新緑の長野へ。塩の道から群馬の秘湯へと歩いた4日間 4 - 千国の庄資料館③ 取次間、帳場、そしてお蚕の間(2024年6月12日/1日め)
2024年6月12日 千国の庄資料館で。(長野県北安曇郡小谷村千国)
6月12日(水)- 1日め
信州の山里にある、
千国の庄資料館に来ています。
かつてこの近くにあった古民家が曳家移築され、現在の資料館になりました。
一階部分をぐるりと歩き、最後に、取次間と帳場を歩きました。
土間に立つと、手前から、帳場、取次間、広間の3間が見通せます。
取次間です。現在はなにもありませんが、かつての帳場や取次間では、常に家人や雇人がおり、立ち働いていたのだろうと思います。
これで、一階部分をすべて歩きました。
手前が茶の間で奥が帳場なのですが、その奥に階段が見えます。
この階段から、二階に上がることができます。
こんなふうに、側面に引き出しがついた階段。
MIYOが小さい頃は、よく見かけましたが、
最近はほとんどありませんね。^^
「たか」と呼ばれる、二階部分が見えてきました。
階段を上がってすぐのところには、機織り機がおいてありました。当然ながら、ほとんどのパーツが木製です。すごい。^^
そして、広々とした板の間が続いています。
二階では養蚕が行われていたそうで、お蚕棚が置いてありました。
隣りの部屋です。ここも、かつてはお蚕棚がぎっしりと並んでいたのかもしれません。つきあたりまで進んで、右に曲がります。
みっつめの部屋です。どの部屋にも障子が設けられており、障子の向こうは、一階部分の吹き抜けになっています。
少しだけ開けられた障子の隙間から下をのぞくと、目の前に囲炉裏の自在鉤が…。笑 二階のどの部屋で養蚕の作業をしていても、障子を開ければ一階の様子がすぐにわかるようになっていました。
みっつめの部屋には、
もうひとつの階段が造られていました。
階段がふたつあるので、
広い二階部分のどこで作業していても、
なにかあればすぐに一階に降りることができ、
機能的な造りになっています。
ふたつめの階段からは、天井の梁が見渡せました。
ここからは、梁ごしに、土間や台所が見渡せます。
同じ位置から見上げた、天井部分です。
階段を降りたところにも、たくさんの民具が並んでいました。手前は一本ぞり。姫川を遡上したマスやサケをついたモリも見えます。
再び、台所に戻ってきました。
お膳は3種類。左から、御祝用、行事用、佛事用、とありました。3種類ものお膳を人数分揃えるのはたいへんだったと思います。
「つぐら」というそうです。わらを編んで作った容器のことで、保温のために飯櫃(めしびつ)を入れたり、幼児を入れたりしました。左は赤ちゃん用のつぐら。右は猫用で、「猫つぐら」と呼ばれます。
最後にもう一度、土間から家の中を見渡しました。
100年以上もの長い歴史を重ねてきた家は、
今も、千国の方々に大切にされていました。
ピカピカに磨かれた床からは、この家に対する
地元の方々の思いが感じられ、
頭がさがりました。
家の中では、どの部屋を歩いても、
なにか、素朴なぬくもりを感じました。
それはたぶん、
地元の人々がこの家に向けた
深い思いがあればこそ、なのだと思います。
想像していたよりもずっと見ごたえがあった、千国の庄資料館。
次回は、塩倉に行ってみます。
(つづく)