここまでで、
次は、3階建ての応接棟に行きました。
応接棟では、2階・3階部分を見学します。
どちらも、
「お客を迎えることができる空間」
としてつくられたものです。


内玄関のある場所まで戻り、正面の板扉を開けると、その奥に階段が現れました。(画像をお借りしました)

階段の踏み板は中央部に緩いアールをつけてあります。あがりやすさを配慮した、美しいデザインでした。(画像をお借りしました)


2階は、明るく開放的な雰囲気です。


窓からは、庭園の樹木の眺めと、鋼の緑青を帯びた屋根の眺めの両方を楽しむことができます。

窓には、法隆寺の卍崩しの意匠を模したという高欄が設けられています。窓の向こうに見えているのは、1階部分の銅屋根です。(画像をお借りしました)

銅板葺きの屋根。竣工当時、この屋根は、新品の10円玉のように輝いていたそうです。

2階の床の間です。頂部が花弁状になっている花頭窓(かとうまど)が設けられています。飾られている掛け軸は、「近代日本経済の父」と呼ばれる実業家・渋沢栄一から磯野敬に贈られたもの。(画像をお借りしました)

掛軸をよく見ると、渋沢氏の署名が読み取れ、直筆であるのがわかります。

上部の欄間障子に設けられている桟。中で切れてしまったような、独創的なデザインです。(画像をお借りしました)


お借りした画像は、どれも少しぼけていて、
つい、MIYO家のぼけていない写真と差し替えて、
掲載したくなります。😅
でももしかしたら、財団側の意向により、
故意にぼかしてあるのかもしれないので、
差し替えは断念しました。


次回は、応接棟の3階を歩きます。


(つづく)

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