MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
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新緑の長野へ。塩の道から群馬の秘湯へと歩いた4日間 18 - 田中本家博物館② 水無月ランチ(2024年6月14日/3日め)

2024年6月14日 田中本家博物館で。(長野県須坂市)


6月14日(金)- 3日め


江戸時代から300年続く、
豪商・田中本家に来ています。
今回は、通常非公開の二階座敷で、
「水無月ランチ」をいただきました。


この日予約していたのは、3組だけ。私たちの席に案内していただくと、テーブルには、「水無月ランチ」が用意されていました。

「江戸時代料理再現食事会」で、毎回、腕を振るってくださる、老舗割烹「能登忠」さんの特製弁当です。

蓋を取ると、お料理がぎっしりと詰まっていました。

お椀の塗りもすてきです。^^

右上:
水雲(もずく)、蓮根アチャラ煮、白す干しの錦糸巻き、えび真珠、裏白椎茸、アスパラ巻き、牛肉のスキヤキ風、青もみじ麩、竹の子

左上:
ワラビ、腐皮(ふーぴー、ゆば)、芋茎、豚肉と蓮根の東寺巻き、相良麩、氷豆腐、蒟蒻、椎茸旨煮、南瓜、皮牛蒡

右下:
巻鶏卵、昆布辛煮、板付蒲鉾、銀鱈の粕漬、獅子頭(ししとう)、浅利時雨煮、せり、きくいも、富貴土佐煮


見た目は普通のお弁当箱ですが、その中には、
たくさんのお料理が、
ぎっしりと詰まっていました。
ひとつをいただくと、その下に、
また別のお料理が入っています。
そのどれもが、とてもおいしい。^^


どれをとっても、とても手間のかかった
品であることがうかがえました。
全部でいったいいくつのお料理があるのか、
と、驚きながらも、ひとつひとつを、
楽しみながらいただきました。


これまでの「江戸時代料理再現食事会」では、
能登忠さんのお料理を、
一品ごとのコースでいただきましたが、
そのコース料理に劣らない、
すばらしいお料理の数々が、
お弁当箱の中に詰まっていました。


目の前には、美しい庭が垣間見えます。

至福のひとときでした。

デザートは、信州産のアンズを使った寒天。

アイスコーヒーといっしょにいただきました。

すばらしいランチでした。


家が近くだったら、
もっと気軽に来ることができるのに。
須坂市に住んでいる人たちはいいなあ…。
などと、アホなことを考えていました。😓


中庭の夏つばき。花はもう終わったかと思いましたが、目を凝らしてよく見たら、咲いていました。^^

白い花が見えますでしょうか。池の水面にも、白い花びらが浮いています。

二階からだと、ぼたん雪を散らしたように見えます。

3年前に、間近で見た夏つばき。しっとりとした、深みのある白を纏った、たおやかな花です。

他の方々が帰られて、私たちだけになったので、座敷の設えをじっくりと拝見させていただきました。床の間と付書院が同じ面に並んでいるのは、中庭を望む縁側を広くとりたかったからでしょうか。

組子障子が美しいですね。

飾ってあったのは、濤川 惣助(なみかわ そうすけ)の作品。江戸時代から明治にかけての七宝家で、無線七宝による絵画的表現を特色としました。

お軸は、渡辺 省亭(わたなべ せいてい)。明治時代から大正時代にかけての日本画家です。洋風表現を取り入れた、洒脱な花鳥画を得意としたそうです。

繊細な筆遣いに驚きました。

帰宅後、彼の作品を検索してみて、その美しさに驚きました。「印象派も魅了した、近代日本画の先駆者」だそうです。

作品について、教えていただいているところです。^^

縁側だけでなく、窓の外も、緑で覆われていました。

そして夏つばき。三年前は、あの飛び石の上に立って、間近で夏つばきを見せていただいたことを、なつかしく思い出しました。^^

もっといたかったのですが、出発する時間がせまっていたので、これで失礼することにしました。

この座敷で、ランチをいただく。ただそれだけのために、ここまで来た私たち。😄


簡単に来られる距離ではないけれど、
なにかとても魅かれてしまう、
田中本家博物館。


春、初夏、秋。
…と、季節ごとの表情が見たくて、
何度も訪ねているうちに、
今回が6度めになりました。


いつも旅をしている私たちですが、
中でも、ここ田中本家博物館は、
全国各地の古い家を訪れる私たちの、
そもそもの出発点に近いような存在です。
私たちの心のよりどころ、
…と言えるかもしれません。


たぶん、また来ると思います。いえ、きっと来ます。田中本家博物館は、何度来ても終わることがない。そんな魅力のあるところです。


次回は、田中本家の庭を歩きます。


(つづく)

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